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男性の育児とワンオペ

私が小さな頃はまだ「子育ては女の仕事」のような悪しき風習があったかと記憶している。現在でもまだそう宣う人が一部いるにはいるがこの数十年でいくらか緩和されたように感じる。甥の学校行事や息子のお出かけの時にもまだ少数ではあるがワンオペパパを見かける事が多くなった。私が子供だった頃はそういった男性はほぼ見かけなかった。嬉しい事ではあるが本来は自分の子供なので育児本来のあるべき姿を取り戻しているだけの事。今回は男性の育児についての私的見解を綴って参りたい。

男性の育児の大前提

まず大前提として先にも書いた通り、自分の子供という事を念頭に置いて頂きたい。男性は生理痛の痛みも知らなければ、妊娠発覚までの精神状態、悪阻、人間関係の変化、出産への不安、離職や休暇、陣痛、分娩時の激痛、産後のホルモンバランス変化等々…寄り添う事が出来ても真の意味でそれを理解する事は出来ない。十月十日を共に過ごした母に比べて「自分が父親だ」という感覚の芽生えが遅い。批判覚悟で申し上げる。かくいう私も今でこそ父親として頑張らねばと奮闘しているが、今ほどそういった感情は無かったというのが正直な所だ。可愛い、愛おしいという感情はしっかりあったがコロナ渦で分娩に立ち会えなかった事も手伝って、友人の子供だったとしても同じ感情だった事だろう。子供と過ごす時間が父親としての感情を育んでくれる。不器用でも、母親のように上手く出来なくても、ゆっくり少しずつ子供と共に成長して行ける。これを読んでくれているお母様方がいらしたなら、旦那より自分がした方が早いし2度手間になるかもしれない。父として当然の行動をドヤ顔でしてウザいかもしれない。それでも何かしら行動しようとする旦那様を見守ってあげて下さい。男はそうして子供と共に成長し、やっと父となります。

母には敵わないが母に出来ない事もある

基本的に子供は母親に懐く。生物的に仕方のない事なので自分に懐かなくても積極的に子供との時間を作ってみて欲しい。泣くと母親に抱っこを代わってもらう事も時や場所によっては有効な事だが、多少泣かせてでも、毎日数秒ず頑張る時間を作って行くのも効果的だ。
そして男性の最たる武器が「腕力」である。新生児の時ならまだしもどんどんと体重も増えて来る。母親の長時間の抱っこは不可能である。来る日に備えて父親だっこにも慣らせておくと母親への負担もグッと減り、父としての成長にも繋がるだろう。

母親との感覚の相違

例えばあなたがプラモデルを作ったとしよう。長い時間をかけて丹精込めて作りあげた。外れやすい部品や剝がれやすい塗装なんかもある。奥さんもそれをカッコイイと喜んでくれた。二人でそのプラモデルを鑑賞していると奥さんはなんともなしに外れやすいパーツをつかんで本体を持ち上げる。剝がれやすい塗装を可愛いと撫でる。取れやすいパーツに見えたとしてもそれが取れるなんて事は分からないし、そこに悪意は全くないがほとんどの人が「もう少し優しく…」と思うだろう。
プラモデルに例えるのは少々の疑問が残るが母親側から父親の育児を見た時、かなり近い心情になるのではないだろうか。男性が子供を荒く扱うという事を言っている訳ではないが、母親がかける心配は父親の想定を遥かに超える。産後のホルモンバランスの変化等も絡んで来ると「あなたはもう触らないで!」なんて言われる事もあるかもしれない。男性も大変なのは身をもって理解しているが、命をかけて命を生み出した母との感覚の相違があるのは当然の事。大切に扱っているつもりでもそう見えない事がある。そういった当然の相違で夫婦喧嘩などはしないようにしたい。
余談ではあるが当家では妻が息子に色々チャレンジさせ、私がそれを心配のあまり止める構図になっている。神経質過ぎる旦那もよろしくないらしいので物事はほどほどにだ。笑



ワンオぺの心得

子供を一人で見る時間というのが必ず来る。来てない人は奥様への息抜きに是非とも挑戦して欲しい。2人いれば簡単な事でも1人では結構大変。ここでは私がワンオペ時に気を配る事や困った事を綴って行く。参考になれば幸いだ。

見る目の減少

当たり前だが子供の動きを見守る目が減る。視線は外さない!と思っていても電話や来訪者、ふいな物音等で1秒も目を離さない事は不可能だ。ワンオペの時に最も気を付ける事である。普段からスマホを良くいじる人なんかは要注意。育児中にゆっくりスマホを触れるのは奥様と自分、4つの目があって初めて出来る事。スマホに目線をやる1分は事故を起こすのに十分な時間。あとで出来る事は全て後にして子供を最優先にする事。手を伸ばして触れる距離にいるのが基本である。

物品の位置

哺乳瓶や食器の位置、おむつのストック、お気に入りのおもちゃ、これらの位置をしっかり把握しておく事。探している間は子供への注意も散漫になる。あるはずの位置になかったりする事があるのでワンオペ前からしっかり把握しておきたい。特に注意したいのがおむつ交換。初めてのワンオペの時に大きい方をした息子。楽勝だと言わんばかりに颯爽とおむつを手に取り、いざ解放!息子の足を持ち上げおしり拭きが3m先にある事を知る。解放しているから手を放すわけには行かない…かといっておむつの余白部分だけで拭き上げるのも不可能…こんな事態にならないように物品の位置には注意されたし。ちなみに私は床を犠牲にする事でこの状況を乗り越えた。パネルマット、怪我防止だけでなくこういう時にも便利なのでおすすめです。。。。

お出かけ時のベビールームの使用

授乳室は男性厳禁だが、ベビールームは男性の利用も可能だ。可能ではあるのだが店舗によってはベビールームなのか授乳室なのか分からない事がある。緊急時に慌てないように店舗地図などで場所を確認した後、表記をしっかり確認する事。分からなければサービスカウンターや総合受付等で教えてもらう事も出来る。おむつやパンツの自販機、調乳用のお湯や電子レンジなんかもおいてあったりするが基本的にはおむつ交換のスペースなので装備はしっかり整えておいた方が良い。

トイレ問題

これがなかなかに困る。最近はだれでもトイレなるものがあったり男性個室にもベビーチェアが設置されているが、地方のスーパーだったり老舗店舗だったりすると子供を抱えて用を足さなければならない。ワンオペ前にトイレを済ませておくことで多少不安は軽減出来る。

抱っこ紐

抱っこ紐を使えればかなり楽になるのだが慣れるまで一人での着脱が難しい。前に抱いて留めるだけではあるのだが足の角度やどこかしらの圧迫で血流が止まったりする事のないように要練習。意外な動きですっぽ抜けそうになったり強い圧迫になるのでそのあたりも奥様や詳しい人がいる時に練習しておくと良い。


最後に

ワンオペではあらゆる事態を想定しても上手く行かない事もある。基本的に育児は1人では出来ないようになっているのだから仕方がない。それでもオンオペのタイミングは必ず来る。臆する事無くチャレンジして頂きたい。ママだけの時、パパだけの時、二人がいる時、それぞれのメリハリもあって子供も楽しめれば尚良い。そして奥様にわずかな時間で良い、一人の時間を作って上げる事。それもまた育児の一環であり、同時に「ママ」ではなく「愛する女性」への愛情表現にもなり得る。






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