IFSとNVCで内的批判を統合する
この記事で紹介するのは内的家族システム(IFS)のパーツワークと非暴力コミュニケーション(NVC)の自己共感を組み合わせ、内なる批判的な声に対処し、自己理解と自己受容を深める強力なワークです。
IFSモデルでは、自己の内部に多くの異なる「パーツ」が存在し、これらが人格を形成していると考えます。これらのパーツは保護的な役割を持つものや、傷ついた感情を持つものなど、様々です。自己の中心には「セルフ」と呼ばれる、穏やかで、受容的で、リーダーシップを持つ部分があります。
IFSとNVCの統合的アプローチは、自分自身の内なるパーツとの対話を促進し、感情とニーズに基づいたより共感的で理解ある自己関係を築くことを目指します。
ステップ1: 内的のパーツの識別(IFS)
自己批判の声や思考など、内なる葛藤や反応を生み出している「パーツ」を識別します。自分の中にどのような内的批判の声をあるかを特定しましょう。これらのパーツは、保護的な役割を果たすことが多く、過去の経験に基づいて形成されます。
例えば「自分にダメ出しするパーツ」や「他者と比較するパーツ」や「完璧主義者のパーツ」などを見つけましょう。
それぞれのパーツが何を守ろうとしているのか、何を恐れているのかを理解しようとします。
ステップ2: 自己共感の実践(NVC)
それぞれのパーツが感じている感情を認識し、その感情の背後にあるニーズを探ります。
例えば「自分にダメ出しするパーツ」が感じている恐れや不安に共感し、それが表す基本的なニーズ(例えば、帰属や承認)に注意を向けます。
ステップ3: パーツとの対話(IFS)
各パーツと対話を始め、そのパーツが持つ意図や目的を理解しようとします。パーツに対して開かれた心と好奇心を持ち、そのパーツがなぜあなたを守ろうとしているのか、何を恐れているのかを探ります。
パーツに感謝の気持ちを表し、それが果たしている役割を認めます。同時に、パーツが引き起こしている負の影響についても優しく促します。
ステップ4: ニーズと手段の統合(NVC)
各パーツのニーズを満たすための新しい手段を考えます。NVCの枠組みを用いて、批判的なパーツのニーズを満たしつつ、セルフコンパッションと成長を促す方法を探ります。
例えば、自己批判のパーツが求めている安全や承認のニーズを認識した上で、これらのニーズを健全で建設的な方法で満たす新しい方法を考えます。
ステップ5: 自己との和解と統合(IFS + NVC)
自己の中の異なるパーツがそれぞれ大切にされるように努めます。内なるパーツが互いに、そして自己の全体と調和するように働きかけます。
自己の全体として、内なるパーツのニーズを満たすための行動を実行します。これには、自己批判を減らすための具体的な行動や、自己受容を深めるための実践が含まれます。
このプロセスを通じて、自己批判のパーツに対処し、自己共感を深めることができます。IFSとNVCを組み合わせることで、内なる声に対する理解と受容を深め、自己成長と癒しを促進することができます。
※注意
トラウマ的体験や愛着の傷がある場合、このプロセスを一人でやることは難しいかもしれません。その場合は信頼できるセラピストと一緒に安全に癒しのプロセスに挑むことをお勧めします。
IFS 内的家族システムは、自分で自分のセラピーを行う、セルフセラピーの手法として、または自己統合のツールとしてもとても役に立ちます。学んで見たい方はこちらをご覧ください。
https://www.reservestock.jp/page/event_calendar/7549
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