パパママ部下の成果を引き出す組織作り(イベントレポート)
グロービス・ワーキングペアレンツクラブ仙台校連絡係の西潟です。
2021/3/5(金)に開催した「絵本ナビCEO金柿さんと考える パパママ部下の成果を引き出す組織作り」のイベントレポートをお届けします!
WPCは「パパ・ママのWorking Lifeを応援する」をテーマにイベントを開催してきました。これまでは「パパママの私たちが当事者として」考えてきましたが、今回は「同じ職場の皆が、組織として」と視点を1つ上げテーマはどう?ということで企画されました。(MBA生らしいテーマ!)
登壇いただいたのは絵本ナビCEOの金柿さん!
絵本ナビの創業は2001年(今年で19年目)。組織をリードしてきて、気づいたこと・リアルなTipsを教えていただきました。
■ライフワーク:絵本お話会
金柿さんは、本業とは別に「絵本お話会」という”全国の子どもたちに絵本を読む”活動をしています。
最初は子どもたちと距離があるも、読み始めると夢中になって聞いてくれるそうです。ときには寄りかかって足をスリスリされたり笑。
他にも「パパ’s絵本プロジェクト」というユニットでも活動しています。写真はギターとカホンと”ヤギのがらがらどん”のコラボ!QueenのWe Will Rock Youで登場したりして、新しい世界がありそうです。(画像紹介だけだったので、次回はぜひ動画で見てみたい!)
■絵本ナビのキラーコンテンツ:全ページためしよみ
さて、いよいよ本題に入り、まずは絵本ナビの紹介からです。
絵本ナビは、「日本で一番絵本に詳しいサイト」。年間利用者数1,900万人以上と親しまれています。ウリはWeb上で試し読みができること。全ページためしよみが2,500作品、数ページためしよみが9,800作品、…って多いですね!
絵本を売るだけではなく、グッズ展開や、広告事業、コンテンツ事業(Web上のサブスク読み放題)と幅広く展開しています。(範囲の経済!)
ためしよみは、実際使ってみると、簡単でした!4歳ぐらいなら自分で操作できるかな?
android:https://play.google.com/store/apps/details?id=net.ehonnavi.actibook
iPhone:https://www.ehonnavi.net/browse_all/img/top/btn_forapli_ios.png
■急成長が求められる中でのカルチャー作り
次に、会社の背景を教えてもらいました。重要な前提理解として、「オーナー企業と外部資本が入った企業とでは組織作りの前提が違います。急激な成長を求められている中で、カルチャーを作っていくのはバランスが難しいところがあります。」と。(なるほど…)
Vision:「幸せな時間」を応援する生活ナビゲーションカンパニー
Mission:①「幸せな時間」を増やすことに貢献する ②生活・子育てのインフラとなるサービス・メディアを創り運営する ③絵本・児童書の市場を拡げるためのチャレンジを行う
Principle:挑戦主義 提案主義 合理主義 収益主義 共有主義 スピード主義 愛情主義 理不尽排除主義
■絵本ナビが変わっているところ
そして、絵本ナビの特徴です。「ハードワーク。でも子どものためならいつでも帰れる会社」「産休育休取得率100%(男女問わず)」「原則残業禁止」…魅力的なワードが並んでおります。
しかし。昨今の働き方改革の風に合わせて、同様の社風を掲げている会社も増えてきましたが、日本には”本音と建前”って言葉があるように、実態として帰れない・休めない空気がありますよね。そこのところ絵本ナビはどうなのでしょう?
金柿さんは「ビジョンや考え方は3段階あります。宣言期(言ってるけどできてない)・実行期(機能している)・定着期(当たり前になった)。絵本ナビは3段階目になっていて当たり前になってます。」とのこと。
なるほど。従業員目線だと、3段階目になっていれば安心ですね。逆にリーダー目線だと、3段階目になるまでエネルギーをかけねばならない、ということだと理解しました。
そして、この組織ビジョンを10年以上前に掲げている絵本ナビ。早いです。
■金柿さんの価値観が転換したとき
なぜそんな組織運営にしたのか、それは、金柿さんの原体験にありました。ハードワーク自慢をする同僚に自身の未来を重ねて退職を決意、日本のホワイトカラーの労働生産性の低さを知り、大転換の必要性を感じたそうです。そして、ママスタッフに学んで組織の働き方を大転換。
私は「会議後のタバコ部屋で重要なことが決まる文化」に記憶がフラッシュバックしてました。タバコ嫌いなために、何度掌返しにあったことか…会議で決め切らねば生産性が落ちるのは当然ですよね。
■試行錯誤の末
働きやすい環境にすると、優秀なスタッフが続々入社してくれたそうです。優秀なので任せると、社長の考えがわからないと退社される。コミュニケーションスタイルと人事制度を転換し、エンゲージメントを可視化して改善、と試行錯誤を続けてこられたとのことです。
■「サッカー型」と「野球型」
金柿さんチームでは、チーム員は金柿さんに判断を仰がず業務を進めるそうです。このスタイルを金柿さんは「サッカー型」、つまり、局面局面ではプレイヤーが判断するスタイルと呼んでいます。逆は「野球型」と表現し、ともすれば、バントかヒッティングかを監督が決めるスタイル。どちらが良いとかではないが、「サッカー型」にしてから絵本ナビは良くなったそうです。
■キャリアアサインは「拝命」から「伴走」
絵本ナビでは役職を上げるときに伴走しながら求められる能力と実際の差分を埋めていく工夫をしているそうです。徐々に上げる(最初は部長見習いから)、週次MTでフォローする(52週間=1年間)という伴走アサイン。
確かに、急な役職変更で機能発揮できないのは、本人にとっても組織にとっても不幸ですよね。いろんな会社で取り入れてほしい仕組みだと思います!
■グロビ生がリーダーとして
最後に金柿さんから「自分の影響範囲でできることをやっていきましょう」とメッセージをいただきました。「日本はこうだから…うちの会社はこうだから…」とよく言われるが、世界が変わらなくても、自分が率いているチームは変えられる。自分ができることをやっていけば良い。
そのとおりですね!私たちはリーダーとしてできることをやっていきましょう!
金柿さんから、生産性が高い組織を作るためのヒントをたくさんいただきました。
ご参加いただいた皆さん、そして金柿さん、ありがとうございました!
最後に、感想共有のグループワークをして、写真撮影をしました。イベント後の懇親会も楽しかったです☆
次回は3/19(金)、アンコンシャスバイアスをテーマに開催します!
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