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『The Texas Chainsaw Massacre part2』1986年


1985年。

私がまだ高校生だった頃。

週末深夜のテレビ番組の充実ぶりといったら、それはそれは物凄いものであった。

ベストヒットUSA、カーグラフィックTV、そして・・・ミュージック・テレビジョン
『MTV』だ。

「いや、いや、オールナイトフジとか、海賊チャンネルとか、そっちもあんじゃん!」と、突っ込みたい貴兄のお気持ちも充分察しておりますが、今回は『映画』という事で。

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アメリカのケーブルチャンネルであった『MTV』が日本に上陸した当初はテレビ朝日系で、土曜、日曜の深夜にオンエアされていた。

最初はテレ朝が用意したバイリンガル・ビデオジョッキー(VJ)数名が曲を紹介していたのだが、次第にそのスタイルはフェードアウトしていき、最後にはアメリカの放映に日本語テロップを付けただけのものになっていった。
悪くはなかったけど、確かに残念ながら違和感があった演出だったもんな〜。
(TBS版の萩原健太さんのVJの方が普通に面白かったよ。)

そんな深夜2時?3時?から放送していた土曜MTVの前に、『ショウビズtoday』というアメリカのエンターテイメントに関する番組が放送されていた。(この当時は土曜日で後に日曜日に変更になったかも?スミマセン💧うろ覚えで(^_^;)、)

これが実に面白かったのだ。

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今の様に『インターネットを介して最新の情報が時間差も無く、直ぐに世界中に広がる』なんて夢のまた夢だった80年代に、『最新の映画情報』が雑誌に載るより、遥かに早く知る事が出来た素晴らしいプログラム。

アメリカの番組を主体にしつつ、日本向け仕様のナレーションを付けるスタイルが実に良く、ダメな映画はボロクソに貶すのも爽快だった。

アメリカでヒットしても日本で上映するには早くて数ヶ月、遅くて一年かかった時代に、アメリカで公開中の新作映画が『ほんの少し』でも見れる、貴重な番組だったのだ。

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1986年。

いつもの様に『ショウビズtoday』を観ていると、ホラー映画の金字塔的作品の続編が公開されるというではないか。

『the Texas chainsaw massacre part2』
(邦題・悪魔のいけにえ2)

画像1

トビー・フーパー監督による大傑作のパート2だ。

(写真は私物のVHSビデオソフト)

新作の映像が流れ出すと、作品のテイストが
若干変わっている事に気が付く。

「あれ?もっとハードで不穏な感じじゃなかったっけ?」

そう。パート2はポップなのだ。
しかもブラック・ユーモア増しましのネ。

画像2

『ショウビズtoday』のナレーションは辛辣な言葉を並べ立てているが、大丈夫。

それもひっくるめて楽しみじゃないか!

数ヶ月後。

『悪魔のいけにえ2』の宣材写真が雑誌に載った。

レザー・フェイス一家が、ジョン・ヒューズ監督の大ヒット映画にして大傑作の
『THE BREAKFAST CLUB』1985年

画像4


のパロディをキメている。

画像3

大爆笑。


傑作に間違いない!

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渋谷陽一氏の手掛けた『ショウビズtoday』は一旦1991年に終了したが、間違いなく当時の日本ポップ・カルチャーシーンに、轍を残してくれた『ナイスプログラム』だったと思うのだ。



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