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雄町の未来は御前酒が醸す

昨年BY1の造りでは雄町米の使用比率は玄米ベースで74%、さらに次の造りでは普通酒などにも規格外雄町を使用し、その比率は9割に届く予定です。

ここに至るまでは、数えきれないほどの先人たちの力がありました。

先代の杜氏と父である六代目が雄町にほれ込み、地元岡山の蔵が大量に、継続的に雄町を使い続けなければ雄町の品質や生産量は向上しない、と考えていた1995年、御前酒はひとつの大きな決断をします。

それは、御前酒の大定番の「純米 美作」の使用米を日本晴から雄町に変更することでした。

この時から瀬戸雄町の生産者とのお付き合いが始まり、御前酒の雄町の使用比率は年々高まっていきました。

一方で、私が酒造りの世界に入った2000年頃、試飲会やお酒の会で「雄町の酒です!」と熱弁しても、お客さまは「何じゃそりゃ?」という世界でした。

そんな中、この素晴らしい酒米「雄町」を全国の方にも知っていただきたいと、「第一回 雄町サミット(2008年開催)」の立ち上げに岡山県酒造組合会長として尽力したのが六代目でした。

それから5年後、2013年3月号のdancyuで「オマチスト」というキーワードが登場した時の喜びは忘れられません。2012年に急逝した六代目に、心の中で報告しました。

「お父さん、大好きだったdancyuで雄町が取り上げられるようになったよ!」

2020年現在、「雄町?なんじゃそりゃ?」と言われることはなくなりました。



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