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ようこそ 犬語の世界へ 距離をとる。

今年の夏もやたら暑い日々が続き、早朝散歩の5時台でも暑苦しさが......近ごろは夕暮れには少しだけ涼しげな風が吹く日もふえすっかり秋の風情です。

今回は回避行動がうまくいかないという犬飼さんのために書いてみました。

ご近所に古くから知る犬飼さんがいて、ミニシュナとご家族で暮らしていて、2頭目のミニシュナを迎えたのですが、新しく迎えたミニシュナは先住ミニシュナとは異なり、様々なものに反応し吠えます。

社会化不足にならないように子犬のうちから犬友の集まる公園に毎朝参じ、様々な場所に連れ出したのに吠えるようになって困っていると相談を受けました。

同じ犬種でも個体によって異なるのは人間も同じです。
外見は日本人でも性質が個々で違うし、同じ刺激でも行動に違いがあるのは犬もです。

先住のミニシュナの様々な刺激に対する閾値は高く、新しく迎えたミニシュナのその閾値は低く、同じように育てたもに関わらずということが起きてくるのです。

これは人間の子育てでも同じですよね。
同じ親から産まれ、同じ離乳食で育ち、ほぼ同じ環境で育てたにも関わらず、似ているようでやっぱり違う兄弟姉妹。

犬種というくくりは外見だけ......という考え方でしっくりします。

さて、様々なモノや場所や現象に対して反応し、それに吠えてしまう犬のトレーニングはその反応が起きない環境から始めることになります。

子犬期の社会化は人社会の様々な事、それらに対して不安や恐怖や苦痛や不快が起きない、それらから何も起きないことが理想です。

何も起きない?

何も起きないって、それじゃトレーニングにならないという人もいますが、平穏な気持ちで過ごすことはとても大事なことなのです。
日頃の穏やかさはストレスを軽減し、緊急時に落ち着いた行動を選択できるようになります。

過剰な反応が起きない距離から(環境から)始めて、その距離を少しずつ詰めていくことになります。

では、その距離とはいったいどのくらいでしょう?

飼い主さんの多くは具体的な距離を答えとして求めますが、すべては犬のボディランゲッジの中にあります。

過剰反応を起こしてしまう対象物に視線がいっても、四つ足に体重が均等にかかり、ボディからは緊張感が漂ってこない、それは一枚の私たちが絵画を観ているような心理が犬の身体に現れている様に見えます。

グローネンダールのチェシアは子犬の時から、猫を見ると猪突猛進。
とにかく興奮しながら近づこうとするので、殆んどの猫は逃げていきます(当たり前ですね😃)

過剰反応が起きてからではその行動を止めることも介入することも難しくなるし、リーシュを引いて犬を引き剥がすように連れていくという強要にもなります。

犬の前に立ちはだかって押し戻す、遮断するもそれがボディキューになってしまい、その人間の行動が起きないと犬も行動を起こさないということにもなります。

上の画像には猫がいるんですよ。
SNSにアップしたときになかなか見つけることのできないフォロワさんもいたぐらいですが、拡大すると見つけられると思いますよ。

そしてこのチェシアの体勢が一枚の絵画を観ている......という表現なのです。

もしあなたの犬が遠くの何かを観ているであろう時、ちょっと視線を犬の視線に合わせてみましょう。
なにもなくとも風下なら犬は匂いを感じているかもしれません。
以前の環境の記憶が猫を見た覚えがあるといってるかもしれません。
犬は何かを感じていることは確かなことだと思います。

そして、この一枚の絵画を観ているような行動が、大きな行動が出る前の小さなボディランゲッジなのです。

私たちは動いているから行動と思いがちですが.....
「行動は心理を表し心理は行動に現れる」というように静かに立っていても行動なんですね😊

この日の初対面の猫との距離は30mはあったと思います。
もっと近かったらどうでしょう?
若犬時代のチェシアならリーシュをぐんぐん引いていました。

なのでさらに離れる必要があったのです。

一枚の絵画を見ているような、心にザワザワが起きない距離から、猫を見つけてくれたら声かけやクリックで美味しいものを繰り返すと、犬は猫を見つけると自然とこちらに視線をくれるようになります。

その行動が起きない場合は距離(環境)です。

10mでダメなら、さらにその倍をとってみてください。
そして普段から犬があなたに振り向いてくれたら、微笑みと美味しいものです。

行動が定着している場合は時間がかかるかもしれませんが、諦めずに成功体験を積み重ねてください。

時間がないや猫がいすぎてという場合も、車に乗せて今までと違う環境、時間を作るように考えてみることも必要です。

特に猫に過剰な反応をした環境はしばらく行かないことぐらいの気遣いは必要になります。

冒頭のミニシュナちゃんもいつの間にかすれ違いで吠えなくなり、距離があれば大丈夫なことがわかり、お互い興奮しいの犬同士でなければミニシュナちゃんも穏やかに近づけることができてきたと報告を受け、ドッグトレーナーの端くれとして嬉しい限りです。

犬の過剰反応は主従関係でも、飼い主の力不足でも、犬の支配性でも不服従でもありません。

そんなことを理由に犬の首がしまる首輪やリーシュショックをかけることのないよう、R+のトレーニングのトレーナーをご紹介します。

チェシアが回避行動を自ら初めて選択した日、感動が沸き起こって思わず涙が出るほどでしたよ......ホント😊
この感動、お裾分けしたいですね、ではでは~~。

#ドッグトレーナー  #犬の過剰反応 #回避行動 





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