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ハマナスの母ちゃん父ちゃんのサステなジャム作り

ハマナスの母ちゃん
 2022年9月23日(土)の秋分の日。この日の朝からGPSSグループの女性社員3人が自由が丘に集まりました。この3人は見事に多国籍。ベルギーにモンゴルに中国から来ています。
 もう完全に娘世代の3人を率いて父ちゃんが向かった先は一般社団法人日本フィトセラピー協会直営校ソフィアフィトセラピーカレッジ。ここで「千年希望の丘はまなす~ローズヒップジャム作り~」のイベントが行われます。
 その会場に到着。まずはソフィアフィトセラピーカレッジ校長の池田明子さんにご挨拶しました。池田明子さんはほとんど毎日のようにテレビに出ている梅沢富美男さんの奥様ですが、父ちゃんは池田さんのことをハマナスの母ちゃんと呼んでいます。

岩沼市千年希望の丘とハマナス
 宮城県岩沼市にある千年希望の丘といえば、東日本大震災復興のシンボルと呼ばれているところ。全国から集まった多くのボランティアの皆さんが植樹祭に参加し、これまで約40万本近い苗木を植えてきたところです。岩沼市千年希望の丘植樹祭にはGPSSグループもソフィアフィトセラピーカレッジも毎年のように参加してきました。
 父ちゃんは2021年12月末まで仙台拠点の団体で岩沼市千年希望の丘植樹祭の企画・運営を行っていました。岩沼市役所のホニャララ部長から「防災減災に加え、人が集まる森にしてほしい」との追加要望に応えるために父ちゃんが中心になって2017年から植えてきたのがハマナスです。「バラが咲き誇れば、人も見に来るかも」と考えたのです。

ハマナスを救え!
「知床の岬に、ハマナスの咲く頃…」の出だしで歌われる「知床旅情」は森繁久弥さんの作詞・作曲です。今から60年以上も前につくられた大ヒット曲ですが、この歌の影響もあって、多くの日本人はハマナスという名前は知っています。最近では皇后雅子さまのお印がハマナスであることも話題になりました。
 しかし、今までハマナスとバラが結びつく人と出会ったことがありません。「ハマナスはバラ科バラ属の落葉低木なんですよ」と説明しても皆さんキョトン。ハマナスの学名はロサ・ルゴザ(Rosa rugosa)といいます。日本にも自生している貴重なバラの原種です。バラ特有の細かいトゲがあって、植えた時にトゲが刺さって痛い思いをしたことが何度もあります。本州の太平洋側は茨城県、日本海側は島根県を南限として砂浜などに自生しています。
 ハマナスを植えるにあたって日本海側の植生調査も行いましたが、決して元気な状態とは言えません。特に東北沿岸部のハマナスは東日本大震災の津波の影響もあって危機的な状況になっており、宮城県レッドリスト2021では準絶滅危惧(NT)になっています。東北被災沿岸部のハマナス自生地のほとんどを見て回りましたが、わずかに残ったハマナスは保護対象になっていました。
 このハマナスを救おうと立ち上がったのが父ちゃんです。千年希望の丘の遠路脇や植栽地の法尻、さらに2020年には千年希望の丘二野倉公園内にハマナス畑を開設するなどして、これまで5千本近いハマナスの苗木を植えてきました。この5千本の約半数を寄付してくださったのがソフィアフィトセラピーカレッジ。このため、父ちゃんは池田明子校長のことを母ちゃんと呼んでいるのです。

2022年5月のハマナス畑

ローズヒップジャム作り
 いよいよイベントがスタートします。冒頭に池田明子校長がご挨拶。昨年亡くなった植樹の神様・宮脇昭先生のこと。宮脇先生最後の植樹プロジェクトになった岩沼市千年希望の丘のこと。そして、千年希望の丘のハマナスのことなどを詳しくお話しされました。
 実は池田校長は東日本大震災直後に宮脇先生の第1回目の東北被災地調査に同行した数少ない人物。その時に経験した巨大余震の恐ろしさなどは今なお記憶に刻まれています。
 そして、いよいよローズヒップジャム作りが始まりました。参加者のテーブルに置かれたハマナスの赤い実。これがハマナスのローズヒップです。イベント直前にハマナス畑から届けられたもの。ハマナスは春になると赤や白の花を一斉に咲かせ、やがて実をつけます。

ハマナスのローズヒップ
ハマナスのローズヒップ

 このローズヒップをみんなで丁寧に水洗いして、両端を切り取り、中の種を取り除きます。GPSSチームも種取りには苦戦していましたが、慣れてくれば早いもの。先頭切って次の作業に進み、鍋に入れて柔らかくなるまで煮ていきます。柔らかくなったらミキサーにかけて、再び火にかけ、水や砂糖を加えながら煮詰めます。

 このあたりからお昼になってお腹が空き始めたのか、GPSSチームはクラッカーに乗せて味見を繰り返しながら、砂糖やレモン汁を加えてお味の調整。最後はそれぞれがジャム瓶に移してローズヒップジャムが完成しました。

 ここで再び池田校長が登場。植物療法士、フィトセラピストとしてビタミンCの爆弾とも呼ばれているハマナスのローズヒップの成分に関する詳しい説明が行われました。
 このハマナスイベントの受講料の一部は、宮城県岩沼市の東日本大震災支援基金へ寄付されることになっているそうです。
 父ちゃんと母ちゃんが見守る中で行われたハマナスのローズヒップジャム作り。こうしたイベントがハマナスのサステナブルな未来につながることを願っています。

ローズヒップジャムを持って記念撮影

GPSSグループ参加者のサステな感想

じゅり:3年前に岩沼市千年希望の丘植樹祭に参加しました。自然に関わるのは非常に重要なことだと思い、植樹に協力して、少しでも自然の手助けができてとても嬉しかったです。この時植えた苗木の中にハマナスもありました。今回のソフィアフィトセラピーカレッジ様のイベントで使用したハマナスの実が、3年前に植樹を行った場所からすぐ近くのハマナス畑から採れたものでした。自分で植えたハマナスの実を使っている気持ちで、自然の循環を感じながら、他の参加者と一緒においしいローズヒップジャムを作ることができて、本当にいい経験になりました。

オユマー:今年5月、岩沼市千年希望の丘ファイナル植樹祭2022に参加し、鎮守の森の防災力や減災力も学んできました。今回の「ローズヒップジャム作り」では、木々がそれぞれにつながり、栄養と命を分け合っているように、人々もみんなつながっていることを改めて実感しました。そんなことを感じながら、参加者と一緒においしいローズヒップジャムを作りました。

オリビア:ハマナスを救うエピソードを含めた千年希望の丘プロジェクトのお話しを聞きながら、サステナブルな社会を作るために全力を尽くしている人たちへの敬意を感じ、自然の大切さも再認識しました。ハマナスでハーブティーや化粧品や今回のジャムを作ることから、森の力で災害から人々を守ることまで、改めて私たちがいつも自然から恩恵を享受していると思いました。美味しいジャムを作りながら、自然に対する感謝の気持ちでいっぱいになりました。


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