僕が「燻製京だし醤油イブリデイ」を作った理由
僕の仕事について。
僕は京都の障害福祉施設、社会福祉法人菊鉾会にて働いております。
菊鉾会では障害者向けのデイサービスや就労支援、グループホームなど5つの事業所を運営し、多岐に渡る支援を行なっています。
僕は法人内では事務局長として、新規事業の立ち上げや外部団体との渉外などを主にしています。(現場での直接支援もしてます)
菊鉾会の中で就労支援を行なっているテンダーハウスでは約60名の利用者の方々に、様々な作業を提供し、工賃を得たり、仕事のスキルを上げてもらったりという支援を行なっています。
このテンダーハウス内の新規事業として立ち上げたのがイブリデイなのです。
イブリデイについて
燻製京だし醤油イブリデイは、天保元年京都大原野にて創業の城戸平左衛門商店のだし醤油を、特殊な液体燻製装置によって燻した燻製醤油です。
「かけるだけでなんでも燻製バル」というコンセプトにした調味料です。
昨年の夏に販売開始し、まだまだ細々とではありますが、少しずつ売上を伸ばしている商品です。
障がいのある方の平均工賃を知っていますか?
ちなみに、テンダーハウスのような就労継続支援B型(B型は最低賃金適応外)施設で働く利用者の全国の平均工賃(月収)は15,295円(平成28年度)と言われています。
月に20営業日、とすると日給764円程度・・
工賃が安い理由として「障害があるから」とか「スキルが低いから」とか、そんなことを言うのは、僕はとても嫌いです。
だって1日中、車の中で寝たりパチンコ行ったりして外回りをしながらサボっている営業マンとかいるじゃないですか。
上司のいうことを聞かず、好き勝手して周りに迷惑かける若手社員とかいるじゃないですか。
そんな人でも月に30万円くらいは難なく稼げますが、一方で、朝から夕方まで黙々と作業に取り組んで月収15000円・・うーん。
収入は「本人の能力」と「会社の能力」で決まると思います。無能でも年収1000万稼げる大企業、バリバリ仕事が出来ても薄給のブラック会社という感じですね。
障がいの有無に関わらず適切な対価を。
「障害があるかないか」ではなく、「仕事が出来たかがどうか」によって対価となる賃金が支払われる社会というのが理想的だと思います。
その為にはまず、一般市場に通用する商品づくりを行って、その商品の製造に携わってもらう。
その商品が「イブリデイ」なんです。
ホームページはこちら。
イブリデイを売ることで得た利益は利用者の工賃として還元されます。テンダーハウスの利益になるわけではないのです。
イブリデイという商品を選んだ理由ですが、正直な話、売れさえすればなんだってよかったんです。
ただ、自分自身がグルメブロガーとして活動しているので、福祉の領域においても、このノウハウや繋がりを活かして行きたいと思ったので食品を作ろうとは思っていました。
色々と商品の企画をしているときに燻製士さんや醤油屋さん、燻製機の職人さんとの出会いがあったこと。液体燻製の魅力に気づいたこと。作業工程において障がいのある方が力を発揮出来ること。テンダーハウスにおいて導入が可能であることなどなど、色んなきっかけがあり、燻製醤油を作ることとなりました。
消費者には美味しい燻製醤油を、障がい者には働く場所と適切な賃金を。
僕はそんな想いを持ってこの商品を立ち上げました。
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