五島の大分旅行記

あいさつ

初めましての方も馴染みの方も、こんにちは五島です。この度は当記事を開いていただきありがとうございます。今回はmisskey.artのアドベントカレンダー企画ということで、先月末に訪れた大分(別府・由布院)の旅行レポを書きました。かなり頑張って短くしましたが、それでもまあまあの文字数になってしまったので、よほど時間に余裕のある方以外は太字のところと写真だけ目を通していただければ十分です。特に何のスキルアップにも繋がらない記事ですが、気分転換にでもなれば幸いです。


はじめに

今回の旅行は3泊4日で別府2泊、由布院1泊の流れです。ちなみに大分を選んだ理由ですが、知る人ぞ知る話で私は全都道府県制覇が目下の野望なのですが、九州の4件(大分・熊本・宮崎・鹿児島)を残すところとなったため、手近なところで大分を選びました。最初は大分と宮崎のはしごを考えていたのですが、車がないとあまりに無謀だったのでさすがにやめました。

一日目

成田空港から大分空港を経て別府まで

まずはPeachの飛行機に乗り、成田空港から大分空港まで。所要時間は2時間意外と長いっていうか、帰りは1時間半だったのになんでこの便は2時間だったのかよくわかりません……機体の性能とか航路とか色々あるんですかね。便で30分も差が出ると思っていなかったので次回からは所要時間もしっかり確認しようと思いました。これまたノートを見ていた人は知っているでしょうが、離陸体制に入ってからのシェイクされるような揺れが酷く、あともうちょっとで吐きそうというところで大分空港に到着しました。

源泉数、湧出量ともに全国第1位の大分県

そこから別府までバスで1時間。体調が回復しないまま更に揺られ、今度こそいよいよヤバイと自前のビニール袋をスタンバイさせたところで間一髪北浜バスセンターに到着。この時ほど大地のありがたみを感じたことはありません。

別府駅から少し離れたところにある北浜バスセンター。
空港▶北浜バスセンター(車庫)▶別府駅という位置関係のためか、平日には別府駅には止まってくれないため注意。

別府についておさらい

知名度でいえば間違いなくトップクラスの別府温泉ですが、別府という土地(つまり市)の中にある温泉=別府温泉、ではありません
実は別府市の中には8つの異なる温泉別府べっぷ温泉、浜脇はまわき温泉、亀川かめがわ温泉、鉄輪かんなわ温泉、観海寺かんかいじ温泉、堀田ほりた温泉、柴石しばせき温泉、明礬みょうばん温泉>が存在しておりこれらを合わせて別府八湯と呼んでいます。この別府八湯こそが、皆さんの頭の中にある、『大分の有名な温泉地 別府』というわけです。

一泊目の宿にチェックイン

この日お世話になったのは、北浜バスターミナルから海側へ歩いて数分のところにあるゲストハウスサンライン別府。こちらは先程書いた別府八湯の中では北浜温泉のくくりになります。古い温泉宿をリノベしてゲストハウスとして再生させた宿なので、個室が充実していて、外観や共有スペースなどがとにかくおしゃれなのが特徴。ベースは年季の入った宿なので、音漏れが目立つ、トイレが室外にしかない(大きめの部屋は室内にあります)という古い宿あるあるはありますが、清掃は行き届いているし、個室なのに平日素泊まり1泊4000円というのを考えると十分すぎるほど十分なお宿でした。

年季は感じるけどしっかり手入れされていて快適

ちなみにここの温泉は塩化物泉で、温度は熱すぎずぬるすぎずの超適温で一生入っていられます。チェックイン直後に一番風呂に入った折には、水面にうっすら湯の花も浮いていました。
今回はど平日の宿泊ということもあり、同日に宿泊していた人自体は数えるほどで、騒音もほとんど気にならず、本当に快適に過ごせました。車なし別府観光の拠点となるバスターミナルから徒歩3分と立地も大変良くおすすめですので、別府に行かれる際は候補の一つに入れてみてください。

夕食は人気の炉端焼きのお店へ

別府駅周辺は温泉街というより街の中に温泉宿が点在しているといった感じなので、素泊まりでも食べるところには全く困りません。
というわけで夕食は、歩いて数分のところにあるろばた 仁というお店にしました。

平日でも予約なしでは入れない可能性大の人気店なのですが、ダメ元で飛び込んだら1時間だけというお約束で一つだけ空いたカウンターの席に座らせてもらうことができました。

こちらのお店のお目当てはズバリ大分特産の海産物!具体的には、かぼすを飼料にしたかぼすブリと、大分市の佐賀関さがのせきで獲れた関サバ・関アジです。日によっては入らなかったり売り切れだったりするようですが、幸運なことにこの日はすべて揃っていました。本当は関サバ・関アジ入の刺身盛りがあればよかったのですが、こちらの刺身盛りには含まれていないとのことだったので、刺身盛り+関サバ・関アジハーフ盛りを頼んだところ机の上がとんでもないことに。よほどインパクトがあったのか、隣の老夫婦からガン見されましたが、私がお隣さんでも多分ガン見したと思います。

刺身盛り
関サバ(右)と関アジ(左)のハーフ盛り
光り輝くきびなご

お味は言うまでもなくすべて絶品!関サバ・関アジは今まで食べてきたサバ・アジとはもはや別の食べ物で、どっちがどっちなんだか味の区別がつかないほど。かぼすブリも脂ノリノリで、添えられたカボスがこれまたいい仕事をするんですねえ……
その後、大分の郷土料理である『りゅうきゅう(ごまだれに刺し身を漬けたもの)』を頼みましたが、まあまあ濃い味で、これはお茶漬けにして食べるのが正解だったなと思いました(実際メニューにだし茶漬けがあった)。

りゅうきゅう

せっかく炉端焼きの店に来たのに肝心の焼き物を頼まないのは馬鹿ということで、ヒオウギ貝と焼き茄子を頼みましたが、ヒオウギ貝は旨みたっぷりだし、焼き茄子はトロットロで最高。締めの焼きおにぎりも文句なしの美味しさで大満足でした。

ヒオウギガイ
焼きナス
焼きおにぎり

ものによっては時価だったり、ショーケースに並ぶ魚は一匹単位だったりして、お値段的にも量的にもあんまりお一人様向けとは言えませんが、味は間違いないのでちょっと背伸びしてでも訪れていただきたいお店です(ちなみにこのときはソフトドリンク1杯でトータル6000円ちょっとでした)。
お店を出たあとはしばらく周辺をぶらぶらして、商店街の中にあるジェラート屋さんでかぼすのジェラートをいただきました。こちらも人気店というだけあり美味しかったです。

冷乳果工房GENOVA

二日目

定期観光バスで地獄めぐり

別府観光で外せないのが地獄めぐり!といってもヤバいことをやって臨死体験をするとかではなく『地獄』と名の付いた温泉地を見学しにいくことを指します。ちなみになぜ『地獄』と呼ばれているかというと、昔は湧き出す温泉の熱と勢いが凄すぎて近づくことさえできなかったからだそうな。
今別府で観光地として整備され見学ができるのはうみ地獄・鬼石坊主おにいしぼうず地獄・かまど地獄・鬼山おにやま地獄・白池しらいけ地獄・血の池ちのいけ地獄・龍巻たつまき地獄の7つですが、かつては他にもたくさんの地獄があったそうです。

定期観光バスに乗ると渡されるパス。これをケースに入れて首から下げて回ります。定期観光バスは共通券(2000円)込で大人一人4000円。結構いいお値段に見えますが、元の共通券が高いので、それを除いてバスツアー2000円なら妥当なところでしょう。

上記のうち、血の池地獄と龍巻地獄は他の5つと距離が離れており移動にやや時間がかかります。もちろんローカルバスを使ったり、自家用車やレンタカーでの地獄めぐりも可能ですが、観光バスを使いなんの障害もなく移動しても2時間以上を要するので、少々費用はかかりますが定期観光バスを使われることをおすすめします。定期観光バスならガイドさんが誘導してくれるので迷いなくスムーズに回れるし、なによりバスが鬼可愛い

激カワなラッピングバス

ただ場所によっては写真を撮る時間さえままならないレベルの強行スケジュールだったので、ゆっくり回りたい方はご注意を。以下簡単な感想です。

うみ地獄★
コバルトブルーのお湯がとっても綺麗。温泉熱を利用した温室内で栽培されている蓮は必見(見頃は5月上旬~11月下旬)。売店に加え軽食屋さんもあり、地獄蒸し卵と地獄蒸しプリンが食べられる(※特に温泉由来の味はしないけど普通に美味しい)

左にちらっと見える竿は、地獄蒸し卵を作るためのもの。先には竹籠がぶら下がっています。
色んな色の蓮が咲いてて綺麗でした
限りなくおうちで作るプリンだけど、カラメルがほろ苦くて美味しい

鬼石坊主おにいしぼうず地獄
灰色の泥が吹き上がって坊主に見えるのが名前の由来。写真だと伝わりにくい。

真ん中を拡大すると
こうなってる

かまど地獄
地獄の熱を使って炊事をしていたのが名前の由来。1~6丁目までの6つの地獄があり、一箇所でいろんなバリエーションが楽しめるのでお得。

かまど地獄のフォトスポット
綺麗な青色
元々灰色だったのが何らかの理由で鉄分が溶け出して赤くなったらしい

鬼山おにやま地獄
鬼山という地名が名前の由来。温泉熱を利用して日本で始めてワニの飼育を始めたためワニ地獄とも呼ばれる。ぴくりともしないやる気のないワニがたくさん見られる

でべそがチャームポイント
ぴくりともしないワニ
ワニに食われ気味だけど一応これがメインの地獄

白池しらいけ地獄
読んで字のごとく白っぽいお湯なので白池地獄。でかい。温泉熱を利用した熱帯魚の飼育をしており、でっかい魚がいっぱい見られる。

かなり広い
昭和の香り漂う熱帯魚館

血の池ちのいけ地獄 ★
お湯の中の鉄分が底に溜まり、血の如く真っ赤に染まって見えるのが名前の由来。お湯自体は無色透明らしい。見た目のインパクトが半端ない。大きい売店があるのでお土産選びに困らない。

底は赤いけど水は透明
意外と広い
謎のフォトスポット

龍巻たつまき地獄
龍巻きの如くお湯が噴き上げてくるので龍巻地獄。とどのつまりが間欠泉運が悪いと噴き上げるまでに30~40分待たされるが、それだけ待つ価値があるかと言われると……電話で問い合わせてなるべく待たないようにプランニングしよう

本来は30mほど吹き上がるらしいが、周囲に湯が飛び散るので4mほどの屋根に覆われている。そのせいでちょっと迫力に欠けるのが惜しいところ。

全部回る時間がない、そこまで興味がないって人は、とりあえず海地獄と血の池地獄を押さえておけば満足できると思います。

昼ごはんは洋食屋さんでとり天を

地獄めぐりが終わったあとは、バスで移動して別府で人気の洋食屋さん『リボン』へ。洋食屋さんですがお目当ては大分名物のとり天です。

薄く削いで衣をつけられた鶏肉は、胸肉なのにびっくりするくらいジューシーで感動しました。唐揚げとも竜田揚げともまた違うしっかりした下味がついていて、いわゆるビールが進む味(私は飲めないけど)だと思います。
野菜たっぷりのあんかけ焼きそばもおすすめ。

ちなみにこちらのお店は外観に反してかなりのドカ盛り系ですのでお一人様には向きません。私は制止を無視してあんかけ焼きそばととり天を頼んで大変なことになりました。でも頼んだらちゃんと持ち帰り用の折り箱をもらえますのでご安心ください。

鉄輪かんなわ温泉へ

ランチを食べたあとはバスに乗り、今日の宿がある鉄輪かんなわ温泉へ。こちらは地獄めぐりの中の『かまど地獄』『白池地獄』がある辺りに位置しており、鎌倉時代にこの地を訪れた一遍上人いっぺんしょうにんが、温泉が噴き出し手のつけられなかった土地を鎮め、その際に最後まで吹き出し続けた地獄(温泉)を利用して蒸し湯を始めたことが起源とされています。

水かけ地蔵ならぬ湯かけ上人

この蒸し湯は今でも『鉄輪むし湯』として存在しており、石造りの小部屋の中、床いっぱいに敷き詰められた石菖せきしょうの上に寝っ転がって蒸されるというなかなか他所で見られない体験ができます。この石菖は、こどもの日の菖蒲湯に使う菖蒲の仲間で、それはもう清々しい香りがします。部屋中に充満した高温のスチームと、石菖の香りを体内に取り込むことで、内と外からデトックスするというわけです。

私はサウナは苦手なのですが、この蒸し湯は本当に気持ちよくて、行ってよかったと思いました。ちなみに中にはスタッフさんがいて、準備の仕方から丁寧に教えていただけます。入ったあともきちんとタイマーで測って声をかけてくださるので、一人でも安心して利用できました。
そこかしこから湯けむりが立ち上る様子は、これぞ別府!といった趣き(実際別府のビジュアルは主に鉄輪温泉の景色が使われるらしい)で、歩くだけで旅情を感じられますので、別府に来た際は是非とも鉄輪温泉にお立ち寄りください!
ちなみに鉄輪温泉の名物にはもう一つ、地獄蒸しというものがあるのですが、それはまたあとで……

鉄輪の町並み
道からも湯けむりが噴き上げてる

二日目の宿にチェックイン

二日目の宿は鉄輪のバス停からほど近い『湯治の宿 大黒屋』です。

ブーゲンビリアの咲くお宿

湯治宿といっても、最低限のアメニティやタオルはしっかり置いてあり、お部屋もしっかり手入れされているのでボロさは感じられず非常に快適です。

温泉熱を利用した暖房(左の木枠の中にあるもの)が設置されているので、窓を全開にしてもお部屋がぽかぽかで新鮮な空気を保ちやすいのもグッド。温泉もかなり熱めではありますが、加水できますし、源泉かけ流しで気持ちがいいので非常にオススメのお宿です。

鉄輪名物『地獄蒸し』を楽しむ

鉄輪温泉の名物には、蒸し湯ともうひとつ、温泉熱を利用して食材を蒸す『地獄蒸し』というものがあります。

入り口にある地獄蒸しの釜

お店のBBQのようにお金を払って蒸釜を借りたり、レストラン形式で食材から注文できるお店もありますが、こちらは宿泊者であれば滞在中自由に蒸釜を使えるのが魅力。
チェックイン後、スタッフさんに声をかけると、丁寧に蒸釜の使い方と食材に応じたオススメの蒸し時間を教えてくれます。お皿やお箸、調味料などは(最低限)宿にありますので、好きな食材を持ち込むだけ。
ちなみに、宿の口コミでは、近くに小さなスーパーがあるのでそこで買うとよいと書いてありましたが、肝心のスーパーは最速チェックイン時間(16時)には既に閉まっていましたのでくれぐれもお気をつけください。
私が今回持ち込んだのはサツマイモ、チーズ、卵、肉まん、鶏めし。この中でもダントツに美味しかったのはサツマイモで、約1時間蒸すと、ねっとりと糖化して、ただ蒸しているだけなのに最強のスイーツと化します。肉まんも寒い夜には心底あたたまるのでおすすめです。

卵は爆発してました
中はしっとり
見よこの黄金色を

温泉で蒸すといっても、鉄輪の湯は硫黄泉ではなく塩化物泉なので、温泉特有の臭いが食材に染み付くということはありません。じゃあ鍋で蒸しても同じだろうと言われればそれまでなのですが……そこはやはり、自分で食材を準備して、地面から吹き出す高温の蒸気におののきながら、火傷しないように慎重に網をセットし、出来上がりにドキドキしながら待つ、という過程を踏むことで一層美味しく感じられるわけなので、鉄輪名物地獄蒸し、一度はお試しあれ。

三日目

大分駅経由で由布院へ

最後の一泊は由布院で。というわけで、まずは大分駅まで。電車の時間まで一旦下車して、大分駅を散策しました。大分駅周辺は綺麗に整備されていて、お買い物スポットもたくさんあります。
大分駅構内のそこかしこで見かけるこの子はJR九州のマスコットキャラクター(正確には特急列車『あそぼーい!』マスコット)のクロちゃんというらしいのですが、あまりの可愛らしさに悶絶してました。

こんなに可愛いのにどうしてJR九州はクロちゃんを前面に押し出さないんでしょうか?この可愛さは全国民に知られるべき。クロちゃんグッズももっといっぱい作って欲しい。
まあそれはさておき、大分駅から由布院までは在来線で1時間で到着します。今回は大分駅周辺を見たかったので大分駅を経由しましたが、別府からは『特急ゆふ』という観光用の特急や、直通バスで行く方法もあります。いずれにしても1時間以上はかかるので、懐具合とスケジュールを見て選びましょう。

『ゆふいん』の謎

『ゆふいん』で変換すると、『由布院』と『湯布院』2つの漢字が出てきますが、どっちが正しいの?と思ったことありませんか。

まず元々大分にあった温泉地である『ゆふいん』は『由布院』(なので『由布院温泉』の玄関口であるJRの駅も『由布院駅』)でした。しかし昭和の大合併で『旧湯平村』と『旧由布院町』が合併した結果、2つの名前を合わせた『湯布院』という地名が生まれ、その後平成の大合併で『庄内町』『挾間町』 『湯布院町』の3つの町が合わさり『由布市』が爆誕。これにより元々『由布院』と呼ばれていた地の住所は『由布市湯布院町』になり使い分けがますます困難に
そんなこんなで『由布院温泉』が『湯布院温泉』と書かれていたり、漢字を使うことを諦めて『ゆふいん』表記になったりしているそうです。大変ですね。

そんな『由布院温泉』は、大分県のほぼど真ん中に位置しており、由布岳をはじめとした山々に囲まれたかなりのどかな温泉街です。

由布院の町を散策

先述したように由布院は山に囲まれたのどかな土地ですが、駅から金鱗湖という小さな湖までの片道20分程度の道のりは、『湯の坪街道』といって観光客向けに様々なお店が連なっています。私は体力と胃袋と時間的にあまり精力的に散策できなかったのですが、『Milchi』で頂いたケーゼクーヘンは大変美味でした。

ゲーゼクーヘンは底がとろっとしたチーズケーキです

ところで由布院にもいくつか公衆浴場があり、観光客にも開かれています。今回は宿の近くにある『乙丸温泉館』にお邪魔しまして、散策で冷え切った体を温めました。

ロビーの様子

こちらの入浴料の払い方はかなり独特で、ロビーの中に鎮座する薬師如来像の前のお賽銭箱にお賽銭として納めます
簡素な公衆浴場なのでシャンプーなどは置いておらず、カランも熱湯と水を風呂桶の中で混ぜて適温にする昔ながらの方式なので、古い銭湯に行ったことのない人にはややハードル高め。中には入浴セット一式を持ちこむ地元の方しかおらず、アウェー感が半端なかったのですが、熱湯に苦戦しているとそっと横から「大丈夫ですか?こっちぬるいよ」と声をかけてくださる方がいて、優しさが沁みました。

三泊目の宿にチェックイン

大分最後の宿は、由布院駅から徒歩7分、金鱗湖までちょうど半分くらいの道程にある『由布院つるのゆ』です。

ロゴからしておしゃれ
毛布が地味に嬉しい
小さめのお風呂が2つあるので使いやすい

由布院の宿は比較的単価高めのところが多く、別府のように安宿から高級宿まで選び放題とはなかなかいかなかったのですが、こちらは比較的良心的なお値段で設備もきれいだったので選びました。
全5室でかなりこぢんまりとしていますが、建物自体新しいので隅々まで快適に使えました。源泉かけ流しの貸し切り風呂も2つあり、ゆっくり浸かれます。

夕食は『ラーメン天国』で

由布院も比較的飲食店がありますので、素泊まりでも食べるところには困らないと思います。由布院自体にはこれといってここでしか食べられない名物料理や郷土料理というものはなく、強いて言うなら豊後ぶんご牛を使った料理(特に肉まぶし)を名物にしようとしているのかなという印象です。
豊後牛に興味はあったものの、なにせ歩き通しで体力が限界&店のビジュアルがあまりに魅力的だったので、この日の夕食は宿からすぐ近くにある『ラーメン天国』というラーメン屋さんにしました。

味噌ラーメンに入った紅しょうががアクセントとして優秀。餃子もよく焼かれていて美味しい。
限りなく喫茶店の焼き飯。福神漬のついた焼き飯は絶対に美味いと相場は決まっており、こちらのチャーハンも素朴で定期的に食べたくなる類の味です。流石に一人前はキツイので、半分は持ち帰りにしてもらっていました。
ビジュアルが強い

どうやら家族経営のこのお店ですが、物価高のさなかとは思えない良心的な値段と、間違いのない味で大変おすすめです。機会があれば是非行ってみてください。

朝は金鱗湖散策&パンモーニング

最終日は朝から由布院の最も有名な観光地である金鱗湖に行きました。金鱗湖は温泉が流れ込んでおり、通常より水温が高くなっています。そのため冬には、水面からもくもくと蒸気が立ち上り大変幻想的な風景になる、はずだったのですが……
あいにくこの日は湿度の高い曇り。12月頭とはいえ気温はそれなりに低かったので、上に書いたような幻想的な景色が見られることを期待していましたが実際にはちょっと湯気が出ているかな……?程度で、写真にもほぼ写らず残念でした。

夕日と湯気がないとがっかりスポットになりがちな金鱗湖。30分で一周できる程度の大きさです。

夕日の差し込む時間や、真冬の早朝にはもっと美しい光景が見られるとのことですので、半分運ではありますが、是非コンディションのいい時を狙って訪れてみてください。私も機会があればリベンジしたいです。
金鱗湖散策が終わったあとは、少し離れたところにある人気のパン屋さんGrand'pa &Grand'maでパンを買い、宿でゆっくり食べました。お年を召したご夫婦(多分)で営まれているこちらのお店は、観光客の多い時期には午前中で売り切れることもあるそうです。すべてのパンは冷ました状態で袋に入れて並べられているので、開店時に行っても熱々ではないことだけご注意ください。

最後に大分の郷土料理を食べて帰路へ

大分の有名な郷土料理といえば、『りゅうきゅう』『とり天』『だんご汁』『やせうま』ですが、この日に至るまで『だご汁』と『やせうま』を食べられていなかったのがどうしても心残りで、由布院を経つ前に『甘味茶屋』に駆け込みました。色々とメニューはありましたが、『だんご汁』と『やせうま』を一緒に食べられる郷土料理がセットになった定食に。

郷土料理のセット

『だんご汁』は、団子という名前ではありますが本当の団子が入っているわけではなく、小麦粉で練った団子を引き伸ばした麺状のものが入っています。山梨の『ほうとう』とほぼそっくりさんですが、『ほうとう』が伸ばして切っているのに対して、『だんご汁』は手で引き伸ばしてあるので、食感が結構違います

もちっとしていて厚みがある

『やせうま』は、同じく団子を引き伸ばした麺状のものに、きなこ(と黒蜜の場合も)をかけて食べるものです。こちらはなんのひねりもなく見たまんまのお味ですが、間違いのない素朴な美味しさでした。

そのまんまの味

これで大分で食べたかったものはおおよそ食べられたので、満足して空港に向かいました。唯一食べ損ねた別府冷麺だけは、空港の売店でお土産として購入。帰りは非常に快適なフライトで、無事3泊4日の旅を終え東京に帰還しました。

公式サイトを見ても結局よくわからないのですが、大分空港では宇宙を身近に感じてもらうための取り組みをしているらしく、そこかしこで宇宙がプッシュされています
機内からの夕日

まとめ

いかんせん新幹線も通っておらず、足がない人間にとって交通面が課題になりがちな大分ですが、多少苦労してでも行くだけの価値がありました
さすが日本一のおんせん県を名乗るだけあり、どこに行っても当たり前のように源泉かけ流しなのが嬉しかったです。また別府・由布院ともに、温泉街にありがちな『素泊まりだと店がなくて食いっぱぐれる』問題も起こらず、安価な旅行ができるのも魅力的だと思いました。
この旅行記を見て少しでもいいなと思った方は、是非時間を取って大分旅行に行ってみてください。他にはない経験がたくさんできると思います。
大分は美味しいものもたくさんあるので、できる限り胃袋を空にして(可能なら大きくして)行くことをおすすめします。
最後に、今回のアドベントカレンダー企画を運営してくださった管理人の皆様ありがとうございました。おかげさまで色々な知見に触れることができて楽しかったです。
それでは皆様、よいクリスマスをお過ごしください。またTLでお会いしましょう。

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