Pokémon LEGENDS アルセウス クリア後感想・考察

2022年、最高の幕開けを切った名作「Pokémon LEGENDS アルセウス」
メイン任務、サブ任務、図鑑完成、マンテンボシまで到達したので感想などを書いていきます。

マンテンボシのメリット、シマボシ隊長が
いつでも褒めてくれること以外特に無い
タスクコンプリートは流石に道のりが長すぎる

※後半ストーリーの核心に関わるネタバレ有りです。ワンクッション置いていますのでご注意ください。

では感想


いや〜〜〜なんと言っても、グラが!!!!最強に!!!!
良い!!!!!!!

良すぎ!!!!!


オープンワールドゲームとしてもう最高のグラフィック。空、陸、海や川、どこをどう切り取っても360度全てが最高の1枚になりますね。
リアルで実写みたいってわけじゃなくていわゆる理想的な、フィクションの世界に思い描く美しい大自然って感じでポケモンとかデフォルメ人間のモデルとミスマッチ起こしてないのも良かったです。というかポケモン抜きにしてもまずフィールドのグラフィックが綺麗すぎてすでに最高なんですが……
特に氷山マップの夜明けの空の色と海マップの青空と白い雲の構図があまりにも美しい。時間経過で空模様や太陽と月の位置が変わっていくのもぼーっと眺めてるだけで楽しい、なんてハイクオリティなゲームだ……

アヤシシに乗って広大な草原を走り回ったり
ウォーグルの力を借りて星空を飛翔したり
イダイトウのジャンプで滝から空へ
サファリゾーンでお馴染みのノモセの湿地
昔はこんな景色だったんですね
大海原と入道雲が笑っちゃうくらい綺麗
夜明けを川の始まりで迎えられる
雪原は本当いつどこにいても絵になる
ポケスナもそうだったんですけど
空のグラデーションの色彩がエグい
ポケモンと一緒に満月を拝める


次にポケモンのグラフィックですが、こちらもモーションの種類が1匹1匹にたくさん用意されてて見きれない贅沢な悩み プレイヤーのことチラチラ見てきたり駆け寄ってきたり、プレイヤーがしゃがむと一緒に座ってくれたり……
あと、バトル中に好きな位置に移動して観察できるのは従来にないシステムで心躍りました。ポケモンの技モロに受け止めるのめちゃくちゃ頭悪い行為すぎるしそれが許されるならフィールドでも平気だろ感すごいんですけど、技繰り出す瞬間のポケモンを真正面至近距離で見れるの大サービスすぎるでしょ
オヤブンとかサイズ違いとか個体差の概念がグラフィックでわかるようになってたのも良かった〜!オヤブン6匹集めて囲まれたりサイズ違い並べたり、無限にやってられるじゃんこんなの……ポーチじゃなくて牧場を拡張してくれないかな……もしかしてポケモンHOMEの概念もシュウゾウの息かかったりしてます……?

同じ種族でも二倍近い差がある ぷゆ

人間キャラもみんな見た目から個性豊かで良いですね……隊服や団の制服とか、古めかしい普段着の洋装のデザインがどれもかわいい 表情のモーションが沢山あって感情豊かに映るのが剣盾に引き続き良かった、特にテルくん……テルくんの全ての表情が素晴らしすぎるんですけど……口開けてニカっと笑うあの一連の動き開発したの本当に奇跡のバランスだと思う


そしてBGMもとんでもないクオリティだった……舞台が舞台なのでダイパのアレンジで来るんだろうなと予想はしてたけど、え〜〜〜どれも最高のアレンジすぎるんだが!?

ダイパの曲をアレンジするというよりも、ここから時が経った先にあるのがダイパの曲になるってコンセプトもめちゃくちゃ素敵なんですよね。
勿論DS時代で流せるオケの幅に比べてSwitchのそれがぐっと広がったのは大きいんですけど、単なる和風アレンジじゃなくって、特にフィールドBGMがより自然的というか非電子的というか、まだ人の足があまり踏み入れられてない世界にぴったりの音作りになってたのは世界観に没入させる大きな力だと思った
コトブキムラのBGMもその場の空気に混じって音楽が漂ってる感じで、でもダイパの街村BGMって街頭で曲が流れてるのが聞こえる印象で……過去と現在でアレンジは変われど同じメロディが同じ土地に流れるの、たしかに開発は進み人間が増えてって変わったことはあるけど変わらないものもある、その土地に息づく魂みたいなものは残されてるって感じがしてとても素敵ですね

あと何がすごいって、ただのフィールドBGMの1つにすぎない209ばんどうろのアレンジをエンディングという大役に持ってきてくれるサービス精神よ……本当何の特別なシーンでも場所でもない209ばんどうろ、アレがダイパを代表する人気曲の1つであるってのをわかりきった所業なんですよこれは しかもこのアレンジは他のフィールド曲と違って元曲よりも未来的でキラキラになってるのも良い、エンディングなので華やかにしてるのはあるんだろうけど他の曲よりも今の音に近くて、ヒスイのみんなの未来に繋がる「新しい門出」にあてた曲なんだなぁと……

そしてウォロ戦 1回しか聴けないとかあり得なくないですか!?いや倒されまくったから5回くらいは聴いたけど!!あの恐ろしい完成度の曲、ただでさえ凄まじいシロナ戦をあまりにもあまりにも良すぎるアレンジじゃん
あれがイベント曲なの本当〜〜〜にもったいない 早くサントラを出してくれ 剣盾のサントラも出して

オープンワールドとして世界観に落とし込む雰囲気作りとしても、ポケモンシリーズの歴代プレイヤーへのサービスとしても、どれもこれも大満足のサウンド
あともう当たり前みたいな感じで完成されてるけど、ポケモンの鳴き声や足音自然の立てる音の立体感がある環境音もマジですごい、ポケモンスナップもあまりにも最高だったんだけどスナップは基本的に近くの音だけが聞こえるのに対して、アルセウスは遠くの音も聞こえる気がする 上空の囀りも血の果ての遠吠えも足元の呼び声も 
YouTubeで立体音響ASMR出してくれないかな〜イヤホンして目瞑るともうポケモンの生きている世界なんだよこれ……


続いてシステム面とかプレイコンテンツなど

大筋のフィールドアクション+いつものバトル構成、個人的にはめちゃくちゃバランスが良かったなと思った
いつものガチガチのターン制バトルのポケモンも放置できるし気抜けるしあれはあれでとても良いんだけど、割と常に緊張感があってでもメインのバトルはゲームの腕とか求められないあたりよくできてるな〜って フィールドアクションも慣れるまでは難しい人もいるだろうけど、大ピンチの時でさえポーズし放題だしセーブしまくり放題だし、こまめにセーブしておけばゲームオーバーで痛い目見ることも無い仕様だよね

ただ、フィールドが簡単になるというか移動方法増えて野生ポケモンから逃げやすくなるのってゲーム進行に準じてだし、特に脱出要因のウォーグルが助けてくれるようになるの終盤なんですよね……ゲーム自体にも不慣れだし手持ちのポケモンも弱いし移動手段も無いしっていう最悪の状態が序盤に来るのシンプルに難易度高いんだけど、でもそれがゲームの主人公が感じる緊張や自然の脅威やポケモンへの恐怖とリンクしてて、えぇ〜こんな手法の没入感作りってある……?
操作に慣れてきて楽々移動できる頃になるとサブ任務も進んでるから、主人公以外の人たちもポケモンとの距離が縮まってるのも良い 付き合い方がわかってきたんだなというのがこんな形で認識できるとは……

人懐っこいのか人が怖いのか
嫌がらせをしたいのかどれなんだ

力技・早技システムは結局未だに掴めてないのですが……まぁバトル面はいつものポケモン通りレベル差とタイプ相性のごり押しが効くので難易度としては普段と同じかなという印象 通信対戦が無いのでウォロ戦以外は本当にレベル差の世界 ガンバリレベルとミント、いる?DLCでバトル要素が来たりするのかな
とはいえ今回は野生も手持ちも全体的に強めというか、HPの減りが激しくてどっちも簡単にひんしになっちゃうから緊張感はあった トレーナー戦はみんないつものポケモンくらいの弱さだったのに、それに対して野生が強くないか?これもやっぱり人間がポケモンと上手く付き合いきれてない故、ポケモンの力を発揮できてない→野生でポケモンが自分の考えだけで戦うよりも人間の指示というノイズが入るせいで弱くなる みたいなことなのかな だとしたら……すごいが……何がすごいってウォロがな……

そんでキングとクイーン、あと対伝説のしずめだまアクションですが……こう……個人的には……要るか……?と思ってしまった……ああいう要素は風船割ゲームだけで良かった気もする……しかも一番効率いい立ち回りって結局、しっかりポケモンの動き見て回避とかじゃなくてガンガン懐に突っ込んでゲージ1/4ずつ減らすリスポーン前提のやり方だったし……
でもこれもまたポケモンの凶暴さを身をもって感じられるシステムではあったなと 技ぶっ放してるポケモンに人間の身で特攻するゲームなんて無いからね

それで個人的に一番良かった今作のシステムはやっぱりオヤブンとサイズ違いの可視化なんですよ
現実の動植物と同じで、同種のポケモンでも全ての個体が一律図鑑のサイズなわけないってことはパンプジンとバケッチャでよくわかってたんですが、今回はそれをしっかりビジュアルで示してくれたのが本当〜〜〜に良い
元々でかいポケモンのオヤブンにでかい!怖い!ってなるのも良いし、小さいポケモンのオヤブンのぬいぐるみ感を味わうのも良い ベビィポケモンのオヤブンとかどういう存在なんだ?って思うけど、アニポケでサトシのピカチュウがガルーラに育てられての進化だったりなつき進化のことを考えると、親ポケモンなり他のポケモンなり人間なり誰からも愛情を与えられずに育った結果ベビィポケモンのままオヤブンと言われるまでに大きくなってしまったのか……とか思ってしまいますね

オヤブンウリムーに囲まれる 幸福の形
シンプルに恐怖
元々が小さいポケモンだと
ビッグぬいぐるみみたいのサイズ感になる
人間なんてぺしゃんこにできるだろうに
ちゃんと目で追ってくれるんですよね……
みんな目を合わせてくれる……
おいおいおい
店開ける

オヤブンに限らずポケモンのモーションをじっくり見られるのもサービス満点で最高でしたね。剣盾やレッツゴーピカチュウ、ダイパリメイクの連れ歩きだと1匹だけしか出せないけど、今回は手持ち6匹全員出せるのも良い……こちらが座るとポケモンも座って目線合わせてくれようとしたり、何もしないと退屈して寝ちゃったり、野生ポケモンが戦わなくてもこっちに興味持って走り寄ってきたりする細かさも良いよね〜〜〜特にゴーリキーがわざわざ寄ってきて筋肉自慢してくるのがめちゃめちゃ好き ポケモン1匹ずつの認識範囲は決まってるけどヒメグマに気づかれると声出されて助け呼ばれて、範囲外のはずのオヤブンリングマに見つかる仕組みとかもすごいな〜ってなった
バトル中にあちこち駆け回れて自分のポケモンも敵ポケモンも間近で見れるのも良いシステムだった 普段の自動カメラワークじゃ見れないポケモンの尻とか技出す瞬間の動きとかじっくり観察できるのサイコーなんですよね……とにかく今作はスナに引き続きポケモンの姿や生態を細かく描いてるんだなって印象が強い

神の尻の観察もできる

道具系はボール系も回復もバンバン必要だけどマップ走り回って素材集めればすぐ溜まるし、FP稼ぎも後半は苦労しないし時空の歪みでも結構ドロップするから進化系アイテムにも基本困らないから、金策迫られる場面も無いと思った シュウゾウは……まぁ……ただポーチも別に最後まで拡張しなくても小まめにキャンプ立ち寄ればそこまで枠増やす必要も無いし
ストーリークリアしたあたりからはボール系は横着して店で買っちゃったけどそれでも困らない値段設定だったし、金周りアイテム周りでの苦労はほとんどしない設計のはず もしかしてそこのバランス調整のためのシュウゾウか?強いて言うならギンナンから買えるロトムのモーターがバカ高いことくらいかな〜

呉服屋と写真屋は個人的にはちょっと物足りなさあった
時代設定とアクション動作ゆえ仕方ないんだろうけど服装のバリエーションが少ないのと、ポーチのせいもあって何着せてもしっくりこない感があるというか、そもそもギンガ団の調査隊服が完成されすぎてて何着せても超えるものが無いんだよ!!いやこれは果てしない長所ではあるんですけども……デフォルト衣装があまりにも良すぎるあまり着せ替えの楽しさがなくなることってあるんだな……あと着せ替えに関しては剣盾がデザインの豊富さも質も高すぎた感はある
写真屋もこう……位置の自由があまりきかないのとか1匹だけしか撮れないのとか……でもあの、背景や加工もバリエーションあまりなくてかしこまった感じは昔の写真館って感じあってそれはそれで良かったとも思う まぁこの辺の要素はDLCで追加来るの期待してしまいますね

隊服+のろいぎつねの面+二つ結び
このバランスが良すぎてほぼコレで終わった

あとはやり込み要素の図鑑完成とタスク埋めのボリューム
これはまぁ〜感じ方は個人差あると思うけど結構な作業感は否定できないな……楽しくて捕まえまくれば自然に埋まる!ってわけでもないしポケモンによってはちゃんとタスク確認しながら埋めないといけないのもいっぱいある 当たり前なんだけど効率考え出すともう完全に作業、脳死でハヤワザ/チカラワザと特定の技でビッパを薙ぎ倒していったり同じポケモンにオレンのみを10個食べさせたりすることになる
ただこれも何というか、終わりが見えない途方も無い道のりってわけじゃなくて確実にゴールが見える作りになってるのがね、あぁ〜上手いなぁ〜〜〜と ちゃんと計画立ててやれば図鑑完成もマンテンボシもコレいけちゃうなって思えちゃうのがね ずるいですね……決して楽ではないけど心を折るほどのものでもない絶妙なバランスなんですよ、しかもいざフィールドに出ればビジュアル面が良すぎて気力も湧いてくるわけで 本当この作りは天才だと思う

総評 低難易度というわけではないんだろうけど難しい印象は無かったかなという感じ ストーリー進める上でもちょっと頑張れば詰まることはないだろうし
剣盾はそのあたりただ一本道に進むだけでも詰まるポイント無かったし追加シナリオのホップくんまであまりにもぬるま湯難易度だったので、そこと比べると骨のある設計にはなっているとは思う ただバトルタワーとかが無い分やり込み要素は誰にでも手が届くし、図鑑埋めに関しては通信不要なので過去作最強に簡単まである と、思う
一番きつい局面が序盤の手持ち弱い+操作不慣れのタイミングだろうから難しいって評判も納得なんだけど、そこ乗り越えれば難易度気にならないし色々楽しくなるからもし心折れた人はもう少し進めてみてくれ〜!という感じですね


以下、ストーリー感想いきます
ガンガンネタバレしていきますのでご了承の上お進みください



何と言っても、ポケモンと人間の関係性をここまで濃密に描いてくれたのが本当にすごいな と
そして、「知ること」「知ろうとすること」がいかに大切なのか、大変なのか、素晴らしいことなのか 相手のことを知ることで世界が広がる、共に生きることができる このメッセージ性の眩しさにやられてしまいましたね……
何がすごいってメイン任務はもちろんサブ任務でもそのメッセージが一貫してるのがすごいんですよね スボミーのサブ任務で「未知は怖い、無知はもっと怖い」って言葉が出てくるんですけどこれが本当にゲーム全体に繋がりすぎてて ポケモンや主人公(異界人)という存在はわからないことだらけで何してくるかわからないから怖いのは当たり前なんだけど、怖いからって知ろうとしないで遠ざけてばかりで自分だけになるのはもっと怖いことだって 知ろうとして、分かろうとして世界を広げることが大切だという1つのメッセージがゲームの隅々にまで行き渡ってて、作品としてのまとまりがすごい……
図鑑のシステムもそこに則ってるんですよね、普段みたいに1度戦ったらとか1匹捕まえたら終わりじゃなくて、そのポケモンの食事を観察したり弱点を知ったり技を見たりしないと理解が進まないと やり込み要素にまでストーリーのメッセージが浸透してるのやばくないですか?

アルセウスが単体のゲームではなく、ポケモンという大きくて長く続いてるコンテンツで描かれた『過去』の物語だからこそ意味が違ってくるストーリーだったと思う 私たちが当たり前のように触れてきたあのポケモンの世界になるまでに、こんな歴史があったんだとかこんな風に頑張ってきた人たちがいたんだとか そういうバックボーンを知ることができたのは本当に最高ですよね

すごいなって思う作りといえばサブ任務の内容やコトブキムラの様子がメイン任務の進行度に付随して、変化をありありと感じられるようになってるやつ 主人公たちの活躍によって人とポケモンとの付き合い方が変わってきてることをシナリオ面でもビジュアルでもわからせてくるんですよ、サブ任務って最初の方は悪さをしたポケモンを懲らしめるとか捕まえるとか知ったけどやっぱり怖いみたいなやつから始まって、メインが進むとポケモンのここが不思議だけどどうなんだろう?とかポケモンのことが少しわかったみたいなのが増えて、終盤はポケモンと力を合わせるのが当たり前になってきたりイーブイがかわいい!!みたいになってくる 話が進むほどに任務がポケモンに対して柔らかくなっていくんですよ 村の中にもポケモンが増えて一緒にいるのが当たり前になっていく こういう面でメインストーリーを表してるの、表現の天才すぎて圧巻でした チリーンのサブ任務が持ってる意味の重さ、凄まじいよ……

こういう、今までのポケモンに触れてきた私たちファンなら当たり前の引っかけ情報も
この世界に生きてポケモンと近づき始めた人たちにとっては全てが未知で新鮮な驚きなんでしょうね
至言


まぁポケモンに乗って割とハードモードな風船破り企画したりポケモンと出会うなり漬物石にしたりグレッグルに愛嬌を振りまかせたりしてる狂人も結構いるんですけど 未知を怖いと感じない人間っていますもんね アローラという別地方≒ポケモンとの距離感がヒスイとは違う場所から来た調査員がロコン連れてきて普通に一緒にいたり、別地方の孫が良かれと思っておじいちゃんにイーブイをあげたりしてるのも凝ってるよね あくまであの距離感はヒスイのものなんだろうな イシツブテ漬物石にしたがる女将さんももしかしたら他地方から来たのかもしれないね

人間キャラクターたちも見た目はもちろん性格も個性的だったね〜既存キャラの先祖としてここからどうやってあのキャラが……?みたいに考えるのも楽しいし、ガラナとススキみたいな人間同士の絡みも丁寧だったし 個人的にはキクイがこの後鉱山王になってその血がイッシュの鉱山王に受け継がれるのが熱い、あとワサビに子孫がいることが信じられなくないですか?あのワサビが子を成したってことですよね?モミがいるってことは ここを考えると気が狂いそうになるのでやめます

私ラベン博士がある意味全キャラの中で一番情緒狂うというか、いやだってラベン博士すごくないですか!?ポケモンまともに触れなくて初心者にもオススメの御三家メンツにも舐められまくってるのに、ポケモンは恐い生き物だと知ってるのに、それでもポケモンを研究しようというあの止まらぬ心意気ですよ!?しかも自分の生まれ故郷ですら無い開拓地で!!恐怖より知的好奇心が優ってるんですよラベン博士……そしてその知識がコトブキムラの人間たちのためになるともわかっていて、そして主人公やテルくんにもめちゃくちゃ感謝もして世話焼いてくれて……
何かこう、知ることで世界を繋げていくアルセウスという物語をやった今だからこそ思うんですけど、ポケモン世界が成り立ってるのってこうやって絶えずポケモンを研究し続けてる人たちがいるからこそだと思うし、そして歴代作品の博士たちみたいに自分だけが知ろうとするんじゃなくて、未来を担う子供たちにその機会を与えようとしてくれる 知ることって楽しいんだよって教えてくれる そういう存在がいるからこそだと思うんですよ……これはソニアとおばあちゃんにも描かれてたけど……
アニポケのサクラギ博士も博士自身もめちゃくちゃ優秀だしキクナさんとレンジさんもめちゃくちゃ優秀な研究員じゃないですか、でもサトシとゴウにフィールドワークを任せてあくまで自分たち大人はサポートに回って もちろんこれは研究室を空けられないとか研究員2人がバトルできなかったり捕獲得意じゃなかったりって事情もあるはずなんですけど、でも子どもだけで対処できないことが起きると助けてくれるんですよ 何で?知識で、なんですね 今まで得た知識が今目の前にある問題を解決してくれる、ポケモンと人を助けてくれる 知があるからポケモンの力をより発揮できる、たくさんのポケモンに出会える 適切な付き合い方ができる そういうことを教えてくれるのが博士たちなんじゃないかな〜と……
ラベン博士は自分だけじゃポケモンと接することができないし、その辺は博士キャラとしては猛烈に頼りないんですよ でもラベン博士ってそこを知識が乗り越えさせてくれるって信じてるし、それが自分にも他の人間たちにも必要なことだと思っていて、だからポケモンの研究を続けて……そういうところが博士として、突き抜けてカッコいいなと思うわけですね……

にっこにこ

セキとカイが歳若く新しい長、主人公やギンガ団がヒスイにやってきたタイミングでこの2人が現地民の取りまとめ役になっていたのも運命的なものがあるね それぞれ信仰しているものが違っていて受け継いできた風習を守らなくてはいけないという気持ちと、世界は広く自分の信じてきたものだけでできているわけではないという気づきの間で葛藤したり、2柱のシンオウ様の元でどんな未来を目指すのか考え始めたりっていう立ち位置がこの2人だったの、ヒスイのこれからに明るい光が差していることを表してるみたいで良かった
2人のどっちを選ぶかのところ……あの要素……いります……?選べるわけないが……?まあ普段のカセキと同じものだと思えば……でもカセキは通信交換で揃えられるけどセキとカイは通信交換で揃わないんですよ!?あと他のシンジュ団みんな普通に防寒してるからカイとハマレンゲだけがバケモノなんだなと思いました

もはや収録で体張ってるアイドルの図

ひたすら褒めてくれるしニコニコしてるし助けてくれるし闇堕ちしたりもしないテルくんとか、余裕なんて無いはずなのに異界人の子供匿ってくれてずっと気にかけてくれて主人公が気に負わないような手の回し方をしてくれるシマボシ隊長とか、自分のことみたいに喜んだり怒ったりしてくれるラベン博士とか いい人たちだらけなんだよな……シュウゾウは知りません ってかあいつ普段ギンガ団として何してんの?
デンボク団長も筋が通っていて超魅力的なキャラですよね 彼を陰から守ることを信条としてるムベも 別にデンボク団長はポケモンを力でねじ伏せたいわけでも無理やり従えたいわけでもないし、主人公のことを疎ましいだとか恐ろしいだとかって思ってるわけでもなく、ポケモンの恐ろしさを身をもって知っているからこそどうすれば人間を守り安全に暮らすことができるのかってのが第一で 死んだら終わり、っていう発言も本当にそれを知っているからこそ出たものなんだろうな……そもそもデンボクは博士をそばに置いたり調査隊を設置したりでデンボクなりにポケモンとの共存を探ってたわけだし ポケモンに故郷の村潰された過去があってのこれ、だいぶすごい器だよ……
まだまだ謎が多いポケモンは元より、異界から落ちてきた主人公も未知で脅威なのは間違いないし しかもそれが異変と同じタイミングなら尚更 何者なのかわからない存在が人間たちにどんな影響を与えるかわかったものじゃないし、デンボクのあれは人間のリーダーとして決して間違ってないと思うんだよな……実際主人公やアルセウスの目的が共存であることなんて誰にも保証できないし 主人公のことを慮りながらも匿うまではできなかったセキやカイも同じで だからこそ、ポケモンと人の間に埋められない溝ができた故郷と過去からヒスイに来て、ポケモンと人は共に生きることができるのかと疑問を持ち続け答えを探していて、そしてその先にあったのが「世界の危機をポケモンと人が力を合わせて乗り越えた」なの、そりゃあデンボクの旦那でも泣いちゃうよね……

未知は怖い、ってのは当たり前なんだよね しかもそれを乗り越えるのって個人の範疇なら勝手だけど、デンボクやセキやカイみたいに他の人間やポケモンの命を背負っている立場だとそんな簡単な話じゃないし だからこそ「無知はもっと怖い」を彼らが知れたのは本当〜〜〜に素敵なシナリオだし、主人公にそのことを教えられたデンボクの子孫が博士となって、今度は主人公に「知ること」を教えてくれる存在となるの……本当に……

この言葉ホントにグッと来た


主人公とノボリの境遇についてはまぁ……散々言われまくってるのでもう今更文句を言う気力もあまりないのですが……今作における一番の不満点ですね……
主人公はまぁ 百歩譲って良い アルセウスという神に選ばれし存在として連れて来られた神の使いと言えるし、アルセウスやディアパルと繋がってるのでいつでも帰れるっちゃ帰れるし、こう言っちゃ何だがプレイヤーキャラで自我の無い存在といえばそうとも取れる(ダイパの主人公かどうかは判断材料が無い)のでもうそういう"主人公"というツールとして割り切るしかないのかもしれない いやでもバトルのやり方知ってたってことは元の世界に確実に自分のポケモンがいるよな……やっぱり何も良くないな……
ノボリは確立された1人のキャラクターでありメディアミックスとかもたくさんされてきて背景もあって、そんなキャラの1人を簡単に……え……?しかも記憶喪失って……いや……
そもそもノボリである必要が何も見出せないんですよね 前述の通り主人公は神に見初められたから時空を超えて派遣されたわけだけど、ノボリは単なる事故で飛ばされたっぽいし その立ち位置自体いる?って感じだしそれを既存キャラでやる必要あった?って感じでもある 捻くれた見方だけど、人気や話題性があるキャラでしかもセットの片割れと引き離すことでさらに話題が呼べるみたいな理由で出されたんじゃないかなって思ってしまうんですよね ついでに言うなら由緒正しく伝統に縛られたシンジュ団が『空から落ちてきた記憶喪失の異界人』とかいう怪しさ極まりない存在にオオニューラという神聖なポケモンの世話を任せてるのもマジで謎だし あの辺りだけ作り込みが雑というかノボリありきで話が進んでるんだけど……
ただこの辺りは流石にDLCなり何なりで解決してくれるでしょとは思います このままBWリメイクとかに繋げられたらたまったものではないのですが……現代の時間のある一点でノボリが失踪する≒時空を超えて過去のヒスイ へ飛ぶ→そのまま帰れなくなりヒスイで子供を作りその子がサブマスの先祖となる→血が受け継がれサブマスが生まれ成長、イッシュへ→時は流れある時ノボリ失踪 でも話は成立してしまうのですが(これは主人公側もそう) いや やめよう この話は DLCに懸けます

気を取り直して ウォロ いや何も気を取り直せないが?

ウォロ……ウォロという人間をこのアルセウスという物語において、進行の仲間としてそして最後に相対する存在として設置してきたの、本当に 本当に、物語のつくりとして素晴らしすぎる
そして、あまりにも残酷で皮肉が効きすぎている
先に書いた通りこのストーリーの根幹に来るものって「知ることの尊さ」みたいなところだと思うんだけど、その「知」に対する熱情の成れの果てがウォロにあたるわけで あれだけ人とポケモンを、人と人を、ポケモンとポケモンを繋いだ「知」や「知的好奇心」の行き着く先にいるのが、ウォロなんですね……
アルセウスに辿り着きたい、アルセウスのことを知りたいという欲が暴走した果てで、世界を犠牲にしても構わないと考えていたりギラティナを呼び起こしたり時空の歪みをわざと作って沢山のものを危険に晒したりって行動は間違いなく悪なんですけど、ウォロがアルセウスに対して見せたあの異常な執着 あれを気持ち悪いと感じるじゃないですか でもアレって主人公が他のポケモンたちにずっとしてきたことと同じ、ラベン博士が、ギンガ団が、シンジュ団とコンゴウ団が、この物語の中で「ポケモンとの距離が縮まった」と感じている全ての人間が やってることと根底は同じなんじゃないかと思う

レベル5だかのベビィポケモンの技ひとつにも耐えられない軟弱な肉体があの世界における人間なんですけど、でも、それが事実なんですよ 弱肉強食の自然においての価値はそれだけってこと、人間はポケモンにとってあまりにも弱すぎる生き物で遥かに脆弱な命なんですよ
でもその、本来どうしても乗り越えられないはずの価値の壁を人間は乗り越えた気になってる 何で?知識で、ですよ……相手のことを知ることで対等になったつもりでいる、人間の体は弱っちょろいままなのに、ポケモンのことを知ればポケモンと対等に生きていけると思ってるんですよ、相手は自分よりずっと強くて人間のことなんていつでも殺せるのに こっちはボールに収めることだけが精一杯の対抗手段でそれすらまともにできない人間がまだまだ多いのに たかが知識で、自分が相手のことを沢山知ってるからってだけで、並んで歩けるって思い込んでるんですよ、これが気持ち悪いって言わなくて何て言うんだ……?これは神のことを沢山知ったから自分こそが神と邂逅するに相応しいって考えてるウォロとまんま重なる図式なんじゃないかと、思うんです……

でもこれは側面的な考え方でしかないんです 同じようにウォロがアルセウスへの執着と妄信で暴走した勘違い野郎っていうのもまた、側面的な考えでしかない
ポケモンを「恐い生き物」と決めつけて距離を取るのではなく、どこが恐いのか?どこが恐くないのか?どうしたら人間に力を貸してくれるのか?みたいなことを模索して付き合い方を考えるということ、これは間違いなく素敵なことであるはずだし、互いにとって良いことだとも思う でもその「素敵」「良い」を判断するのはあくまで人間でしかなくてポケモン側の気持ちはわからないし、人間がポケモンと共に生きることが正しいのか?なんて誰にもわからないんですよ だから結局……ポケモンは怖いけどポケモンのことを知って仲良くなろうみたいなのはエゴでしかなくて……でも、エゴって悪いものというわけでもなくて……

ウォロを正しく善い人間だと感じる人はほとんどいないと思うし一方で完全な悪人だとも受け取れない人が多いと思うんです 結局答えなんて出ないし、ポケモンを知ろうとすること知りたいと思うことのどこまでが正しい行為?どこからが悪?って問いに答えられる人間もポケモンもいない おそらくそれはアルセウスにも決められないことだし、その答えが導き出されるんならNの葛藤は生まれなかったんですよ
だからウォロの存在は本当に上手いなぁ……としみじみしてしまう ウォロという決して終わらない問いかけを残したまま、ヒスイ地方はシンオウ地方に、我々の知っているダイパの未来に向かっていく あの姿の世界が、あの人とポケモンが大自然の中で息づいているシンオウ地方が、間違った選択の末だとは思えないので……そこも込みですごい展開ですよね……

このトゲピーとの写真とか見るに
ポケモンへの愛情は絶対あるんですよ
手持ち100%一致なのはシロナの祖先というより生まれ変わりで輪廻転生に絡めた説を推したい

そしてコギトの存在は「伝説のポケモン≒神々との関わり方」について一つの答えを提示してくれてんじゃないかなと思っています
歴代主人公は伝説のポケモンや神とされるポケモンをめちゃくちゃ捕まえまくってることでお馴染みだし、ダイパリメイクにはミュウとジラーチを譲ってくれる謎すぎる老夫婦がいたし アニポケでもゴウくんがスイクンをゲットしたりしましたが あれ、言葉通りの「所有」だったら世界のパワーバランスがあまりにもトチ狂ってることになるんで、まぁそこはゲームシステムの一環として深く考えちゃ負けだな……ゴウくんは放し飼いだしな……と思っていたところにすごい腑に落ちる答えをくれたんです、コギトさんは

少し話が逸れるんですけど、コギトさんが血を引いてる古代シンオウ族ってダイパの神話に出てくる人間だと思うんですね ポケモンと結婚することが当たり前だったり、ポケモンの肉を食べて綺麗に洗った骨を川に流して輪廻転生を祈っていたあの人間たち
開拓民のギンガ団は元より、ポエムから察するにシンジュ団コンゴウ団も神話時代の後に移り住んできた(一回散り散りになった古代シンオウ族の一部が戻ってきた?)民族だと考えてるのですが、コギトさんの血筋だけはずっとシンオウにいた直系?で、遥か昔からずっと、神々がそこにいるのが当たり前だった頃からシンオウで生きてきたんじゃないかと シンジュ・コンゴウ団のポケモンとの距離を見るにあの神話の内容を受け継いでる文化圏とは思えないので、ポケモンを恐ろしいものではなく神聖なもの、神の使い、神々のひとつひとつだと捉えているのは世界に向かわずずっとシンオウに息づいていたコギトさんの一族かな〜と思う

コギトさんもまた超人的な身体の持ち主でマジで長命なのか、それとも一族の文化と考えの在り方でそうなのかはわからないけど(個人的には後者)、人間の命が神々のそれに比べてほんの刹那だと考えている節があるように思えて あの神話的にポケモンは輪廻転生するから感謝を伝えれば生まれ変わってまた人のところに戻ってきてくれる的考えがあるっぽいけど、人間は輪廻転生するのかね……そこがどう考えられてるのかはわからん……ただ少なくともポケモンの生命に永劫を見出してはいそうだし、伝説ポケモンみたいにマジで不老不死みたいなポケモンもそうじゃない輪廻するポケモンも永遠の時間を持っている中で、ひとりの人間に寄り添う時間なんてきっとほんの少しなんだと コギトは言ってるように思うんです

そなたとて、いつまでも生きているわけではあるまい みたいなこと言ってたじゃないですか 少しの間預けるだけ、だって

あれってつまり、人間の短い生というほんの一瞬にポケモンがその時間だけ隣り合ってくれてるってことだと思うんです 神様はいつでも好きなところに行けて好きなことをできる、本当は1人の人間に捕らわれることなんて無いし、本当はモンスターボールだってすぐ壊せちゃうんじゃないかとも 別にこれはラブトロスに限った話じゃなくって他の伝説ポケモンも、いや、他のポケモンだって ちっぽけで弱っちな人間のそばにいることを選んで、キミに決めたって言ってくれてるのはポケモンの方なんじゃないかなって……
コギトの死生観は謎だけど、ヒスイの変化に対しては永遠が見えているような振る舞いだったし、ポケモンという永遠性のある神々の生き物たちがひととき人間に寄り添うことを選んだってわかってるように見えるんですよね それはきっと紛れもなく、人間がポケモンに歩み寄ろうとした結果掴んだ未来だと思います ポケモンと出会って、知ろうとして、向かい合ったからそれにポケモンが答えてくれたんだなと……そう感じさせてくれるストーリーでしたね……

用がないと隠れ里に行けないバグ早く直して

比べるのも何ですが剣盾ってバトルを通したドラマじゃないですか、それでガラルのバトル文化ってポケモンと人間のチームでやってるスポーツみたいなもので もちろんガラルの歴史とシンオウの歴史は全然違うしアルセウスの物語の行先が剣盾ってわけじゃないんですけど、あの、人とポケモンが一緒になってバトルに打ち込んでる眩しい世界のほんの少し前に、ポケモンと近づこうと一生懸命だった人たちがいたこと そして、それに応えてくれたポケモンがいたこと それを知った上で剣盾のストーリーを思い返すと、色々とグッとくるものがありますね
剣盾だけじゃなくて他の過去作もだけど アルセウスの未来がBWでもあるのは哀しくもある……あと、アルセウス発売集のアニポケが「デンリュウの力を借りて人工衛星を動かす」回だったんですよ え……計算してる!?人とポケモンが力を合わせ始めた物語を浴びせた後にその未来のエピソードとしてこれを出すの、強すぎない!?しかもあの話はデンリュウに人間が力を与えた面もあったので、あぁ、そうか、アルセウスのキャラたちがやってきたことはここに繋がるんだな と 強く思えました……

本当に「ポケモンと人間」の関係についてこんなにも色濃く描いてくれるとは思わなかった このゲームをやったおかげで、多分これから享受するポケモンの様々な物語をぐっと深く受け取れそうだし、今までの物語もきっと違ったところが見えてくる
グラフィック、音楽、システム、そしてストーリー 全ての要素が最高で、2022年の幕開けとして凄まじいスタートを切ってくれたねアルセウス……とりあえずDLCを心待ちにしようと思います マジでノボリに関してはどうにかしてくれ

マンテンボシ達成時のプレイ時間は70時間程
そこそこ寄り道してこの時間
濃密でずっと夢中にさせてくれました

未だに信じられないくらいの完成度のゲームでした
最高の時間をありがとうゲーフリ……


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