Twitter 表示数が可視化 影響は?
きのう、Twitterの表示で、結構おおきな変化がありました。
「いいね」数とかが並んでいるところの一番左です。
これは「インプレッション(表示数)」。つまりこのツイートがスマホなどの画面上で何回表示されたかです。YouTubeでいえば、再生数に近いイメージです。
じゃあ、インプレッションって、どうやって増えるのか。
ツイートが届きやすい先は、なんといってもフォロワーです。ただ、フォロワーも頻繁にTwitterを開いているとも限りませんし、毎日みていたとしても他の有力なツイートに押されて、タイムラインに表示されないこともあります。なので、インプレッションがフォロワー数よりずっと少ないことはよくあります。
一方、インプレッションがフォロワー数を大きく上回ることもあります。
たとえば、リツイートやいいねがたくさんつけば、フォロワーでない人のタイムラインにもそのツイートが流れます。フォロワー100人の人でもなにかをきっかけにバズれば、インプレッションが何百万にもなることがあります。
これまで、インプレッションは自分のツイートのみ、確認できました。これが1日ほど前から、いいね数と同じように誰にでもみえるようになったのです。
◆ フォロワー数は影響力の指標にならない?
TwitterでもインスタでもYouTubeでも、そのアカウントの影響力を測るうえではフォロワー(登録者数)が指標とされることが多いですよね。
ただ、フォロワー数って、影響力の指標としてビミョーな面もあると思います。
例を出しましょう。
同じフォロワー10万人でも、AさんとBさんだとかなり状況が違います。
Bさんは長年かけてフォロワーを積み重ねてきました。何年もフォローしているコアなファンもいるでしょうが、一方で、もうほとんど稼働していないアカウントも多く含まれているかもしれません。
そしてなにより、この1年で増えたのが3000人ということは過去と比べて勢いが落ちています。最近のツイートはあまり関心を集められていない可能性もありそうです。
一方、Aさんはこの1年なので、10万人のなかで、しっかり稼働しているアカウントの割合が高そうです。もちろん、人によりますが、このパターンだと、Aさんのほうがいいねもリツイートも多く、そしてインプレッションも高いはずです。次の1年で伸びる確率もBさんより高そうです。
フォロワーが100万人を超えていると、「おばけアカウント」のように感じるかもしれません。もちろん100万人はすごいのですが、100万人のフォロワーをもってしても、いいねやリツイートが驚くほど少ないアカウントもあります。
◆ YouTubeも同じ
YouTubeは「チャンネル登録者(フォロワーに相当)」と「再生数」が重要な数字とされます。
しかし、登録者が多いからといって、頻繁に視聴する人ばかりとは限りません。登録者が100万人を超え、再生数も100万回以上を連発していた人でも、人気がかげり、再生数が数万などに減ったという事例はたくさんあります。それでも登録解除までする人は多くないので、登録者数は高止まりするのです。
となると、登録者数より再生回数の動向のほうが大事ですよね。これはクリエイター側の収益という面でも同様です。登録者がいくら多くても、再生数が落ち込めば、広告収益も下がります。
◆ 影響力・拡散力を測るならインプレッション
Twitterアカウントの影響力を測るには、これまでフォロワー数やいいね、リツイート数から推し量るしかありませんでした。しかし、より直接的なインプレッションが公開されるようになった意味は大きいと思います。
たとえば今年一気に有名になった成田悠輔さんのアカウントをみてみると、フォロワーは53万人に対し、ツイートのインプレッションは100万前後の高い数値を安定的に出しています。それだけアクティブなフォロワーが多いとともに、フォロワー外にも届ける拡散力があるということです。
逆の具体例は差し控えますが、フォロワーが100万を超えていても、インプレッションが数万といったアカウントもあります。
ベールに包まれていた拡散力が白日にさらされたといっても過言ではないでしょう。
◆ プロモーションにも影響
となると、プロモーション目的のツイートにも大きな影響が出るでしょう。
たとえばインフルエンサー・マーケティングのように、商品をツイッターなどで紹介するという例があります。いままではフォロワーが大事な指標でした。広告主にもよりますが「フォロワーが●万人なら、1ツイートで◆円」といった目安を持つ人は多かったと思います。(ちなみに後藤は中立性を大切にしているので、こうした広告依頼を受けたことはありません。念のため)
ところが上記のように、いくらフォロワーが多くてもインプレッションが少ない人にお願いするのはコスパが悪くなりますよね。広告は多くの人の目に触れてなんぼの世界なので、今後は平均的なインプレッションが重要な指標になるかもしれません。
◆ とはいえ…
これまで「フォロワーを増やしたい」という発信者は多かったと思いますが、これからは「インプレッションを高めたい」という人が増えていくように思います。
ただ、インプレッション至上主義には危うさもあると思います。
「バズれば勝ち」となれば、ツイートが過激になったり、誇張したり、ときにはフェイクに発展したりしかねません。一時的に注目を集めても、バズりねらいだけで何年も注目や信頼を保つのは至難の業だと思います。
たまたまバズっているアカウントが目に入っても、フォローしようという気にならないと思います。フォローというのはやはり一つのハードルであり、フォロワー数もそのアカウントの大きさを測るうえで、やはり重要な指標です。
まとめると…
なにか一つの指標が大事というわけではないと思います。そして、数字には表れない価値もあると思います。たとえ100人でもものすごくコアなフォロワーがいれば、表面上のフォロワーが多くなくてもすばらしいアカウントになります。
ということで真ん中に「数字に現れないつながり、人気、信頼」といった表現もいれておきました。つかみどころのない概念ですが、こういうところこそ一番大事かと思います。ここがしっかりしていれば、フォロワー数もインプレッションもエンゲージメントも後からついてくるようにも思います。
Twitterはイーロン・マスクの買収以降、いろんな変革が起きていますね。これからも興味深い動きがあれば、こんな感じでレポートしてみようかと思っています。
インプレッションやフォロワーについては10月にも記事を書いています。よければあわせてどうぞ。
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