いつも半分、自弁って?

2015(平成27年) 6月5日 記


 だいたい留置場のメシっていうと、朝夕が仕出し弁当で昼は食パン4枚ってのが都内じゃ定番かなナ。
 そして昼だけは自腹で店屋物を注文できる。
 メシに限らず自腹で購入することを自弁というんだね。ハブラシとかタオルとかもそうだ。
 ここ蒲田警察は、カツカレー、かつ丼、ハンバーグ弁当、唐揚弁当、やきそばの中から選んで注文する事ができ、上の食堂で作っているらしくこれが結構美味しい。
 菓子パンを注文する事もできる。それとは別にジュースも注文できるので俺の数ある留置体験の中ではナンバーワンだ。それにしてもいっつも思うんだけどサ、悪いことしてこういうところに居るわけなんだからサ、皆平等に同じ物食わせてりゃあいいじゃないかと思わないか?
 こんなところまで来て、金のある奴とない奴では待遇が違うってのはあっちゃいけないことだろ。
 地獄の沙汰も金次第ってまさにこのことだ。金のないやつはいっつも昼はパンだけ。目の前でかつ丼食ってる奴見ながら、空腹に耐えたり、人に本を見せてもらっても見せる物はなく肩身の狭い思いをして、マルトメを着ている。
 自分がいる房で全員が店屋物を注文できるだけの金持ってりゃいいよ。でも必ずいるんだよ。持ち合わせなくてひとりだけパン食ってるひとってサ。
 いつもそうだ。これまでの留置場なぜか必ずひとり居た。だからサ。俺はいっつもそいつと頼んだ店屋物半分づつだ。なんでなんだよ。本当あったまくるよ。
 俺、小さい頃けっこうビンボーしてたからな。無視できないんだ。自分だけ食えるか?
 今回もやっぱりいたよ。だからまた半分だ。一度くらいぺろっとひとつたいらげてーよ。ちくしょう。


PS
そんなことしても、何にもならないことはわかってるのに、
ダメだな。
いまだに治らん!

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