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野外活動を楽しむ指針「リーブノートレース」の講習に参加してきた

御岳で一緒に活動しているAヤードの柴田大吾さんが「LNT、LNT」としきりに言っていたので、よっぽどいいものなのだろうと気になって参加してみました。

LNTというのは、Leave No Trace(リーブノートレイス)といい、「環境に与えるインパクトを最小限にして、アウトドアを楽しむための環境倫理プログラム」です。

みんなが末永く自然環境を楽しめるように、できるだけ負荷を最小限にする原理原則を教えてくれるプログラムです。とはいっても、楽しく&おもしろく学習できる工夫がそこかしこにされていて、いろんな側面からの学びがありました。

特によかったのが、誰かに何かを「教える/教わる」ことについても深く知れたことです。
「教える/教わる」というと、学校の授業のように考えてしまいがち。でもLNTでは先生から一方的に言葉だけで聞く、読むだけではなくて、図や動画で説明する、やって見せるといった手法(パッシブラーニング(=受動的)学び)と、問いかけをして対話しながら、実際にやってみる、誰かに教えるなど能動的な手法(=これをアクティブラーニングといいます)といったことまで学べます。
アウトドア関連のガイドやインタープリターをやってるひとだけでなく、何かを教える仕事のひとには、この部分だけでもめちゃくちゃ参考になると思います。

学びのピラミッド以外にも、SPECになっているかを照らし合わせていくと、より能動的で学習内容が定着しやすいです。
S=Student Center(生徒中心)、P=Problem‐based(課題解決)、E=Experiential(体験的)、C=Collabolative(協働的)。

ちょうど今、「フリースタイル焚き火教室」というのを今年の冬から始めたのだけれど、まさしくこの方法。教えないで考えてもらう焚き火術なのです。今回の講習で、ヒントをたくさんもらいました。

フィードバック(ふりかえり)についても参考になります。
ちなみにカヤックスクールでもフィードバックはとても大切にしています。わたしからフィードバックするだけではなくて、参加者どうしでもフィードバックしてもらったりします。他のひとをよく見るようになりますし、アドバイスする立場になると違った視点で考えられるようになるからです。

LNTでは7つの原則があって、それをチームごとに担当してワークを作ります。ワーク終了後、それが原則に沿った内容だったのか、どうよかったのか/悪かったのか。どう変えたらもっとよくなるのか。そのワークに参加したあとに講師だけでなく、参加者それぞれがフィードバックするしくみになっていました。ふりかえることで、さらに教え方や原則の内容について深まります。
フィードバックの方法もすごく大事。特に話す順番。ハンバーガーのようにバンズ(良かった点)+パテ(改良したほうがいい点)+バンズ(よかった点)の構造にします。

先日読んだこの本にも、話す順番の大切さは書いてありました。

LNTの7原則はこちら。

エビデンスにもとづいた数値などを知ることもできます。
でも”ルール”ではなく、あくまでも”原則”。必ず守らなくてはいけないものではなくて、楽しみも損なわずにバランスを考えて判断していく手がかりです。7つの原則をみんなが知ることで、いい自然環境を長く保っていけるようになります。

なのでたくさんのひとがこの7つの原則を知るほど、環境を保ちながらアウトドアを長く楽しめるようになります。
そこで、どうやってこれを広めたらいいか?を考えました。
LNTを知ったひとが、野外で活動しているひとたちがマネしたい!と思うような存在になることなのかなと思いました。そのひとたちのふるまいが、かっこいい、クールなことだと感じられるように。
ガイドやリーダーとなるひとが、ロゴマークのついたボトルやワッペン、バッジなど、何かを積極的に身につけていくとイメージアップにつながるのかもしれませんね。「あのマークはなんだろう?最近よく見かけるな・・」と感じてもらえるような。

カヤック体験焚き火教室などでも折に触れて話していこうと思っています。

御岳でも3月されるようなので、興味のあるひとはぜひ参加してください。特に、アウトドア事業者にとっては参考になることが山盛りです!

ちなみに「フリースタイル焚き火教室」は、奥多摩で毎日開催しています!


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