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テキサスの困惑 ジャブローに苦笑い

ガンプラをもらったので少しずつ作っている。

子どもの頃からの友人がくれたのだ。なんだかお誕生会に呼んだお友だちからプレゼントをもらいましたみたいな話だ。が、私たちはすでに小学生ではない。小学生から見ればお父さんより歳上である。ちょっと恥ずかしい。

プラモデルはだいぶ前のものらしい。溝の口の居酒屋でいっしょに焼き鳥などかじっていたところ、家に作っていないシャア専用ゲルググがずーっとずーっとあり、奥さんから「ジャマなのでいいかげんにどうにかしろ」と迫られている、という話になった。そう、私たちは小学生ではないのである。

だったらおれに売ってくれとお願いした。これは休肝日の夜の時間つぶしにうってつけなのではないかと思いついたのだ。すると、彼はなにぶん古いプラモデルなので金はいらないという。お言葉に甘えてありがたく引き取らせていただくことになった。

次に会うのを楽しみに待っていると、その日、彼は「これもこれもつけちゃうよ~」となんだかテレビの通販番組みたいな感じでガンプラ4箱を持ってきた。ゲルググとズゴックのMG、ギャンのHG、それから旧キットのザクⅡジョニーライデン少佐機である。

4つもあんじゃん、それにMGってなんか高いやつじゃん、よく知らないけど。私はけっこう困惑し、うろたえた。そもそも私は休肝日の時間のつぶし方について悩んでいただけなのだ。もともと不器用なうえにプラモデルは子どもの頃に作っただけだから、ガチの人々のような知識やスキルなんてありはしない。ガンダムだってファーストシリーズが好きだったというだけである。ところで、ジョニーライデン少佐ってだれですか?

うん十年ぶりにプラモデルを作った。いろいろと汚い(苦笑)

そんなわけで、ネットなども参考にしつつポチポチと組み立ててみた。目合わせなんてろくにせず、墨入れもしない。スジボリなど不器用な私にはもってのほかである。塗装も色選びから処理までてきとーで、こだわる人からはこれなら塗らねえほうがマシだよぉとお叱りを受けそう。noteも含めネット上には、ほれぼれするような作例がいっぱいあるけれど、あれは本当にもうああせずにはいられない人々の作品で、つまりは皆さんクリエイターなのだなあとつくづく思う。

2体目。艶消しだけで地の色のまま汚しを入れるという方法が
あることを初めて知って試してみたところ
汚しというよりただの汚れになりおじさんは心が折れた

私は根が雑にできており、学習雑誌の付録なども糊が乾くのを待てずにぐちゃぐちゃにしてしまうような子どもだった。このガンプラを作っていてもそんな自分がしょっちゅう顔を出し、ああここまで生きてきても何にも変わんねえんだなあと苦笑する。けれど、黙々と手を動かしているとなんだか懐かしく、癒される。たぶん子どもの頃に退行しているんだろう。接着剤や塗料が臭いとよく文句を言っていた両親のことなども懐かしく思い出す。

3体目。キットがもったいないと思われる方もいらっしゃるかと思う。
ごめんなさい、これでもとても楽しかったんです。ゆるしてください。


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