【FX失敗例①】勝率が悪すぎるブレイクアウト手法を使いこなすには?
今まで、短期トレードの『レンジ内の逆張り』、『押し目買い・戻り売り』について、集中的にお話してきました。
それついての記事は、下記リンクからご覧ください。
ここでは、レンジ内のサポート・レズスタンスラインを抜けてブレイクしていく瞬間をエントリーする、『ブレイクアウト』の手法を、なぜ私が使用しないのか、詳細を述べさせていただきます。
その前に、私がブレイクアウトの手法で使っていたルールについて説明していきたいと思います。
図
出典:Tradexfin Limited(XMTrading公式サイト)
上の図は、ユーロドル5分足のチャート画面です。
使用通貨は、ポンド円などの乱高下が激しい通貨だと、ちょっとした変動で損切りになってしまうトレードルールであるため、値動きが安定しているユーロドルを選択しました。
使用しているテクニカル指標は、前回同様、指数平滑移動平均線(EMA)の期間10(青色)、25(赤色)、45(紫色)、75(緑色)、とボリンジャーバンド期間20です。
ATR期間20も損切りの時に必要があれば使用します。
値動きが上下するレンジ内の抵抗をあらわすサポートレジスタンスラインは、図にある2本の白ラインです。
エントリーは、図の④、⑤のように、サポートレジスタンスライン(白ライン)をブレイクしたときに行います。
エントリー条件は、図のように、レンジ内の上下の値動きが2回以上続く相場で、引いたサポート・レズスタンスライン(白ライン)をローソク足が抜けることです。
また、75EMAに10EMAと25EMAが抜けたあとに、ヒゲと実線を含むローソク足全体が10EMAを抜けることも条件とします。
さらに、抜けた赤丸のローソク足の高値安値を次のローソク足が更新した時にエントリーします。
損切りは、ローソク足の終値が10EMAを超えてしまった時に行います。
これは、図の黄色の丸に囲まれたローソク足を見るように、利確の役割もになっています。
また、損切りのもうひとつのパターンとして、通貨のボラティリティ(変動率)をあらわす指標であるATRを利用する方法があります。
有名な投資書籍では、このATRを2倍にした数字を、エントリーの基準になったローソク足の高値安値にプラスし、損切り値として採用していることが多いです。
利確に使う場合は、高値安値を更新した次のローソク足を見て、その高値安値の損切り方向に、ATR×2の数字をプラスするだけです。
これを、ローソク足が更新するたびに繰り返していきます。
このATRを用いた技法を、トレーディングストップといいます。
損切り・決済の方法は、10EMAかATRのどちらかお好みのやり方を選んでみてください。
図を見れば、④のパターンが成功例、⑤のパターンが失敗例となります。
一見、大きな利幅で、小さな損切りを繰り返せば、勝てる手法だと思えてくるでしょう。
しかし、このブレイクアウト手法には、重大な欠点があるのです。
まず、この手法は、以前、紹介した『レンジ内の逆張り』より、さらに低勝率の手法となります。
図の④のような勝ちトレードになるような場面は、まれにしか見られません。
そして、サポート・レジスタンスラインを引く判断も曖昧であるため、私のような完璧主義の人間には向いていないトレードとなります。
それ以上に問題なのは、利確までに大幅な時間を要するということです。
図のように1時間半で利確できるパターンなら、まだマシな方です。
最悪、4時間ほど、利確に時間をかけることもあります。
それだけ、利幅を稼げてることはとても嬉しいことなのですが...。
そこで、重要になってくるのが自動指値決済というやり方なのです。
『押し目買い・戻り売り』の場合にトレード時間が1:00を過ぎたとすれば、ボリンジャーバンドの2σあたりに指値を設定したり、ATRの1.5倍程度を上乗せした値を指値にすれば、なんとか損益に釣り合いがとれます。
『レンジ内の逆張り』なら、1:00時点で、すべてのポジションを決済してしまってもいいわけです。
ただ、ブレイクアウトの場合、トレード時間終了後、利益が出続けている状態ならば、裁量の決済手段で、最後まで利確することが望ましいのです。
中途半端な利幅なまま決済してしまうと、せっかくの伸び分をとり逃がしてしまいます。
そうなると、ブレイクアウトは勝率が悪すぎるため、最悪、損失分が上回ってしまう恐れがあるのです。
夜から、この手法をやってしまえば、睡眠時間がなくなってしまう可能性があります。
では、どのように修正していけばいいのでしょうか?
答えは、昼のロンドン時間(16:00~17:00開始)が始まった頃に、トレードし、20:00~21:00あたりにトレードを終えることだと思います。
『押し目買い・戻り売り』は、急激な値動きが続く夜頃のトレードがベストですが、『ブレイクアウト』の場合、値動きの小さい東京時間から、市場参加者が急激に増えるロンドン時間の始まりに限定してトレードをするべきです。
そのほうが、勝率も利益も安定するでしょう。
ところが、その時間帯は、サラリーマンが働く時間帯とかぶってしまうので、さらに検証を続ける気にはなれませんでした。