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北海道の冬をいかに楽しむか ~靴下編~

「冬が好きなんです」

そんな話をすると、たいてい2パターンどちらかの反応が返ってくる。「わかる、いいよね冬」みたいな反応か、「え…寒いの嫌じゃん…」みたいな反応だ。

冬が寒いというのは至極当然のことで、人間にとって寒さは決して快適なものではないし、ひとつ間違えれば死につながる。重々承知の上だ。斜里では江戸時代後期に北方警備にあたった多くの津軽藩士が極寒と栄養不足により亡くなってしまうという痛ましい事件もあったほどである。

だから、わたしが今「冬が好き」なんて軽々しく口にできるのは、それだけ今の暮らしが豊かになった証拠だ。そのことはいつも忘れず心の片隅に置いておこうと思っている。

そしてさらに環境はめまぐるしく変わっていっており、ヒラノ家では「いつか冬というものがなくなるんじゃないか」ということをよく話している。現実的に起こりえるのかどうかは知らないけど、100%ないとは言い切れない。このままいくと、流氷が見られなくなるどころでは済まないかもしれない。

でもとりあえず今はこの「冬」というものはなんやかんやで毎年やってきているので、そのたびにネガティブになっても仕方がない。ホワイトアウトや車の運転や水道管の凍結には十分気を付けながら、雪かきにヒーヒー言いながら、今ある冬を受け止めて、この白くて寒い美しい季節を、楽しんでいたい。


そんなわけで、わたしが冬を楽しむために何をしているのかというと、まずは「身につけるものをちゃんと選ぶ」ということである。

上から下まで、内側から外側までいろいろこだわりポイントはあるのだけど、何はともあれまずは足もと。靴下です。足が冷えると全身冷える。血のめぐりが悪くなって頭がぼんやりするし、肩も凝るし、とにかくテンションが下がる。

寒い!と言っている人の服装を眺めてみると、下半身が薄くて上半身ばかり着込んでいる、ということがよくある。本当によくある。わかりやすいイメージは三角形。

▼←ニット、フリース、ダウンなどを着たりマフラーを巻いたりしているのに、素足にボトムス1枚だけとか夏と同じ靴下とかで、上が厚着で下が薄~い状態。これだといくらノースフェイスやらカナダグースの立派なダウンを着ても無駄。

▲←下の方を厚着にすることを意識すると、足からちゃんと血がめぐって全身が冷えにくくなる。ダウンももちろん着るしネックウォーマーも欠かせないけど、それ以上に下半身はいろいろ工夫している。

靴下は、冷えとり靴下を使用。

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冷えとりのことを知って生活に取り入れるようになったのは、25~26歳の頃。かれこれ8年近く経つ。

冷えとり、で検索するといろいろ出てくる。長くなるので割愛するけれど、治す、みたいなワードとか、ちょっと怪しい健康法にも見えてしまうところもある。スピっている(=スピリチュアル要素にどっぷり浸かっている)人も、たぶん多い。でも「冷えは万病のもと」という考え方は、わたしはけっこう好きだ。

何より、当時出会った「冷えとりガールのスタイルブック」という雑誌が、とにかくかわいかった。あったかい服装をするのってぶくぶくに着ぶくれしてかっこ悪い、みたいに思ってたけど、これならわたしもやりたい!と、シンプルにそう感じた。

最初の頃は一般的に言われているとおり、基本の「絹5本指→綿5本指→絹の先丸→綿の先丸、と合計4枚の靴下を履く」というのを続けていたけど、商品の選択肢が増えたり、ライフスタイルや価値観も変化して、「自分なりにゆるく重ね履きしよう」と考えるようになった。そしてたどり着いたのが「絹とウールがミックスされた5本指→ウールの先丸→自分の好きな靴下」という現在も続けている3枚重ねスタイルだ。

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▲いろんなメーカーがあるけど、価格と品質のバランスを踏まえてわたしはシルクふぁみりぃの絹ウール5本指靴下ウール冷えとり靴下をここ数年ずっと愛用している。左は夫の祖母の手編み靴下。売りものですか?というくらいよくできていて、デザインも最高にかわいい。

1年中このスタイルで(ウールは蒸れにくいので夏にもいける)、外側の靴下だけ季節に応じて素材を変えながら楽しむ。冬は基本的にウール。ウール最強。いつも羊にありがとうという気持ちです。

外側の靴下いろいろ。

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▲手編みシリーズ。左ふたつは夫の祖母シリーズ。右は斜里のアンドウ洋品店で購入。町の80代のおばあちゃんが手編みしたものだそう。ちょっと縮むことを見据えて大きめのものを購入。

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▲こちらはJoha(ヨハ)のメリノウールの靴下。比較的薄手なので、スカートを穿くときに合わせると足もとをすっきり見せてくれる。洗うと画像のように細長くなるけど、伸縮性があるので問題なし。

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▲こちらはTabioのSnugというシリーズ。どれもウールの割合高め、色もデザインも◎。ふわふわした肌触りが心地よい。「自宅のリラックスタイムに」とのことだけど、かわいいし暖かいので普通に仕事中でも履いている。

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▲こちらはmont-bell。アウトドア向けなだけあって耐久性は抜群。これは中厚手のものだけど、薄手のものからしっかり肉厚なものまでラインナップは幅広い。スポーティーなデザインが多い中から自分の好きなテイストを見つけ出すのも楽しい。

重ね履きなんてめんどくさいとか(すぐ慣れる)、洗濯が大変そうとか(夫には靴下お化けと言われる。でもその夫も今は2枚重ね履きが基本装備)、ウールの靴下は高いとか(でも値段相応のリターンはある)、靴がきつくなりそうとか(新しく靴を買うときは大きめを選ぶ)、いろいろ突っ込みどころはあるかもしれないけど、わたしはこのスタイルが気に入っている。

ここからさらに靴選びへと発展していくわけだけど、何はともあれまずは靴下。たかが靴下、されど靴下。これからもわたしは冬をより快適に過ごせるように、足もとのことを考え続けるんだろうな。

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はあ、、、かわいい。結局ただ単に靴下が好きなだけかもしれない。


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