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日本で再エネが普及しない理由

現在、世界の最安電源で再生エネルギーが主流なのはご存知だろうか。

ブルームバーグNEFが調査した結果によると発電所を新設した場合に最も安い電源は中国が太陽光で33ドル、米国が風力で36ドル、英国が風力で42ドルである。(一世帯が4ヶ月間に使う1000キロワット時の電気を作る場合)

ちなみに再エネが最安電源である国や地域のGDPを合わせると世界の75%に迫る。

これらの国に対して日本は火力で74ドルとまさかの化石燃料...

カーボンゼロにはほど遠く世界的に見ても大きな遅れとなっている。

ただ確かに再生可能エネルギーは導入コストや発電効率の面で普及させにくい。

しかし、日本以外では劇的に再エネ利用が加速している。

では”日本で”今現在再エネが普及できないのはなぜだろうか。

それには再エネが送電線に繋げないことが関係している。

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そもそも日本の系統は先着優先が原則となっている。

電源種を問わず接続契約順に送電線の空き容量を埋めていくというものである。

(送電線は故障時などに停電を引き起こすのを防ぐために回線が通常2つに分けられていてそれぞれの最大利用率は50%となっている)

先着優先がなかった場合、先に契約した事業者が発電所を運用する前に別の事業者が契約した場合、先に契約した事業者が運用した途端空き容量がなくなってしまい後に契約した事業者は系統に電気を流せなくなる。これでは事業の見込みが立てられなくなるのだ。

そしてこの先着優先の制度があることが再エネが送電線に繋げにくくくしている要因の一つである。

現状、日本は多くの地域で送電線の空き容量がゼロに近付いている。

これが欧米のような他国が隣接している地域ではメッシュ状に電気を迂回させることができるが島国の日本ではそううまくは行かない。

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迂回路の少ない日本では一つでも空き容量がゼロの送電線が生まれると近隣の空き容量がある送電線でも電源を追加させることが不可能になるのである。(ループ状に繋がっていて相互に影響するため)

これが再エネは接続する余地をなくしているのである。


また、接続しにくい要因は他にもある。

それは送電網の運用が電力会社から独立していないことである。

これは電力会社自前の接続が優位になるほか、接続と引き換えに重い負担である蓄電池の整備を求められるといった障壁を生み、再エネの事業継続の足枷となっている。

さらに送電網が満杯になった場合再エネの出力が抑制されるわけだがその際、英国のような送電会社が再エネ事業者に補償金を払う制度が日本にはなく電力会社は迷わずに止められるのだ。

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以上のような再エネを虐げる制度によって日本は再エネが普及していないのである。

日本には早急に制度の見直しやコスト低減が求められるだろう。


top photo)Photo by Thomas Richter on Unsplash

1)Photo by Anil Kumar Shrestha on Unsplash

2)Photo by Dongtek O on Unsplash

3)Photo by Jp Valery on Unsplash

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