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経済ニュース1週間(2022/4/23)

YouTubeから1日遅れましたが、note版も作りました。フリーランスになってから3週間あまりがたち、個人事業主の開業届や年金・保険の移管なども一段落しました。noteは投稿が滞りがちでしたが、これからはもう少しギアを上げられると思います。

◆20年ぶり 1㌦=129円台

グラフの通り、2002年以来の円安記録を連日のように塗り替えました。背景は引き続き金利差です。アメリカの金利はインフレや金融引き締め観測で金利が上昇。一方、日本では日銀が金融緩和を続けており、長期金利もほぼ0%です。利回りの高いドルを買おうとする動きが強まっています

4/18、下記の黒田日銀総裁の発言が注目を集めました。これまで円安は「全体として日本経済にプラス」としてきましたが、「急激な変動はマイナス」と修正してきました。

円安の一因をつくっている黒田総裁の発言です。市場では「円安の負の面に触れたということは、円安を防ぐために金融緩和を弱めるかもしれない」との思惑もでて、4/18には少し円高に振れる場面もありました。

もう一度、円相場のグラフです(下記)。こちらは今年はじめからのもの。3月以降、115→129円と急速に円安になっています。20年ぶりという円安の「水準」も重要ですが、この速さも大切です。急激な変動は企業の事業計画にも大きな影響を及ぼしかねません。水準うんぬんとは別に、急激な変動は基本的に好ましくない――というのは世界の金融当局の共通認識です。

◆連続指値オペ

ところが翌日4/20、日銀は指値オペという臨時の金利抑制策を実施し、金利を強引に押さえつけました。概要は下記スライド、詳細は次のリンクで説明しています(https://note.com/goto_finance/n/n8b6a5365b350)。

4/21以降も連日でこの指値オペを実施。黒田総裁は4/22の講演でも「現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていく必要がある」と話しました。

日本の物価上昇率は4月以降に2%程度になる可能性がありますが、これは原油高など一時的な要因が多く、日銀は「安定的な2%目標の実現には依然として距離がある」としています。賃上げや消費も鈍さが残り、金融緩和を続けていくというのが基本線です。

ただ、急激な円安は輸入企業の負担増につながります。ガソリン、電気料金、食品などの小売価格に値上げが転嫁され、国民の負担にもつながります。鈴木財務大臣は「悪い円安」と評価しています。

4/28には日銀が金融政策決定会合を開きます。従来通り、金融緩和をしっかりつづけていくのか。円安に配慮して、政策を多少は修正してくるのか。金融市場の注目が高まっています

◆貿易赤字5兆円

4/20発表の貿易収支。2021年度5.37兆円の貿易赤字となりました。エネルギー価格の上昇で、輸入額が大きく増えたことが影響しています。

長い目でみた構造変化もあります。2000-2010年は貿易黒字が続いていました(リーマンショックの08年は例外)。ところが、その後は赤字のほうが多くなっています。エネルギーを輸入に頼る度合いが増えたほか、製造業の海外生産シフトが進み、輸出が伸びづらくなってきました。日本はいまや輸出大国ではありません

円安は輸出に追い風で、輸入に逆風です。このグラフからも、日本は円安のメリットを受けづらくなっているということがわかります。

◆NETFLIX 初の有料会員減

NETFLIXの2022年3月末の会員数が四半期ベースの開示後、初めて減りました。小幅な減少ですが、会社の見通しでは2022/6はさらに減ります。

ロシアの事業停止が一因ですが、それを踏まえても市場予想を大きく下回りました。ストリーミングの競争が激化しているほか、家族でアカウントを共有する動きも出ています。そしてなにより、2020年にはコロナの巣ごもり需要で会員が急増しましたが、経済正常化に伴い特需が一巡したといえます。

株価は急落しました。NETFLIXはGAFAMと並び、成長企業としての期待を集めてきましたが、その勢いは転機に差し掛かっています。

◆4/24-29の予定

金融市場が注目する主な予定です。GAFAMなど米有力企業の決算が注目されます。米国株は調整色を強めていますが、好決算が相次げば雰囲気も好転するかもしれません。

4/28の金融政策決定会合を含め、TwitterやYouTube含め、速報・解説していく予定です。

【お知らせ】無料期間、延長

「5月からの課金」をお知らせしてきましたが、5-6月も無料で続けます。理由は2つ。

【理由①】


4月はバタバタしていて、noteをあまり投稿できず、購入をご判断していただけるほどのサンプルを届けられていません。5-6月はもっと投稿できると思います。いましばらく、サンプルをご覧いただいて、7月以降にご判断いただければと存じます。

【理由②】


note社が夏にメンバーシップという新しいサービスを始めます。

月額固定プランで、マガジン・掲示板など様々なコンテンツを発信するプラットフォームになるそうです。noteのご担当者さまとも相談し、基本プランは月額500円で、夏のサービス開始とともに始めようかと検討中です。以前、マガジンは300円を検討としていましたが、5-6月分を無料にすることと相殺する形でご理解くだされば幸いです。

詳細が固まりましたら、またご報告いたします。引き続きよろしくお願いします。

2022年4月24日

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