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自分から変わる社会変革:システムプラクティス実践ノート

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社会を変える取組みについてのフィールドノートです。
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因果ループ:失敗から学習できないのはなぜか?

典型的な失敗の対応:責任追求と再発防止徹底 少し前のニュースだが、国交省が統計データの書き換え指示で二重計上を行っていたことが発覚した。これを受け国交相は事実関係認め陳謝し、松野官房長官「説明責任果たし再発防止徹底を指示」した。野党は悪意や故意の可能性を指摘し、厳しく追及するとしている。 このような1)失敗の発覚、2)責任追求、3)再発防止徹底を繰り返しているはずなのに、特定の領域では失敗が繰り返し生じ、状況が良くなっているように思えない。なぜだろうか? 失敗からの学習

答えの無い問題:複雑系から考える

Previously on my note: 前回は明確な答えの有無をもとに世の中の問題を二つのタイプに分けて考えてみた。今回は複雑系の5つの特徴について考えてみることで、答えの無い問題の多くは複雑系っぽいことを示していきたい。また複雑系についての認識を深めることは、システム思考の肝でもあると私は考えている。 相互依存:簡単に線引きできず、横断的 複雑系の最も重要な特徴としてまず相互依存関係がある。色々な要素が互いにフィードバックし合っている。ラグビーやサッカーのフィー

2つのタイプの問題について

ほとんどの学習時間を問題を解くことに費やしてきた僕たちには、 「問題解決」マインドセットが染み付いてる 次の2つの問題群の特徴の違いとしてどんなものが挙げられるだろうか? お金で解決できるかどうか、手段か目的かどうか、そのような見方もできるかもしれないが、次のようにまとめてみると分かりやすいのではないか。 問題グループ1については、正解があるといっても解くことが簡単だとは限らない。また正解が複数ある場合もあるだろう。しかしグループ2との決定的な違いは、明確な正解がそもそ