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企業価値向上の指導力発揮

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの3つ目は
3.個人・組織の学習の仕組み
です。

 企業価値向上や経営効率向上のためには、優れた組織風土が必要です。そして、優れた組織風土を作るのは、経営者の役割です。

3.(3)企業価値向上の指導力発揮
 経営者は、経営幹部、管理職や従業員の助言を得て、全社的な企業価値の向上、経営効率の向上のための指導力を発揮していますか。

 組織のリーダー(経営者、経営幹部)は
・価値観や経営方針の設定
・組織文化の形成と強化
・すべての利害関係者に対する価値の伝達、創造、およびバランス
・行動に組織的な焦点を当てること
・組織構造および組織文化の変革
において中心的な役割を果たします。

 成功するために必要なのは、
・強い未来志向
・リスクは業務の計画と実行の一部であるという理解
・改善
・イノベーション
・インテリジェントリスクをとることへの積極的な関与
・組織の持続可能性に焦点を当てること
です。

 これには、権限移譲、回復力、俊敏性、変化、および学習のための環境の創造がますます求められます。

 尊敬を集める組織においては、経営幹部は、顧客エンゲージメントの文化の創造、組織の将来のリーダーの育成、働き手の貢献に対する表彰と褒賞に尽力しています。
 彼らは個人的に主要な顧客と関わり合いを持ちます。
 経営幹部は自らの個人のリーダーシップスキルを高めます。
 経営幹部が組織学習、将来のリーダーの育成、後継者育成計画、働き手をたたえる表彰の機会やイベントに参画します。
 彼らは多様性を重視することの範を示し、組織に関連するすべての人々の公平性(公正な扱い)と包括性(意図的な関与)を促進し、帰属意識を生み出します。
 将来のリーダーの育成には、個人的なメンタリング、コーチング、リーダーシップ育成コースへの参加などがあります。
 模範的リーダーは、必要に応じて変革の必要性を認識し、その努力を実りあるものに導きます。彼らは信頼性を示し、失敗を認め、組織の活動に対する責任を示します。

 倫理的行動の模範となるには、リーダーは、短期的な結果を出すことに対する要求と、倫理的風土と誠実を第一とする方針を基調とすることとのバランスをとらなければなりません。

 イノベーションのための環境づくりもリーダーの仕事です。
 イノベーションをリードすることは、明確な方向性を設定することから始まります。リーダーは、組織が対処しようとしている問題または機会について伝え、インテリジェントリスクをとることを促進し承認する支援的な環境、および、明確なプロセスを構築する必要があります。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の経営フレームワークです。
 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。



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