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憶え書き

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吐きだめと自己顕示の揺らぎだよSNSは
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29歳のベランダ

夕方が春になった ベランダにでて思った 青い夕方だった

あの風を知っていた とても懐かしかった いつかは忘れた

懐かしさはいつから感じるのか 小さい頃は知らなかった

何かに出会うたび過去の似たものをたどっては探し当てたり懐かしんだりしている気がする 朝がきて昼になって夕方が沈んで夜になる 繰りかえしている

懐かしむのはそこに大切なものを置き忘れていてもうそれを拾いにはいけないことを知ってい

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まだ何も知らないで

まだ何も知らないで



毒々しい、という言葉が似合う夕焼けを見た。

自分の書く文章は一人称を離れられない、とひとの文章を眺めて思った。あなたが、君が、そんな言葉を使ったことがない。
彼、彼女も出てこない。誰か、という不特定な他者は出てきても、あなたや彼のように顔の見えるひとは出てこない。自分中心で、自分出発の自分が終点。いま悶々と問いあぐねているのは、自分に関わる全てに対してであって、それ以外のどれでもない。あなた

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