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タイさんの取材ヨレヨレ日記⑱ デスクの大晦日

新聞は元旦も配達されます。もちろん、テレビニュースも元旦に放送されます。元旦の紙面や朝のニュース番組を担当するデスクは、大晦日に出勤して作業に励みます。

私がデスクだった時は、大晦日もいつもと同じように出社。現場から出てきた原稿をチェックするのと並行して、編集局長室で開かれる「紙面会議」などに出席し、元旦紙面をどういう構成にするか、ほかの部のデスクたちと議論しました。

とはいえ、大晦日にはそんなに多くの原稿は出てきません。取材先の官庁も企業も、冬休みに入っているところが多いですから。その日の原稿では紙面が埋まらないと判断したら、以前から取り置きになっていた原稿を記事にします。こうした「ヒマネタ」原稿は、特ダネのように急いで報道する必要はなく、紙面の需給をみながら載せる日を判断できる便利な存在です。
 
原稿に目を通しているうちに、夜は更けていきます。作業がピークを超えるのは、近くのお寺から除夜の鐘が聞こえてくるころ。刷り上がった紙面を隅々まで確認し、さらにほかのメディアの元旦紙面を取り寄せて、大きな抜かれがないかどうかチェックを終えるころには、間もなく初日の出です。
 
そのまま会社近くの神社へ初詣に行こうか、それとも帰宅してお雑煮でも食べようか。明るさを増していく新年の空を見ながら、大いに迷ったことを思い出します。

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