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11個の「核となる価値観と概念」が組織経営の基盤です

「核となる価値観と概念の役割」という図があります。原図は、Baldrige / Core Values and Concepts にあります。

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図の中央の白丸とその一つ外の青丸の中にある11個の文言が核となる価値観と概念。その周りの灰色の部分に実際の経営の6つのプロセス、その周りの水色の部分に5つの結果があります。

核となる価値観と概念に基づいて、経営の6つのプロセスがあり、その実践が5つの結果を生みます。そのことを示しています。

結果は、財務的な成果(財務、市場、および戦略の結果)だけではありません。リーダーシップが発揮され、社会に認められる組織となっているか(リーダーシップとガバナンスの結果)、プロセスが効果的に価値ある製品・サービスを生み出しているか(製品とプロセスの結果)、働き手・顧客は満足し、高いエンゲージメントを得られているか(働き手の結果、顧客の結果)が求められています。

結果核となる価値観と概念がつながっていることがわかります。

核となる価値観と概念
システム的視点
将来を見据えたリーダーシップ
顧客に焦点を当てた卓越性
人を大切にする
俊敏性と回復力
組織学習
成功とイノベーションに焦点を当てる
事実に基づくマネジメント
社会貢献
倫理と透明性
価値と結果の提供

核となる価値観と概念は、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーでは、4ページにその要点がまとめられています。

重要ですので、こちらにも引用しておきます。

システム的視点
システム的視点とは、組織のすべての部分を統一された全体として管理して、ミッションを達成し、ビジョンに向かって努力することです。
将来を見据えたリーダーシップ
組織の経営幹部は、組織のビジョンを設定し、顧客重視を確立し、明確で目に見える組織の価値観と倫理を実証し、働き手に高い期待を設定する必要があります。
顧客に焦点を当てた卓越性
顧客はあなたのパフォーマンスおよび製品とサービスの品質の究極の判断者です。したがって、組織は、顧客の獲得、満足、選好、信頼、およびロイヤルティ、好意的な紹介、そして最終的に、ビジネスの継続的な成功に寄与する、すべての製品およびサービスの機能特性、あらゆる形態の顧客接点やサポート、および、組織としての全ての価値観とふるまいを考慮する必要があります。
人を大切にする
成功する組織は、働き手と組織に関与しているその他の人々を大切にします。それらは、顧客、地域の人々、サプライヤーやパートナー、および組織の行動の影響を受けるその他の人々を含みます。
俊敏性と回復力
俊敏性には、急激な変化および柔軟性に対応する能力が必要です。組織の回復力とは、混乱を予測し、それに備え、そこから回復する能力であり、混乱が発生した場合に、働き手と顧客のエンゲージメント、組織のパフォーマンス、および、地域社会の幸福を保護し強化する能力です。
組織学習
組織学習には、既存のアプローチの継続的な改善と大きな変化またはイノベーションの両方が含まれます。それが、新しい到達目標、新しいアプローチ、新しい製品、新しい市場に導きます。
成功とイノベーションに焦点を当てる
現在および将来の組織の成功を確実にするには、組織とその環境に影響を及ぼす短期的および長期的な要因を理解する必要があります。それにはまた、組織的なイノベーションを推進する能力が必要です。イノベーションとは、利害関係者に新しい価値をもたらすことを目的として、製品、サービス、プログラム、プロセス、業務運営、およびビジネスモデルを改善するために意味のある変更を加えることを意味します。
事実に基づくマネジメント
事実に基づく経営には、組織内および競合環境の両方で、組織のパフォーマンスを測定して分析する必要があります。パフォーマンスの分析は、組織の評価、調整、および意思決定をサポートする必要があります。
社会貢献
組織のリーダーは、公共に対する貢献、および、社会の幸福と便益に配慮することを強調する必要があります。リーダーは、地域社会の幸福のための模範でなければなりません。
倫理と透明性
組織は、すべての利害関係者の取引とやり取りにおいて、すべての働き手による倫理的行動を強調する必要があります。経営幹部は、透明性を含む倫理的行動の模範である必要があります。これは、リーダーシップと経営の面での率直でオープンなコミュニケーションと、正確な情報の共有を特徴とします。
価値と結果の提供
組織は、主要な利害関係者に価値を提供し、バランスを取るのに役立つ結果を選択し分析する必要があります。したがって、結果には、財務結果だけでなく、製品およびプロセスの結果、顧客と働き手の満足度とエンゲージメントの結果、リーダーシップ、戦略、社会的成果も含める必要があります。

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注:タイトル図は「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」からの引用です。

筆者らGQFが翻訳した「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。


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