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温泉スイート製作中(2)

「源泉掛け流しの温泉浴槽が部屋にあるのは御所坊だけ!」
・・・有馬の多くの施設を管理している業者が言ったので、間違いはないと思います。
そして新たなキーワードは“ヌック”

温泉スイートの部屋の浴場

温泉の浴槽は縦横2m。深さは50㎝とすれば、単純に湯量は2t。
角を丸めたり、形を少し変えたり、段差を付けたりしている部分を省いても1.5tぐらいの湯が入る事になります。
家庭の浴槽が200ℓと言われるので、家庭の7~8倍の湯の入っている浴槽という事です。

2階(まだ呼称を決めてない)の浴場は、温泉浴槽以外にサウナとバルコニーが付きます。
サウナに入って、冷水のシャワーを浴びバスローブを着て、バルコニーで過ごす・・・・

1階は特殊な装置を備えた温泉浴槽と白湯の半露天風呂の浴槽を備えています。
「また中途半端な半露天風呂」と言われそうですが、保健所が「見えたらだめだ!」と厳しいのです。
もう少し外に出すと2階から見えますし、隣の家の窓から見えそうです。
だから少し建物の中に引き込めています。
でも小さな庭があり、向かいの山も望めますので、絶景とは言えませんが空間的広がりはあります。

温泉スイートの客室

元々は昭和33年に上棟した登録有形文化財の建物。
何故? このような建物にしたのか分かりませんが、1階は鉄筋コンクリートの箱・・・その箱の上に木造平屋の建物が乗っかっているのです。

2階は内部を解体して耐震補強を施しました。
しかし木造のために柱が多い。その為に部屋の広さは130㎡ぐらいあるのですが、いくつかの部屋に分かれています。

1階は鉄筋のために広い空間を確保できました。現在部屋の仕切りが出来てきているので、部屋全体の雰囲気が頭の中でイメージできかけています。

いずれにしても2つの部屋は違います。どちらが良いかまだ決められません。使い方で決まるのではないかと思います。

2階は3世代の家族。仲の良い2夫婦。リッチなカップル・・・

1階は・・・やっぱり2階と同じですね。しかし年代を10歳ぐらい2階の方が若い方が合うのではないかな?
と思います。

ヌックな空間

最近知ってよく使っている言葉に“ヌック”があります。
元々は、スコットランドのイングル・ヌーク(Ingle neuk)という暖炉の横に設けた腰かけです。

しかし現代では、ちょっとこもれる空間やこじんまりしている空間。
子供の頃つくった家の中の隠れ家の開放的な空間だと思います。
基本的にはちょっとした食事をとる為のスペース。
読書用の小さな空間。

階段下やちょっとしたコーナーに設けるそうです。

温泉スイートは3つの客室を1室にしています。
それぞれの部屋の窓側に小さな風呂が設置されていました。
1970年の大阪万博に向けて整備したんだろうと思います。

風呂を造った為に窓の開口面積が狭くなってしまっていて部屋が暗い。
そして小さな風呂の利用率は少ない。
昔、「バストイレ付」というと高級客室だった名残です。

3つの部屋を解体すると凸のような空間が生まれました。
ちょうどヌックと呼ばれる2~3畳のスペースです。

今までマイナスに見ていたこの空間をヌックとして使いたいと考えたのです。

2階のヌック

御所坊の対岸で猿のショーをしています。その場所から御所坊を見ると今回改装している建物の部分がよく見えるのですが、猿のショーを見た人が「あ!素敵な旅館やな」と思ってもらうようにしたいとも考えていました。

有馬温泉は三田の九鬼家の所領でした。その三田に九鬼家の家老屋敷が残っています。日本建築ですがバルコニーが設けられています。

三田 九鬼家 家老屋敷

神戸の北野の異人館は九鬼家の家老屋敷とは少し違いますがバルコニーがあり出窓の空間が設けられています。

それを取り入れたら魅力的な外観になると思っています。
この記事を書いている時点では工事用のテントを張っているので、出来上がるまで結果はわかりません。

2階のヌックな空間は出窓を活かした腰掛のある空間にしたいと考えました。その為に窓を一つ増やしました。
ヌックな空間に解放感を増す為です。

腰かけは“コ”の字型の作り付けにして、真ん中にゲームテーブルを置いて・・・一つ椅子を加えれば4人がテーブルを囲んでゲームが出来る様にしようとしています。
もちろん読書の空間としても良いと思います。

用意するゲーム類を収納するスペースも設けるようにしました。
3世代の人がご利用いただいた場合、子供さんがワクワクするような収納場所にするのもアリだと考えています。

1階のヌック

1階はゴールデンウィーク後から解体を始めました。
大浴場の上になるので大浴場の屋上の部分を利用した中庭があります。
ここにあった3室を1室にする事で屋上の庭は、この部屋占有という事になります。部屋の仕切りも少ない事から非常に広い空間の部屋になっています。

でも解体して風呂だった場所に立って眺めると、座るより立った高さの方が良いと思いました。
窓も新たにつくると広がりがあります。

「BAR」が良い!

雰囲気は違いますが、これぐらいのカウンター

客室にBARカンターが必要かどうかわかりません。でも3世代で過ごすとしたら、孫たちは広々とした空間で遊んでいる。庭に出て屋外用のチェアーに座る。「ちょっと酒を頂戴!」というとBARカウンターにいた人が、窓から差し出す事が出来る・・・お酒のカウントはどうするか考えていないけど、使い方のシーンは浮かびます。

いつもそうですが、出来上がると思い描いていたよりも、良い場合と良くない場合があります。
今回はどうなるか出来上がってから楽しみです。


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