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あなたの組織では実行計画をどのように展開していますか

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークあるいはその要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの質問から、戦略について見ていきます。

 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーでは、「2.2戦略の展開」(p8)で、戦略をどのように実行に移しているかを見ていきます。

 最初に、あなたの組織の短期および中長期の実行計画はそれぞれどのようなものであるか(What)を尋ねています。そしてそれらをどのように戦略計画から展開しているか(How)を尋ねています。

(1)短期および長期の主要な実行計画は何ですか?
(2)実行計画をどのように展開していますか?
Baldrige Excellence Builder 2021-2022(p8)より。翻訳筆者)

 実行計画は、組織が戦略目標に到達するために行う特定の活動です。実行計画に示されているのは、計画を達成するために、投入すると決めた経営資源およびスケジュールです。

 実行計画を達成するには、経営資源やパフォーマンスの評価尺度、および、業務単位(部門やチーム)と、サプライヤー、パートナーとの計画の一貫性が必要です。 
 最も重要なのは、たとえば、業務システム、業務プロセス、および主要な評価尺度を介して、どのように一貫性と整合性を実現するかです。また、一貫性と整合性は、すべての業務単位において日常業務の一部として進められている、継続的な改善活動に対する優先順位を設定し伝達するための基盤を提供します。
 さらに、パフォーマンスの評価尺度は、パフォーマンスを追跡していく上で重要です。実行計画の実行と展開は、組織構造と運用形態の変更が必要になる場合があります。実行計画の成功は、目に見える短期的な勝利および長期的な活動の積み重ねです。

 実行計画に必要な経営資源の配分を行うにためは、分析が必要です。
 さまざまなタイプの分析を通して、現在の責務を果たしながら、実行計画の遂行に当たるための財源を確保します。
 現在の業務運用に対しては、キャッシュフロー、純損益計算書、流動負債と流動資産の分析などを活用します。実行計画を達成するための投資に対しては、ディスカウントキャッシュフロー、投資利益率、または投資資本利益率などの分析が使われます。
 また、分析では、現在の責務を継続しながら、実行計画を遂行するための人材やその他の経営資源の可用性を評価する必要があります。財務資源は必要な人材と必要な設備および支援によってはじめて効果を発揮します。

 どのタイプの分析を使うかは、組織によって異なります。これらの分析は、現在の業務運用の財務上の実行可能性、および実行計画に起因して起きる将来の存続可能性と付随するリスクを評価するのに役立ちます。

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 「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
 下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。



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