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タイさんの取材ヨレヨレ日記

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タイさんは元全国紙記者。30年の記者生活で経験した苦労話、よもやま話を紹介します。皆さんが将来、メディアの直撃を受けた時、参考になることがあるかもしれませんよ。
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記事一覧

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑮ 広報部は出世コース

経済記者をしていると、広報部の方々との付き合いが多くなります。取材のたびに顔を合わせます…

GPSSグループ
2か月前
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タイさんの取材ヨレヨレ日記⑭ 大物政治家の殺し文句

ある官庁記者クラブのキャップをしていた時のお話です。香港で数日間にわたって開催される大き…

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2か月前
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タイさんの取材ヨレヨレ日記⑬ 記者ほど面白い仕事はありません

新聞業界の地盤沈下が止まりません。 部数は急減。通勤電車の中で新聞を読んでいる人をまった…

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2か月前
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タイさんの取材ヨレヨレ日記⑫ サリンで吹っ飛んだスクープ

「戦後50年」となった1995年は、いろいろな事件が起きた年でした。1月には阪神・淡路大…

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2か月前
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タイさんの取材ヨレヨレ日記⑪ 検察といえば思い出す 

この原稿を書いている時点では、安倍派の「裏金問題」が大きなニュースになっています。世間の…

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2か月前
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タイさんの取材ヨレヨレ日記⑩ 忘れられない海外取材

今回は海外取材の話をしますね。 経済記者は案外、海外取材の機会が多いんです。国際会議の取…

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2か月前
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タイさんの取材ヨレヨレ日記⑨ たまには私もスクープ

スクープを抜かれた話、ライバルに大負けした話を書き連ねてきました。でも、私だって大きなスクープをした経験はあるんです。長く記者をやっていましたからね。 世界でもトップクラスの規模と売り上げを誇る某企業を取材していた時です。その会社が1世紀以上にわたって続けてきた主力部門とはまったく別の分野へ新たに乗り出すという情報をキャッチしました。事実ならば、日本の産業構造そのものの転換につながる大ニュースです。 その会社の幹部たちや関連する省庁のトップたちに連日、夜討ち朝駆けしました

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑧ 圧倒的に増えているプレスリリース

今回は趣向を変えて、メディアの現場で今、起きている変化についてお話しします。 後輩の記者…

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3か月前
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タイさんの取材ヨレヨレ日記⑦ 銀行合併は大ニュース

私が金融業界の取材を始めた90年代半ば、都市銀行は13行ありました。覚えていますか? 大…

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3か月前
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タイさんの取材ヨレヨレ日記⑥ ライバルたちは戦友

スクープの抜き抜かれにしのぎを削る記者にとって、ほかのメディアは全員がライバルです。ある…

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3か月前
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タイさんの取材ヨレヨレ日記⑤ デスクってなに?

はじめは、訳も分からずに現場を走り回るだけの記者たち。だんだん経験を積んでくると、記者ク…

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3か月前
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タイさんの取材ヨレヨレ日記④ 男の中の男

記者として、何万人もの人に話を聞いてきました。「これこそ男の中の男だ」と感服した人物が、…

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4か月前
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タイさんの取材ヨレヨレ日記③ 「抜かれ」はつらいよ

新聞業界で最も権威ある賞が「新聞協会賞」です。その1年間で、もっとも大きなスクープに与え…

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4か月前
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タイさんの取材ヨレヨレ日記② 足取り重い大晦日の歳末警戒

前回、夜討ち朝駆けの話を書きました。昼間になかなか会えない人を捕まえるための手法ですが、実は「成功」の確率はそれほど高くありません。政治家や経済人など取材慣れしている人々は、「来そうだな」と予感したら、記者たちが張り込んでいる自宅には帰らず、職場近くのホテルなどに避難してしまうからです。 せっかく夜討ちを仕掛けたのに、「留守です。今日は帰りません」と言われたときのむなしさ。眠い目をこすりながら朝駆けした取材先で、「家にはしばらく戻らないはずです」と突き放された時のみじめさ。