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2023 11月号 コラム 医療者から見た医療ドラマ #2 絶海の孤島編

皆様こんにちは

11月ですね!随分と寒くなり私もTシャツの季節を終え、気がつけば年末の雰囲気が出て参りましたね!

さて、前回の医療ドラマの解説が意外に好評でして、今回は調子に乗って第二回をやっちゃいたいと思います。

前回はブラックペアンとドクターXシリーズからお話させていただきましたが、今回はドクターコトー診療所のお話から行ってみたいと思います。
ドクターコトー診療所は2003年に連続ドラマの第1期が放送、2006年には第2期が放映されました。その間にドラマスペシャルの特別編が2003年と2004年に放映され、2022年には劇場版が公開され、当然私も観に行って参りました。

ざっくりとしたストーリーをお話すると東京の大学病院で優秀な外科医であった五島健助先生(吉岡秀隆)が離島である志木那島診療所で看護師の星野彩佳(柴崎コウ)やその家族とともに奮闘するお話です。

まず、島に着くなり五島先生は島の洗礼を浴びます。離島の診療所はアルバイトか短期間で責任感の少ない医師が多く赴任していたりという過去もあり、島の人達は新しく赴任したコトー先生を「医師=島民の事なんか考えちゃいないヤブ医者」くらいに思っています。信用しない島民らは全く診療所に寄りつかず、敵意すら感じます。

特に漁師の原剛利さん(時任三郎)は妻を島の前の医師の診察ミスで亡くしており、最も医師に不信感を持っていましたが、息子のタケヒロ君が五島先生が船の上で虫垂炎のオペをしたことによって救われてからは信頼するようになっていきます。

タケヒロら島の少年から感謝のしるしとして贈られた診療所の旗に「ドクターコトー診療所」と記されていたため、以来五島先生は島民からコトー先生と呼ばれることになり、コトー先生の医師としての技量の確かさと誠実な人柄はしだいに島民らに受け入れられ、交流を深めていきました。呼ばれれば自転車に乗って往診に、診療所にいれば患者さんがあふれ、コトー先生が島民の健康を背負い、島民は「コトー先生!コトー先生!」と信頼を寄せコトー先生も島に馴染んで生活し、島にすっかり馴染んで充実したコトー先生の姿を見ると「ああ、なんて素晴らしいんだ~自分も島で医療をしたいなあ~」なんて考えてしまいがちなのですが、それこそが実は大きな苦しみの始まりなのです。。。

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