『飽くなき挑戦者』その名は・・・
THIN LIZZY そして自身のソロワークに至るフィルの姿勢は、実に一貫している。
それは時代のサウンド変換の歴史であると共に、フィルの挑戦の記録でもあるのだ。
ブルーズ、ジャズ、フュージョン、ディスコ、ソウル、レゲエ、ボサノバ、ハードロック、テクノポップ、ヘヴィメタル・・・
フィルのそのスタイルは実に多様で、しかも徹底した完成度を誇る。
好奇心を激しく刺激されたサウンドを『自分のモノにしたい』。
ソロならまだしもバンドとなれば、メンバーとの軋轢も生まれよう。
よってメンバーには柔軟性が求められる。
ゲイリー・ムーア?
本当に似た者同士だ。
お互いに『挑戦者』『盟友』。
ぶつかるに決まっているじゃないか?
ーーーーーーーーーーーーーー
『king's call /yellow pearl』 PHIL LYNOTT
ーーーーーーーーーーーーーー
1980年発表の12inchシングル。
A面はエルヴィス・プレスリーへの憧れをテーマにした楽曲だが、サウンドは当時新進気鋭のバンドとして人気を博しつつあった、まさにダイアーストレイツそのもの。
しかもギターはマーク・ノップラーだ。
クールなサウンドとフィルのボーカル。
素晴らしい組み合わせだ!!ついついマーク・ノップラーが加入した『メタル期の無いTHIN LIZZY』を妄想してしまう程に。
B面はミッジ・ユーロとのコラボレーション。超絶テクノポップ!!
ミッジのウルトラヴォックス加入以前のアイデアに、フィルが興味を持っての完成となる。
そう。違和感など皆無。グレイト!
まさかのメイクしたフィル!ウォークマン!ビデオカメラ!ポラロイドカメラ!!イメージはYMO!!
これがただのハードロッカーなら、ファンはひたすら困惑するばかりだが、こと本国では『いちジャンルに収まらないアーティスト』である事がちゃんと浸透している為に、普通に受け入れられるのだ。
何故ならフィルは無頼者。
そして『飽くなき挑戦者』であるからだ。