地伝#33 ◾️ 2006年 DJとして終わり
2006年 8/26(土)に渋谷eggmanでグロープの10周年イベントが行われた。
ネイキッドアーツはもちろんのこと、餓鬼、ガリヤも出演して僕もDJとして参加させてもらった。客も出演者も知っている顔ばかりの気楽なイベントだった。
この日はセラートのスクラッチライブを使ってDJをした。「海外のDJはPCでプレイしているらしい」と聞いて気になっていたのでわりと早くから使っていた。
しかし、このソフトの導入がヒップホップだけでなくDJにすら興味をなくすきっかけとなってしまった。
新譜を配給する海外のレコードプールにメンバー登録して最新のヒップホップを手に入れていた。何が流行っているのかも一方的に情報が入ってくる。
MP3で送られてくる新譜は流行りのギャングスタラップがほとんどで個人的には全く面白くなかった。自分の好きなものと時代の乖離について行けなくなっていたことに気づく。
仕方ないのでギャングスタラップ以外のレコードやCDも買う。周りの友達は同じようなのはあまり聴いてないので共有する楽しみがなかった。
PCに入っている音質も様々になり整理する作業が面倒になってきた。
DJとしての在り方を考えていた。
僕はCDやレコードの曲を聴くことよりも最新の音楽と街の一体感やそこから生まれるパワーを感じるのが好きだった。音楽よりも文化的にヒップホップにハマっていたのだろう。
ギャングスタラップは渋谷の街を賑わして街に溶け込んでいたが音楽的に興味がなかった。流行りのヒップホップのファッションは妙にタイトなうえに派手で年齢的(31歳)にも馴染めなかった。
ーーー 最近見たYouTubeの番組でDJ HAZIMEが的確に指摘していた。特定の音楽を深掘りしているDJは別と前置きをしたうえで
"新譜を聴くのが苦痛と感じたら現役のDJとして終わり"
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これを機にヒップホップ以外の音楽やヨーロッパの音楽に興味を持つようになった。あまり聴いてこなかった日本のポップスも自然と聴くようになった。
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