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自分とチームの可能性を広げる!アンコンシャスバイアスの 乗り越え方(イベントレポート)

グロービス・ワーキングペアレンツクラブメンバーの原田です。
2021/3/19(金)に開催したイベント「自分とチームの可能性を広げる アンコンシャスバイアスの乗り越え方」のレポートをお届けします。

今回は エール株式会社 取締役、篠田真貴子さんをお迎えし、アンコンシャスバイアスに関わるご自身の経験や具体的なヒントをお話しいただきました。

①講演
■子どもからの問いかけで気付いた自分自身の思い込み
篠田さんご自身は、子育てしながら仕事をする中で、100%仕事に向き合えないことを負い目に感じていたそう。そんな中、お子さんから「女性は仕事と家庭を両立できないの?」と問いかけられたことをきっかけに、ご自身が無意識に持っていた引け目(専業主婦の母親のいる家庭に比べて「育児を充分できていない」という劣等感)に気付きました。
この劣等感の元には、社会通念上の性別役割分担(ジェンダーロール)と、自分自身の無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)がありました。そこから何年もたった今も、若い世代が直面する悩みや迷いはほとんど変わっていないということも知り、篠田さんはジェンダーやアンコンシャスバイアスについて発信するようになったそうです。

■子育て経験はマネジメント能力を鍛える絶好の機会
子育てはオンとオフの切り替えがほとんどなく、予測不可能な行動をとる子どもを相手に、限られた情報を基に意思決定することが求められます。つまり「きつい状況で、よくわからないけどとにかく判断しなくては」という局面が、会社での仕事に比べて多いのです。
修羅場の経験がリーダーとしての成長を促すと言われますが、篠田さんによれば「子育てはザ・修羅場」。実は子育てはマネジメント能力を鍛え、リーダーとして一皮むける絶好のチャンスです。これから子育てに関わる機会のある人は、積極的に修羅場の経験を取りに行き、成長の糧にしていきましょう!

■身に着けた社会規範に気付きながら、自分なりのスタイルを確立
篠田さんは12年周期でライフステージを見ています。自立期(25歳~36歳)は先人の知恵やノウハウ、スキルを身に着けながら力を発揮する時期、変容期(37歳~48歳)は教わった「正しさ」を問い直しながら、自分のスタイルを確立する時期と位置付けています。グロービスワーキングペアレンツメンバーの多くは自立期の後半~変容期。今までの人生で身に着けてきた社会規範を問い直しながら、自分なりのスタイルを確立するのに最適な時期ではないでしょうか。

■家庭内でのバイアスに気付く重要性
ジェンダーロールやアンコンシャスバイアスが色濃く出やすいのは、実は会社組織ではなく家庭です。組織は制度を導入できますが、家庭には制度が入り込みづらいため、自分で思い込みに気付くこと、パートナーとのすり合わせをしながら思い込みを問い直していくことが求められます。実は女性の方がアンコンシャスバイアスを強く持つ傾向があるそうで、自分を振り返ってみると新たな気づきがあるかもしれません。

■職場のダイバーシティ&インクルージョンは意思決定の質を上げるため
同じ属性の人だけで物事を決めると一面的な意思決定になってしまいますが、違う視点が入ることで間違った判断を減らし、意思決定の質を上げることができます。これが職場でダイバーシティ&インクルージョンが求められる理由です。イベントの中では、顔認識の技術を例に挙げ、米国シリコンバレーと中国で発達したことで、その地域に少ない人種(主に黒人)に対する高いエラー率、ひいては冤罪につながっていることをお話しいただきました。一面的な意思決定は、思わぬところに悪影響が出ることがあるので、意思決定の場所に多様な人を増やしていくことが大切です。

②質問
参加者から事前に篠田さんに対する質問を募集し、ご回答いただきました。
アンコンシャスバイアスは人間に備わった能力なので払拭はできないと理解すること、そのうえで決めつけを極力減らす手段として、傾聴する(相手の意図や背景を確認する)こと、相手の意思を必ず確認することが有効だそうです。「研修は一時的な気づきを与えるものなので、何度も繰り返し受けることが大切」というアドバイスもあり、会場からも多く反響がありました。

③グループディスカッション
最後に少人数のグループで感想を共有しました。アンコンシャスバイアスに関して「具体的な経験談を伺ったことで、自分の中のバイアスに気付けた」という声や、育児とマネジメント能力の関係について「近くに当事者がいないと実感しづらいので、当事者が経験を発信していけたらいいのでは」という提言が出ました。参加者それぞれが、自分の思い込みを認識したり、自分の経験を言語化したりするきっかけになったのではと思います。

私自身はパートナーの海外転勤に伴って休職し、出産を経て産休・育休に切り替え、今は1歳児を自宅保育しながら大学院に通っています。休職期間がキャリアにとってマイナスかもしれないという不安を抱える一方で、学業と両立することで子どもと向き合えてないという罪悪感を覚えることも。まさに社会通念上の性別役割分担や、自分の中のバイアスが色濃く出ていたと感じます。一人一人がこういう思い込みを自覚し、問い直していくことで、社会通念が少しずつ変わっていくのでは、と思いました。

最後に、恒例の写真撮影をしました。ご参加いただいたみなさんありがとうございました。

イベント集合写真

次回は4/9(金)、学校でのプログラミング教育をテーマに開催します!

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