見出し画像

『復活!ヴァンデンバーグ!』

かつてのアメリカは、世界中のバンドにとって大いなる市場という名の聖地であり、見果てぬ夢を実現すべき魅惑の土壌であった。

しかしその華麗なる楽園は、戦士達のフロンティア精神が試される、まさに未知の暗黒大陸でもあったのだ。

アメリカでの成功は世界での成功を意味し、その美酒を自ら味わうべく、多くの戦士達がその頂きを目指し、勇敢に挑んでいった。

漸く見事に栄光を掴んだ僅かなバンド達。
しかし彼等に安息の瞬間は無かった。

次なるヒットへの大いなるプレッシャーに襲われ、心身共に疲弊し、ある者は酒に、またある者は薬に溺れていく・・・

嗚呼。
全米制覇半ばにして倒れていった多くの戦士達よ!!!

アメリカでの成功。
それはバンドにとって・・・何より、人生に於いて真の成功を意味したのであろうか・・・?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて。今回は
『誘惑の炎』に身を包まれながらも、2020年に見事復活した『ヴァンデンバーグ』
の登場です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

エイドリアン・ヴァンデンバーグは、オランダ国外での活動を目指し、バンド『ティーザー』を解散。
シンリジィ』のオーディションを受けるも落選。
その次に受けた『ホワイトスネイク』もやはり落選し、自己のバンド結成を目指した。

バンドを『ヴァンデンバーグ』とし、セルフプロデュースでアルバムを完成させ、アトコUSAと契約を結ぶ。
1982年。アルバム『ネザーランドの神話』よりシングルカットされた「Burning Heart」が、何といきなりBillboard40入りし、アメリカでの活動の大きな布石となった・・・

筈だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

1983年に発表された2ndアルバム『誘惑の炎』は、更に内容をパワーアップさせた傑作で、欧州や日本では人気があったが、アメリカでの売り上げは伸び悩み、バンドはいよいよ苦境に立たされた。

画像2

1985年。3rdアルバム『アリバイ』を発表。
ハードな曲と、キャッチーな曲、そして素晴らしいインスト曲をバランス良く配した内容は、まさに傑作と呼ぶのに相応しいものであったが、アメリカでの不発を受け遂に『ヴァンデンバーグ』は解散するのであった。

しかし、エイドリアンの素晴らしいギタリストとしての力量が見逃される事は無く、新作レコーディング途中のホワイトスネイクに参加
リ・メイクされ大ヒットを記録した『here i go again』のギターソロは、エイドリアンのものだ。

以降、受けるべき正当な高評価を受け、今もエイドリアン・ヴァンデンバーグは第一線で活躍している。

今年は『ヴァンデンバーグ』名義でのアルバムも発表し、エイドリアンの躍進はまだまだ止まらない。

『誘惑の炎』さえ吹き飛ばす程の情熱を抱えたまま、エイドリアンは突き進むのだ!KAMIKZEと共に!!


エイドリアン・ヴァンデンバーグはギターだけでなく、絵描きとしての才能も飛び抜けている。

自らのアルバムジャケットを手掛ける正に才人だ。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?