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万人クリエイター時代。青森のおじいに学ぶ、「良いものだから、届けなきゃ。」


「俺はこれが良いと思って好きでやってる。
 でも、だぁーれも見てくれないんだ」

実家のある青森に帰省した時のことだ。

親が、面白いレトロ雑貨のお店があるからと、
一緒にそこのお店へ。

70代くらいのおじいさんが営むそこのお店は、
コンパクトな店内に、おじいさんが集めた色んなレトロ雑貨や、おじいさん自作の和風のお人形が、
ぎゅっっと詰まっていた。

レトロ雑貨たち。いろーんなところから集めたらしい

私も母も雑貨が大好きなので、
宝探しをするかのように、店内を未漁った。

綺麗な凝った装飾があるボタンとか、
カラフルな昭和レトロの缶とか。

見ているだけですごく楽しくて、小一時間、
おじいと話しながら店内で過ごした。

「あなた、何かやっているの?」

と、おじい。
勘の鋭いおじいだ。
略して勘おじだ。

「実は絵を描いていまして、こういうのです」

当時1番バズっていた動画を見せる。

「ほぉーーーーおめぇすごいなぁ。
 140万も見られでるってことかぁ

 人形作りも、こういう店内のインテリアも、
 俺はこれが良いと思って好きでやってる。
 でも、だぁーれも見てくれないんだ」

少し悲しげな表情のおじい。

店内は独特の世界観を放っていて、
雰囲気も別世界みたいで、すっごく魅力的なのに。

おじいは本当は人形作家として、
自作の人形や雑貨を売りたいらしいのだが、
なかなかお客さんがお店に来ないらしく、
現在はねぶた提灯の制作をしているらしい。

おじい自作の人形

人形作りをしたことはないけれど、
素人目に見ても、繊細な造形と独特の世界観がすごく魅力的だった。

「SNSとかでもっと商品を見つけてもらえたら、
 絶対好きになってくれる人たくさんいますよ!
 TikTokとか再生回りやすくてオススメです」

「テイクトゥンク、、?
 そういうのは難しくてわがんないんだよなあ」

とか言いながらちゃっかりちゃんとTikTokをインストールするおじい。

好きなことをたくさんしていると
(人形をたくさん作っていると)、
周りに頭がおかしい奴だと言われる。

でもあなたは、まだまだ若いから、
しかも今はSNSとか、きっとたくさんあるから、
いっぱいの人に見でもらえるチャンスがある、
おめはいいなあ。

おじいに言われてハッとした。

万人クリエイター時代。

いいものを作るのは大前提。
商品をしっかり届けられないと意味が無い。

そして、今の時代を生きているからこそ、
相当恵まれているのだ、と。

おじい、私がんばるよ。

その後おじいとはお互いのInstagramを交換した。

私のInstagramを見て一言。

「おめぇ顔は写さないんだか?
 写した方がファンが来るんじゃないか?」

「いえいえ、恥ずかしいですし、、
 かわいくないですし、、」

「いや、個性的な顔だから絶対写した方がいいよ👍」

いやそこは、かわいいからって言っとけよな!

なんて話もしつつ、最後には、私がかわいいー!
と言って見ていたボタンと、キャンディ型の飾り物をタダでくれた。

宝物にしよう。

ちなみに母はアンティークなステキな椅子を
無料でもらっていた。

えぇーいいんですか!?🥺

なんて笑

ほっこりした日だった。

自分の好きを突き詰めて、
できれば周りに引かれるくらいにこだわって、
頭のおかしい奴だと言われても、
自分の好きを届けよう。

そう思った。

外はこんな感じ

日記みたいになってしまったけど。笑
読んでいただいてありがとうございました。

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