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IR Agentsと一緒に考える「資本コストの話」

2024年7月10日に開催されたIR向上委員会のテーマは、「IR Agentsと考える!資本コストの話」でした。このセミナーでは、資本コストの計算方法について深く掘り下げ、特にCAPM(資本資産評価モデル)に焦点を当て、その問題点について議論が行われました。

まず、CAPMの基本的な考え方について説明がありました。CAPMは、企業の資本コストを計算するための代表的な方法として広く使用されています。このモデルでは、企業の株価の変動性や市場全体のリスクを考慮し、期待リターンを計算します。しかし、セミナーではこのCAPMの問題点について指摘がありました。

具体的には、「CAPMで資本コストを計算し、その資本コストよりROE(株主資本利益率)が高ければ良い」というシンプルな開示をしている企業が多いことが問題視されました。こうした開示は一見わかりやすいものの、発行体と資本市場の間で認識のズレが生じる可能性があるという指摘がありました。

そこで、代替案として「市場インプライド資本コスト」という計算方法が紹介されました。この方法は市場の期待を直接取り入れるため、より現実的な資本コストを算出することができるとされています。実際に市場インプライド資本コストを使って、複数の企業のケーススタディが紹介されました。

これにより、企業がどのようにして市場の期待を理解し、それに基づいて戦略を立てるべきかについて具体的な示唆が得られました。市場インプライド資本コストを用いることで、企業はより正確な資本コストを計算し、投資家に対してどのようなスタンスで情報開示をしていくべきなのか、どう見られているのかについて考えるヒントになります。

今回のIR向上委員会では、資本コストの計算方法について、CAPM以外の方法について学ぶことができました。特にCFOやIR担当者にとっては、自社の資本コストを多角的に把握し、投資家との信頼関係を築くための手段として活用できそうですね。

今後もこのようなセミナーを通じて、最新の知識や技術を取り入れ、IR活動の質を高めていくことに貢献できれば幸いです。

資料のダウンロードが可能なページはこちらです。

次回、IR向上委員会は8月30日となります。

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