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【旅の記憶】ウィーン・プラハ6日間①(201X.2.15:出立前)

 大学の卒業旅行のお話です。

 去年のトルコ行きもばたばたしていた。部活の合宿数日後に出国したのだ。
 今回は春休みだし、卒論も諮問も終えて余裕があるだろうかと思ったら見当違いだった。
 出発二日前の日付が変わる前に課題レポートをようやく終え、ダウンジャケットを買ったのが三日前ならトラベラーズチェックを買ったのも二日前。内定先の研修が三日前にあるというのも最初から不吉だった、そういえば。
 今は心安らかに荷造りしている。せっせと洗濯物を乾かす間に、領事館の場所を調べる。情報の少ないチェコ語を少しでもネット上に探す。午後は恵文社あたりにでも行けばチェコの有用な本が見つかるだろうか?チェコ語はおろかドイツ語も守備範囲外である。先日京都駅で”Excuse me.”ときたときには、誠意は伝わったものの、苦笑いされてしまった。これもおとといの話。
 今回、相棒は同じ学科の友人。ちなみに我々は文学部でも国文学に属する者である(わたしは中文に片足を突っ込んでいるが)。欧米文学の知人と偶然同じ場所に同じような日程で卒業旅行することが判明したとき、なぜ中国へ行かないのかと不思議そうにされた。中国へはいつか行きたいけれど、先にチェコに行ったっていいじゃないですか?我々は国文とはいえ二人とも輝かしい王朝文学とは無縁の卒業論文を一ヶ月前に提出したばかりだ。別に関係ないけれど。
 実は国際線の飛行機に乗るのが二回目にして、海外旅行の楽しみの一つに数えている。前と同じ大韓航空だからって、機内のオーディオ・サービスも同じってことはないよね?


続き↓
【旅の記憶】ウィーン・プラハ6日間②(1日目)|ゴタンダクニオ

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