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第四次産業革命に向けた取り組みに着目する

「ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク」は2年ごとにその中身が見直されています。2020年12月21日に2021-2022年版が公開されました。これまで紹介してきた、2019-2020年版からの変更点を確認しています。

2021–2022版ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークが特に着目したのは次の4つです。
・組織のレジリエンス(回復力)
・イノベーション
・多様性、公正さ、および、包括性(diversity, equity, and inclusion)
・デジタル化と第4次産業革命‎

「第x次産業革命」という言い方は歴史が決めるものという思いがあって、現在(あるいは現在起こりつつある状況)を「第四次産業革命」と呼ぶことには、躊躇いがあったのですが、ボルドリッジに登場したのであれば、そうと認識しなければなりません。

けれど、言葉は出てくるけれど、定義が出ているわけではありません。とすれば、もう一般的になっている定義で読み進める必要があります。

米国NISTにある定義を探してみました。

インダストリー4.0のビジョンは、第四次産業革命としても知られ、自動化、信頼性、制御という明確な目的のために、大規模に展開されたスマートコンピューティングとネットワークテクノロジーを工業生産および製造環境に統合することであり、産業用のモノのインターネット(I-IoT)の開発に関係しています。
https://www.nist.gov/publications/survey-industrial-internet-things-cyber-physical-systems-perspective より引用

日本の経済産業省も見てみました。

第1次産業革命 動力を獲得(蒸気機関)

第2次産業革命 動力が革新(電力・モーター)

第3次産業革命 自動化が進む(コンピュータ)

第4次産業革命 自律的な最適化が可能に(大量の情報を基に
        人工知能が自ら考えて最適な行動を取る)
「第四次産業革命について」(2017年4月、経済産業省)より引用

ボルドリッジには次の記述があります。

デジタル経済と第4次産業革命
デジタル化とデータ分析の使用、モノのインターネット、人工知能、クラウドオペレーション、大規模なデータセット対応のビジネスとプロセスのモデリング、強化された自動化、およびその他の「スマート」テクノロジーが急速に加速しています。
2021-2022 Baldrige Excellence Framework より引用。

ほぼ共通の理解で進めて良いようです。

ボルドリッジが第四次産業革命について主に着目しているのは次の点です。
・リーダーが技術革新の必要性をどのように考慮しているか
・戦略計画立案において新しい技術をどのように考慮しているか、
・技術の変化に備えて従業員をどのように準備しているか
・新しい技術を組織にどのように組み込むか
・顧客プロセスでのデジタルおよびWebベースの技術の使用
・パフォーマンス分析と知識管理でのデジタルデータ分析と人工知能の使用
・破壊的技術が発生した場合の俊敏性の必要性

リーダーシップ、戦略、顧客、働き手、プロセス、情報分析と知識管理(したがって、結果)など組織経営のすべての局面に関係しています。

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