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Dolphin Saneリスニングメモ(初稿5)

勝手にここからSide 2だと想定してみたが、3分35秒のこのタイトル曲の居場所はSide 1のラストでもいいかも知れない。

「予感飛行」のマインドトリップに促されて始まる「Dolphin Sane」はインスト、いや、むしろ今はその単語を聞かなくなった「ミュージックコンクレート」だ。まさか”Revolution No.9”が始まるとは思わないけれど、イメージが重複する。

普通に思うのは「これはイルカが泳ぐ世界を表現しているのだろう」と言うものだが、潜水艦のような無線通信のようなノイズと言うか信号から「海の中だよな」と思うのは簡単だ。そう言えば、イルカの声はどんなんだっけと気になってGoogleしてみた。

イルカの声は3つの基本的なものがあるそうだ。ホィッスル、クリックスそしてバーストパルスで、それぞれ役目が異なる。僕はイルカについて大した知識も持っていないから、受け売りになっちゃうけど、幾つもあるYouTubeではこの動画が簡潔にまとめていて参考になる。

人間以上の知能を持っているという学者もいるイルカ、先に書いたが「いるかスタジオ」といい、「Dolphin Sane」といい、将治がイルカにこだわるのはどう言う背景があるのか、機会があったら尋ねてみたい。

将治の「Dolphin Sane」は、イルカの声ずばりではないし、元々そうではないかもしれないが、かなり深いところまで潜ったかなと思った頃、突然、反復されるリズムが鳴り出し、そして消えていく。

そして、このアルバムで唯一ロックンロールナンバーと言える「アフター・アフェア」が低音のキーボードのリフ(もしかして逆回転か?)に導かれて始まる。ロックンロールナンバーと言ってもシャウトがある訳ではなく、キーボードから引き継いだ執拗なベースランニングと単調なメロディに終始絡みつくギターがラーガロック的なヴェルヴェットアンダーグラウンドとでも言う色をつけ、そこにまたフルートが出てくる。これをしてサイケデリックだと言うのはイージーかもしれないが、アルバム唯一のロックンロールナンバーでフルートがギターと並んでソロを取ると言うアプローチは奇妙さをまったく感じさせないうまい仕掛けだ。

Gliderの過去のアルバムにあったハードなロックンロールとは違う、催眠効果すらあるこのタッチ、病みつきになる。

3分ちょっとの「アフター・アフェア」が終わると、夢から覚めるように始まる曲のタイトルが「マドロミノフチ」と言うのがなんとも面白い。次回はリスニングメモ最終回、僕の妄想もピークを迎えそうだ(笑)。
(続く)

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