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【コーチング】クライアントの中に答えがない時のアプローチ


 「クライアントの心の中に答えはないですよ」「教えない、なんて言っていますが、本気で困っているクライアントを救えないなんて、あなたのコーチングはその程度のものなんですね」

 これが何かと言いますと、コーチ向けコンサルのポジショントークです。
こうして、こちら側のスタンスを否定して、コンサルの立つ方向に引きずり込むトークですね。
 一瞬、ギクッとしてしまった自分が情けないのですが、思えばクライアントとの最初のセッション、明確な答えやゴールを持っている方はほとんどいません。そこにどんなアプローチで進んできたか、あらためて言語化してみようと思います。

 

視点を変える

 質問の軸、という考え方があります。
人、場所、時間、状況などです。
 仕事に行き詰まって、どうにも解決策がないというとき
「あなたの尊敬するあの人なら、どうするだろう」
「あなたが知っている人で、これを解決できるとしたら、誰ですか」
こんな質問をすることもあります。人の軸です。
 違う人である、という前提はありますが、違う人ならできることに気づき、思考の突破口になることがあります。
「もし、この目標を半分の半分の時間で達成するとしたらどんな方法がある?」
 時間の軸ですが、定番のように聞きます。
実際、将来自分の店を持ちたいと言っていたバリスタが、子供ができたことにより状況が変わり、すぐさま店を持ってしまった。開店できてしまったというケースもあります。実際に、達成できる目標は時間を縮めても達成できるのだと考えられます。

 先入観が答えを見つけづらくしていることもあります。
例えば、誰かの一言に対して自分の解釈を加え「こうに違いない」と推察で相手の意図を決めてしまい、それを前提にしてしまうパターンは良くあります。
「その推察は、確認しましたか。どのように確認しましたか」
のような質問は有効です。また、「~なはず」「~だと思う」という言葉を
まとめてフィードバックすることも気づきに繋がります。

ビリーフを見直す

ビリーフを見直すということにも場合によっては取り組みます。
 ビリーフとはその人が今までの人生・経験を元に作り上げた思考、価値観の前提です。
 「あなたがそう思っていることは事実ですか」
 「これまではそのお考えがあなたの成功を支えてきました。今は、そのお考えが、これを進める上で障壁になっているように見えます」
 などキツい質問、フィードバックもします。
 ビリーフを見直すときは、相手がそれを望んでいるか、心の準備ができているかを十分確認します。その人の”OS”を変えてしまうようなチャレンジですので、バランスを崩す可能性があります。
 誰でもいつでもビリーフを見直すことが良いとは限りません。十分によい進捗をしているクライアントに対しては、これまでのやり方で伴走していくことが良い結果に繋がることが多いです。

提案・要望


 コーチは聞くだけではありません。
提案もするし、要望もします。
指示・命令とかわらないのではないか、という疑問を持つ方もいらっしゃると思いますが、相手が常に「NO」を言える選択権があるかどうかに違いがあります。
提案・要望を受け入れるかどうかの決定はクライアント側にあるのです。

「あなたはリーダーなのですから、メンバーの話を聞いてください」
「速いですね、このスピードでお願いします」
要望は短くはっきりと伝えます。また、アクノレッジメントとセットで要望すると効果的です。

ディスカッション

 海外のコーチはこれをかなりやる印象です。
日本では「教えない」ことをかなり意識してトレーニングを受けますが、
海外コーチのデモなど見ると、クライアントに対してかなり提案し、議論しています。心理学や経営など、それぞれの専門の立場から、フィードバックや提案を行っています。

 傾聴、質問はコーチングの特徴的なスキルですが、
コーチが何も言わないということではありません
 指示・助言とは異なるスキルで、フィードバック、提案、経験の共有をします。こういうところは、コーチ自身のキャリア、専門性が発揮される場面かもしれません。
 ティーチングと異なるのは、クライアントが行動を選択できること、コーチは試行錯誤していくことをサポートする立場でいることです。
 やはりそこは「教えない」のであり、クライアント自身が成長する、解決していく力身につけるということがコーチングです。

 

老子曰く「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」

 コーチングで言う教えないというのは、こういう言葉に言い表せると思います。
 今回のまとめの言葉とさせていただけましたら幸いです。


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