【イベント】ワーママはるさんから学ぶ「夫婦間のキャリアと子育てのマネジメント」
2020/12/19に開催したグロービス・ワーキングペアレンツ・クラブのイベントレポートを、運営担当の丹羽と北がお届けします。
12月のGPC(Globis Parents Club)のイベントは、Voicyの超人気パーソナリティであるワーママはるさんをオンラインでお迎えし、「夫婦間のキャリアと子育てのマネジメント」というテーマでご講演をいただいた後に、参加者との質疑応答のお時間を取っていただきました。
ワーママはるさんとは?
4歳7歳の兄弟を育てながら、ブログ / Voicy / twitter等を中心に、女性的キャリア構築、知育、資産運用、夫婦関係構築などを発信しているインフルエンサー。女性のみならず、男性や幅広い年齢層から多くの支持を得ている。
①講演「夫婦間のキャリアと子育てのマネジメント」
キャリアについての基本概念
まず基本的な「キャリア」という言葉の捉え方についてですが、厚労省では『時間的持続性ないしは継続性を持った概念』と定義しています。つまり、就職や仕事、出世と言った一過的なイベントでなく、継続的なプロセスで、「生き方」そのものであるという考え方ができます。
キャリア形成にはアップダウンがある
結婚や子どもの誕生などのライフイベントを機に、仕事だけに100%コミットするということが難しくなり、キャリアダウンを受け入れる時期も考えられます。「ダウン」と言うと悪いイメージを持つかもしれませんが、Facebookのシェリル・サンドバーグ氏は、キャリアを「ジャングルジム」に例え、踊り場にいることもあれば、上ることもあるという風におっしゃっているそうです。私自身はマミートラックを歩みたくないという気持ちから、出産を機にキャリアが停滞するような焦りもありましたが、「キャリアの踊り場やダウンがあるのは当たり前」「キャリアの踊り場に留まっている時には、仕事とは違うスキルを身に着けているのだと、前向きに捉える」というはるさんの言葉を聞いて、少し心が楽になりました。
夫がグロービスに通い始めた妻からの相談
ご登壇の数日前にはるさんがVoicyで取り上げた、第二子誕生後に夫がグロービスに通い始めた妻からの相談を元に、夫婦のキャリアを合わせた「ファミリーキャリア」で捉えることの必要性をご説明いただきました。
▼はるさんのVoicy
ファミリーキャリアデザインのコツ
育児においては母親に求められる役割が自然と多くなるので、ジェンダーロールを固定化せず、親としてどう互いにサポートしていくかという歩み寄りの姿勢が必要になってきます。最近は「見えない家事リスト」を作成するなど家事の可視化によって、タスクの分担を話し合うご家庭も多いですが、そうすることによって、視野が短期的になり、領域争いや押し付け合いになる危険性があるので、はるさんはあまりお勧めしていないとのこと。これは確かに納得です。
ではそうならないためにはどうしたらいいでしょうか?はるさんのお考えでは、夫婦それぞれが長期的な目線を持ち、お互いがいつキャリアでアクセルを踏みたいのかという話し合いを重要視されているそうです。それをあらわす言葉が「ファミリーキャリア」。これまでキャリアを「個」の側面でしかとらえたことが無かったので、「ファミリー」で捉えるという視点は斬新でありながら、納得度の高い概念でした。具体的なアクションとして、以下の方法をご提案いただきました。
✔ 互いのキャリア形成について、夫婦で話す
夫婦でキャリア形成に力を入れる時期をずらして、家事や育児を協力し合うことでお互いサポートし合う。家族を持ったらキャリアのアクセルとブレーキを踏む自覚を夫婦で持つ
✔ Mission / Vision / Valueの家族版を作る
経営理念を考える上で重要なフレームワーク「MVV」を、家族でも持ってみる。
Mission 企業が果たすべき使命であり、存在意義
Vision 実現を目指す、将来のありたい姿
Value 組織の共通の価値観
共通の価値観を言語化しておくことで、その後の夫婦間の問題に直面した際に「私たちが目指している家族像ってどんな姿だっけ?」と振り返りやすくなりますね。グロービスの学びや、経営のフレームワークを、家庭にも積極的に、取り入れていきたいと思います!笑
2.グループディスカッション
はるさんからのセミナー内容を元に、グループディスカッションを行いました。ディスカッション内容の共有として、「家庭のMVVを取り入れてみたいが、平時にそのような話題を持ち出すのは恥ずかしい」との意見がありました。はるさんからは、夫婦で「それぞれの両親」の良いところと嫌だなと思っているところを話し合う、そうすることでお互いの価値観が見えてくるとのTipsをいただきました。これなら日常的にも話題にしやすそうですね。
他には、ファミリーキャリアが自分にとって新しい概念で納得したという意見や、お互いの価値観のすり合わせができていなかったので、アクションするきっかけをもらった、等の意見が挙げられました。日々の子育てに追われていると短期的な視点に陥りがちで、長期目線での夫婦の話し合いをなかなか持てないので、良い気づきを得られたと感じました。
③質疑応答(リアル因数分解)
最後は、事前に募集したはるさんに対する質問への回答でした。6名の質問者ご本人から、キャリアと家庭の両立などの話題を中心に、はるさんに質問を投げかけていただきました。問題の本質に迫るはるさんの質問力は圧巻で、質問者への参加者からの共感や応援のコメントも多く寄せられ、(オンライン)会場が温かい一体感に包まれた時間でした。
会の最後に、1月18日に発売される、はるさんの著書のご紹介がありました。
「やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ」
https://amzn.to/3fZU1I6
時間に追われるワーキングペアレンツには必読の書なので、私も早速ポチリました!笑
私自身は2児の幼児を抱えながら仕事、育児家事、大学院に追われる毎日で、ついついパートナーに甘えていました。はるさんの講演に参加してから猛省し、早速その晩夫婦で話し合いました。そこで分かったのはパートナーの不満は家事育児の負担というより、コミュニケーション不足に対してでした。改めて夫婦で向き合って、長期的視点で話し合うことの大切さを実感した夜でした。
おまけ
翌々日のはるさんのVoicyでも、GPCでのセミナー内容の一部を取り上げてお話いただいてます。こちらも是非参考にしてください。
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