NEMOの公式ブログで紹介されていた快眠テクニックを実践してみたのでご紹介。
1. 平坦な場所を探す
なるべく平らなところを探すのは基本中の基本ですね。問題はどうやってそれを判断するか。
一番確実な方法は、テント設営の前にまずはお試しで寝っ転がってみること。そのままだと汚れるので、グラウンドシートを敷くのがおすすめ。
地面の水平具合だけでなく、石・小枝の有無や細かい凹凸具合まで確認することができます。
期待通りの地面でない場合でも、グラウンドシートだけ回収して次の場所を探すだけですみます。
2. 騒音を避ける
騒がしそうなところにテントは設営しない方がいいというアドバイスですね。
わたし的にはこちらは、「平坦な場所を探せ」に比べると優先度はそこまで高くありません。
耳栓とアイマスクがあれば、ある程度シャットアウトできるためです。
一応意識しているのは、トイレの近くや小屋の近くは避ける、大所帯のテントの近くは避ける、とかでしょうか。
人気のテント場だとテントを張るところをみつけるだけでも苦労するのでこちらを優先するのはなかなか難しいのが現実です。
3. ホワイトノイズ
テント泊に限らず自宅でも、寝る前は自然音を聞いたりしますよね。
人気のないテント場であれば良いと思いますが、実際の山のテント場ではあまり期待できないかと。
聞けるのはテント場に密集する人間たちの息遣い、夜に徘徊する数人の地面を踏みしてる音、跡、テントが風ではためく音くらいです。
あまり心地よいものではありません。
環境音は全て耳栓でシャットアウトした方が良いかと。
4. テントの向き
正直ここで書かれている内容が曖昧すぎてよくわかりませんが、一応わたしもテントの向きには気をつけています。天気予報をみて風向きを確認、風にたいしてテントが安定するような向きに設営しています。
他にもテントからトイレまでのルートで、他の人のテントのガイラインに引っかからないように無意識に昼間のうちにチェックしていますね。
5. 必要なものは肌身離さず
私が寝ているときも肌身離さずもっているのはヘッドライトのみ。ヘッドライトがあれば他のものは見つけられるので。
私のヘッドライトは Nitecore の NU25 というもので海外ハイカー界隈では有名なシンプル軽量なもの。さらにヘッドバンドをショックコードに置き換えています。
これによって首からぶら下げるのが容易。この状態で寝ることで、ヘッドライトが迷子になることはありません。
6. ギアの置き場所を覚えておく
家をでてすぐに、「家の鍵ちゃんと閉めたっけ?」と不安になるのと似ているかも。
私も以前までそのような心配性の節がありましたが、一つ一つの行動をするときにちゃんと意識を保てば、心配にならなくなることに気づきました。
心配になるときって大抵いろいろ考え事をしながら、心ここにあらずで行動してたときなんですよね。
なので例えばドアを閉める時にも、鍵を手に持って、カチャリと鍵を回す感覚をその 5 秒だけでもちゃんと意識を向ければ後で気にならなくなります。同じようにギアを配置するときにもその瞬間に意識をしっかりと向けましょうってこと。
ここまでは精神論。実践的なテクニックでいうと、わたしはオーガナイザーとジップロックを使って小物はすべて整理しています。
オーガナイザーは蓋がガバっと開くのでまるで棚のように機能します。細かいギアは普通だと迷子になりがちですが、オーガナイザーという棚にいつも突っ込むようにしています。
このオーガナイザー、実は文庫本収納ケース。軽量・安価でおすすめ。
7. 靴は履きやすいように
これは意識しなくても前室に靴は置いてある気がしますが。。
一応わたしが気をつけていることは、日中のうちに靴はインソールを取り出して日に当てて、夜になったらインソールもしまって、すぐに使えるようにしていることくらいでしょうか。
8. 枕
枕はわたしも色々試行錯誤しました。最初は使わないウェアを詰め込んだスタッフサックでしたが、高さや反発力が足りずやめました。
次にエアーピローを導入しましたがバウンド感が気になってやめました。
現在はオープンセルのスポンジを基礎にした、ふかふかの枕を使っていて満足しています。
NEMOのフィッロも高く評価されていますが、こちらはオープンセルスポンジとエアーの組み合わせですね。快適な枕にスポンジ的な部品は必要不可欠なんだろうなと思ってます。
9. サイドスリーパーの注意点
自分がどんな姿勢でふだん寝ているかも大事ってことですね。
わたしは普通の仰向けスタイルなのであまり気にしたことがないですが、横向きで寝る場合には色々気をつける点がありそうです。
ひざに挟む/抱き枕のために、追加の枕をもっていくのは結構コスパが気になるところ。睡眠時に着用しないミドルレイヤーやスタッフサックを活用するとよさそう。
横向きで寝る方には他にも、マットはできるだけぶ厚めのもの、つまりクローズドセルマットよりもエアーマットが推奨されます。
横向きの場合、マットとの接触面積が小さくなるので圧力が大きくなります。クッション性の低いクローズドセルマットだと体の側面がしびれたりバキバキに痛くなるので、エアーがおすすめ。私が使っているのは寝心地が良いと評判の NEMO Tensor Insulated です。
ちなみにスプーン型のシュラフはわたしも初耳。こちらが詳しそう。
10. スリーピングマットの弾力調整
注意点は、エアーマットから空気を抜いてクッション性を増すということは、断熱に寄与する空気層が薄くなること。コールドスポットになって冷えを感じない程度に抑えましょう。
このようなクッション性のカスタマイズのことを考えると、R値がジャストのものよりも、ある程度高めのものを持っておくと良さそう。
私は NEMO の Tensor Insulated (R値 4.2) をそこまで寒くない時期でも使っています。
11. 寝袋を温める
「ナルゲン湯たんぽ」は定番の技ですね。
ナルゲン単体だとお湯をいれるとアツアツな表面になるので、自作のアストロフォイルコジーを作っておくと便利。
コジーを挟むことでお湯をいれても表面は熱くなりすぎず、またナルゲン湯たんぽ自体も長持ちします。
寝袋の余分なスペースを埋める際には、寝袋のロフトを潰さないようにしましょう。
12. 熱くなりすぎないように
寝袋が暑すぎる場合の対応ですね。
寝袋の足元ジッパーとかサーモギルがなくても、正直なんとでもなるので気にしなくてOKというのが持論。
マミー型がでれば、ジッパーを適当にあければベンチレーションを効かせることができます。キルト型では足をそとに出すことができます。
ちなみにサーモギルというのは、意図的につくられたコールドスポットをジッパーで調整できる仕組みのようです。
13. 荒天に備える
1日の長い行動後のテント設営は疲れていることもあり雑になりがち。
でも最初から時間をかけてしっかり設営したほうが、後々の投資になります。サボったせいで夜間に風がつよくなって、テントが半壊したことがあります。
夜で気温が低く、ヘッドライトのみの明かりで、まわりがぐっすり眠って静かな中。テントを補強したり、再設営するのはまわりにも迷惑ですし、何よりも自分としても大変。目も覚めてしまいます。
ガイラインをすべてペグダウンしておいたほうが吉です。寝る直前にテントを見回って、テンションが緩いところは締め直したほうがよいです。
尚、フライシートをはらずにインナーテントのみのスタイルは、日本ではおすすめしません。海外の特にアメリカでは天候が穏やかで急変も少ないですが、日本の山岳は湿気もあいまって急変します。
14. 戸締まりはしっかりと
テントのジッパーもですが、そもそものテントの設営場所から気をつけるようにしています。
例えば雲ノ平テント場は水が豊富なこともあり、コバエがたくさん飛んでいました。
この経験をふまえて、私は池や水たまりといった水場の近くにはテントを設営しないようにしています。
15. 結露に備える
シングルウォールの場合、テントの結露は睡眠を阻害する大きな問題ですね。
フライシートの内側に張り付いた結露が、フライシートが風で揺さぶられることで寝ている顔面に降り掛かってくる。これで何度起こされたことか。。
これが理由で私はシングルウォール → ダブルウォールのテントに切り替えました。 ダブルウォールであれば、メッシュのインナーが結露しぶきをシャットアウトしてくれるので安心です。
16. 着替え
これは全くそのとおりですね。自分も着替えとして、ベースレイヤーとウールのタイツを持ち運んでいます。
シュラフや保温着と一緒に濡れたら困る系としてスタッフサックにまとめてパッキングしています。テント場について体を清潔にしてから、こちらに着替えるのがルーティンです。
汗をかいた服ってなんかベトベトしますし、このままシュラフに潜り込むとシュラフに汗や匂いが移ってしまいます。服が濡れていると、体の熱も逃げやすいです。
清潔な服はサラサラで寝心地が良くて、体の熱も逃げません。
起床後、前日きていた行動着を再び着用する瞬間だけは未だに慣れませんが。。。
17. 体を清潔に
新しい着替えを着用するまえに、私も必ず体を清潔にしています。山岳テント場ではシャワーは基本的にないので清拭が唯一の手段。
ここでおすすめしたい清拭方法としてホットタオル清拭になります。
以前まではボディシートを使っていたのですが、ボディシートって清涼感が気になったんですよね。ただでさえ寒い山のテント場で、さらに体を冷やすことになるのでリラックスできませんでした。
ホットタオルであれば、体表面の油汚れを浮かして取り除くことができますし、体がポカポカしてまるでシャワーを浴びた気分になれます。ボディシートのようにゴミが発生することもありません。
18. 歯磨き
キャンプ場であれば下水道のととのった水場があるので、普通に歯磨き粉がつかえます。問題は下水がととのっていない山岳のテント場。
歯磨き粉は自然的じゃないのでNGとされています。そのため私は水で濡らした歯ブラシをつかって、口ブクブクをしています。
これだけだと清涼感が得られないので、歯磨きの前は暖かいハーブティーで気持ち歯の汚れを浮かすようにしています。
また、ミント入りのフロスで最後の仕上げをしています。コンパクト・軽量でゴミも少ないので便利。
19. 寝る前にトイレへ
少しでも尿意を感じて気になったら迷わずトイレに行ったほうがいいですね。「星空鑑賞できるぞ!」くらいの余裕をもった気持ちで。
気をつけたいのは、トイレまでほんの少しの移動距離でもちゃんと身支度は整えたほうがよいと思います。
ちゃんとダウンジャケットをきて、ニット帽かぶって、ヘッドライトもして、さらには自分のテントの位置を再確認しましょう。
軽装で自分のテントの位置をちゃんと把握せずにトイレにでかけて、迷子になりかけたことがあります。自分のテントに戻るまで、寒さに耐えながら彷徨いました。。
20. 水分のとりすぎ注意
アルコールの大量摂取はひかえましょうということ。
普通の水分ならそこまで気にしなくていいかなというのが私の持論。行動中は残りの水分量を気にしたり、トイレの所在を気にして水分摂取が控えめになってしまいがち。
逆に水場とトイレが保証されているテント場にいる時に、水分をたくさん摂取したほうがいいんじゃないかなーと思っています。
21. 食べすぎ注意
普段の生活でも、寝る4時間前から食事は控えましょうといいますね。それと同じこと。
ここで注目したいのは、「タンパク質」と記載があること。おそらくタンパク質の高い食事誘発性熱産生が背景にありそう。
簡単にいうと炭水化物や脂質は摂取エネルギーの5%が代謝に使われますが、タンパク質は30%が代謝に費やされるので体が暖かくなりやすいということ。詳しくは厚生労働省のこちらのページを参照。
一方で、寝る時に小腹を空いたと感じた時。これも尿意と同じで我慢せずにさっさとおつまみを食べちゃいましょう。悶々と考えることは、睡眠時間を削っているだけなので。
歯磨きをした後なので、なるべく歯にくっつきにくいものが良いですね。たしかにナッツとか良いかも。
22. イブプロフェン
エマージェンシーキットに解熱鎮痛剤としてロキソニンを常備しています。これは高山病の軽度な症状、つまり頭痛や寒気に役立つらしいときいたので。体の不調で眠れない時にも役立つ可能性がありそうですね。
23. メラトニン・グミ
メラトニンの説明はこちらが詳しいかと。日本では認可がおりていないので、メラトニングミなどは販売されていません。欧米では一般的らしくて、ドラッグストアでも買えるらしい。
わたしは普段の生活は若干の健康オタク気質で「パレオな男」のブログをよく参考にさせてもらってます。
そこで紹介されていた「ナイトレスト」というメラトニン錠剤を普段から常備しているので、テント泊登山のときには一粒携行しています。日常でも、どうしても目が冴えて眠れない時に重宝してます。
登山の場合は、興奮状態がメラトニンを上回ってしまっていて結局眠れないことが多いですが、たしかにこれを摂取すると頭がぼんやりする気がする。。。
あくまで自己責任でどうぞ。
24. 耳栓
耳栓は大切ですね。先にも述べたとおり、日本の山岳テント場は自然の音よりも人間的な音だらけ。音はすべて耳栓でシャットアウトしましょう。
以前までは MOLDEX の耳栓を使っていました。ただフォームタイプは都度潰して耳に押し込むのが面倒だったり、使い捨てなところが気になってやめました。
最近のお気に入りは Loop の Quiet というシリコンタイプのもの。汚れても洗えば繰り返し使えて、着用時にも潰す手間がなくスポッと耳にはまります。
一回のテント泊縦走では移動中も含め、耳栓には複数回お世話になるので適しているかなぁと。
特に Quiet は独特の形状のおかげで静音ながらも耳が痛くなりにくいです。
シリコンタイプはフォームタイプに比べて遮音性はそこまでないですが十分と感じてます。
25. アイマスク
睡眠の質を追求するにあたって枕だけでなくアイマスクも導入してよかったと思っています。
特に混雑しているテント場で人が多いと、夜にヘッドライトがちらつくこともしばしば。光線が自分のテントに一瞬でも向けられるとチカチカして目が覚めてしまいます。
わたしの場合、 Buff は枕カバーに使っているのでちゃんとしたアイマスクを常備。 シルク製のアイマスクは軽量で肌にやさしくフィットしてお気に入り。夜行バスなど公共交通機関でも活躍。
ちなみにこちらのアイマスクも、私のお気に入りの健康ブログである「パレオな男」で紹介されていたものです。
26. スマホ画面を避ける
これは基本中の基本ですね。
わたしの場合は ナイトモードを設定しているので、夕方以降は自動的に画面が黄色くなって目に優しくするようにしています。
27. 暖かい飲み物
寝る前のお供のホットドリンクを実践してから、睡眠に入りやすくなったきがします。たとえ夜中に目が覚めてしまっても、枕元のホットドリンクを飲めば気持ちが落ち着いて再入眠もしやすい。
寝る前にホットドリンクを慌てて作るのではなく、晩ごはんと同時に仕込んでおくようにしています。
暖かさを保ちたいので、わたしのマグはシングルウォールではなく真空ダブルウォール。サーモスの200mLスープジャーをマグとして愛用しています。このサイズであれば内蓋もないので扱いやすくて便利。
お気に入りのハーブティーはセレッシャルですね。スリーピータイムはカモミール主体でリラックスできるのと、スペアミント配合のおかげで鼻が詰まりにも効果ありそう。
28. アルコールをちょっと
テント泊登山にでかけると、ソロ・グループ問わず、かなり多くの人がアルコールを持ってきているんだなぁと実感します笑
缶ビールを持ってきている人もいれば、ウイスキーを持参している人もいました。
わたしが見かけた最高記録はソロの方で、ウイスキー原液 500 mLとストロングゼロ 350mL ×2という猛者でした。
自分の場合はアルコール以前に、テント泊だとなぜか興奮して寝れないことに困っているので、寝れるなら喜んで飲みます笑
29. エッセンシャル・オイル
嗅覚でも睡眠を促そうという作戦ですね。アロマディフューザーみたいな感じ?
エッセンシャルオイルは試したことがないのでやってみようと思います。
テント場ではお風呂もないのでホットタオル清拭をするのですが、そのときのアクセントとしても良さそう。
小型で持ち運びもしやすそうですし。
エッセンシャルオイルがギアに付着しないようにするのが注意ポイントかなーと思います。
レインウェアやテントのフライシート、エアーマットに付着すると、表面コーティングにはよくなさそう。
30. 夜の読み物
眠れない時は、静かな BGM を聴いてますね。寝袋に入った状態だとスマホを持って覗き見るのが大変ですし、できるだけブルーライトは浴びたくないので。
日常生活ではなにか作業のついでに聴いているBGM。そんな日常を離れて静かな山奥の中、寝袋にくるまってなにもせずにBGMだけ聴くのも、特別な時間を過ごしている感じがしておすすめ。
私のお気に入りは定番ですが Lofi popです。
31. 瞑想
意識高い系の本でよく見かける、「マインドフルネス」。実際に欧米だと一般的な活動として捉えられているみたい。
海外で働いている友人がそんなキャラじゃなかったのに、「瞑想いいよね、やってるわ。」と言っていてびっくりした記憶。ちなみにこちらで紹介されているのは、ボディスキャン瞑想というテクニックらしい。
ちょうどプロインストラクターの誘導も YouTube にあるので、こんどやってみようかなと。