見出し画像

いい写真を撮りたい。

2023年12月上旬に出張で東京と新潟へ行った。

その1ヶ月前くらいから出張の話が出始めて、同じころ、東京で開催されるとあるワークショップの案内を目にした。これまでも何度か開催されていて興味のある内容ゆえ気になっていたけれど、参加するには至っていなかった。毎回あっという間に定員に達してしまう、という人気ぶりであることは、知っていた。

今回開催されるいくつかの日時の中に、ちょうど、出張の日程とうまく合わせられるかも、という日があった。

「前後が土日になるように調整したり、有休をうまく使ってプライベートの時間をくっつけて楽しんできても構わない」というありがたいお達しを受けていたこともあり、直感的に「これは行くべきタイミングだ」と思い、ワークショップ受付開始日時にあわせてスマホの前で待機。そして、見事に申し込み完了。

なぜ「見事に」なのかというと、枠が限られている上に大変な人気なので、数分で定員に達してしまうからである。わたしは開始とともに希望日時を選択してカートに入れて個人情報を入力し決済まで完了!という一連の作業を2分弱で終えたが、その直後に元の画面に戻ったらすべての枠が完売となっていた。争奪戦。

ワークショップは日曜。前日の土曜に東京へ向かい、土日は自由時間。翌日から3泊4日で出張での仕事。ということで訪問先との調整や宿の予約を進め、無事スケジュールが確定した。

「思い立ったらすぐ行動」が身に染みついているというほどではないけれど(そもそも「これだ!」と思い立つことが普段そんなにない)、ときどき思い立つことがあったらここぞとばかりにすぐ行動するのが、自分のいいところだと思っている。

当日の朝、開始時間の1時間ほど前に着くように会場周辺へ向かう。なぜかというと、今日の講師の方には以前お会いしたことがあり、そのとき「待ち合わせ場所の1時間前には着くようにして周辺をぶらぶらする」と仰っていたのを思い出したからだ。

わたしはといえば、そのとき「それいいな、わたしもやろう」と思ったものの、あまりできていなかった気がする。でも、ぶらぶら歩くことは好きだ。できるだけまち歩きをしようという気持ちは常に持っている。
今でも変わらずその習慣を続けていらっしゃるのかな。聞けばよかったな。…と、今になって気付く。

会場周辺をぶらぶらして、路地を進んでみたり、並木道×高層ビルという道東ではまずお目にかかれないような景色を楽しんでみたり、名前は知っているものの行ったことのなかった公園に寄ってみたり(広すぎてこれは遅刻する…と思って途中で急いで引き返した)、そんなことをしながら、開始10分前くらいに会場へ到着。

10時から、写真家の幡野広志さんによるワークショップ「いい写真は誰でも撮れる」が始まった。

休憩を挟みながら、17時すぎまでみっちりと写真の話……というよりも、写真を撮るという行為について、他人との距離や関わり方について(物理的・心理的ともに)、カメラという道具との向き合い方。そんな話がほとんどだった。

カメラの構造や設定について、データの保存方法、現像作業の実演などももちろんあるのだけど、いちばん大切なのは、そういうところではない。……というのは、幡野さんのふだんのSNSのポストやコラム、書籍を読んでいると伝わってくる。でもやっぱり、直接ご本人の声、言葉で聞くと、言葉の温度が違うというか、なんというか。よりストレートに伝わってくるなあ、と感じた。

後半の実際に現像作業をしてみる時間では、PC操作がうまくいかず焦って時間が足りなくなってしまい「もっと他にもこの写真とかあの写真で作業してアドバイスいただきたかった…」と自分への悔しさも残ってしまったのだけど、それも経験だと言い聞かせて、日々少しずつ、RAWでの撮影と現像作業を実践してみている。

1ヶ月やってみて、現像作業にも少し慣れてきたからかだんだん楽しくなってきた。今年はレンズを選び直したいのと、作業しやすいようにPCを買い替えたい。ひとつずつ。

1月いろいろ。
わたしにとって写真は暮らしの記録。どの写真も、朝出勤する15分前に撮った好きな風景や家のそばの様子、ちょっとそこまで美味しいものを食べに行った帰り道に見た風景とか、そんなものばかりだ。

こんな素晴らしい風景がすぐ近くにたくさんあることがとても嬉しい。その嬉しさを忘れたくなくてわたしは写真を撮るのかもしれない。

写真っていいな、と改めて実感している。いいな、と思える写真を撮り続けていたい。

斜里の海岸にも流氷が接岸して、そわそわしている毎日です。静かな海岸、愛おしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?