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引当金

◯貸倒引当金

3級で学習済みの内容はこちら

経営状態に特に問題がなく、回収ができるであろう債権については3級で学習した内容で処理しますが、財政状態が危険等により回収できるか不安な場合には個別に貸倒引当金を設定します。

なおその際に担保の受け入れをしている場合、債権金額から担保を処分した際の見込み額を差し引いた金額に貸倒設定率を掛けます。

例)決算日においてA社の受取手形100円に50%の貸倒引当金を設定する。なお担保処分見込額は50円である。
貸倒引当金 =(100 - 50)× 50% = 25
(貸倒引当金繰入)25  (貸倒引当金)25

◯修繕引当金

固定資産は必要に応じて修繕を行うことでその機能を維持しています。3級では修繕をした際に修繕費として処理するをことを学習しましたが、当期に修繕を行わなかった場合でも当期分の修繕費用として計上することができます。この時借方修繕引当金繰入として費用で、貸方修繕引当金として負債で処理します。

例)決算日において修繕引当金の当期繰入額100円を設定する。
(修繕引当金繰入)100  (修繕引当金)100

また修繕費を支払った際に修繕引当金の残高がある場合には、まずそれを相殺し、残った金額を修繕費として処理します。

例)雨漏りを直す工事を100円でしてもらい、現金で支払った。
なお修繕引当金の残高は70円である。
(修繕引当金)70  (現金)100
(修繕費)30

◯商品保証引当金

購入した家電などに数年間の保証があるように、販売した商品に一定期間無料で修理するなどの保証をつける場合があります。いつか修理を行なうことを考えて、当期に修理をしなかった場合でも当期分の修理費用として計上することができます。この時借方商品保証引当金繰入として費用で、貸方商品保証引当金として負債で処理します。

例)決算日において商品保証引当金の当期繰入額100円を設定する。
(商品保証引当金繰入)100  (商品保証引当金)100

また、修理を行って修理費用を支払った際に商品保証引当金の残高がある場合には、まずそれを相殺し、残った金額を商品保証費として費用で処理します。

例)販売した製品を200円で修理し、現金で支払った。
なお商品保証引当金の残高は100円である。
(商品保証引当金)100  (現金)200
(商品保証費)100

◯退職給付引当金

退職金は従業員が会社を辞める際に支払いますが、退職時に一括で費用として計上するのではなく、毎年積み立てて行くことで当期の費用として計上することができます。この時借方退職給付費用として費用で、貸方退職給付引当金として負債で処理します。

例)決算日において退職給付引当金の当期繰入額100円を設定する。
(退職給付費用)100  (退職給付引当金)100

また退職金を支払った際は、まずそれを相殺し、残った金額を退職給付費用として処理します。

例)退職金100円を現金で支払った。
なお退職給付引当金の残高は70円である。
(退職給付引当金)70  (現金)100
(退職給付費用)30

◯(役員)賞与引当金

賞与引当金も退職給付引当金と同じような処理をしますが、賞与がどの時期に対するものかによって計算をする必要があります。なお、借方賞与引当金繰入として費用で、貸方賞与引当金として負債で処理します。また役員に対する賞与の場合は役員賞与引当金として処理する場合もあります。

例)決算日の3月末において、翌期7月に支給する賞与(支給対象期間は1~6月)を見積もったところ、600円であった。
賞与引当金 = 600 ×(3 ÷ 6)= 300
(賞与引当金繰入)300  (賞与引当金)300 

また賞与を支払った際は、まずそれを相殺し、残った金額を賞与として費用で処理します。

例)賞与600円を現金で支払った。
なお賞与引当金残高は300円である。
(賞与引当金)300  (現金)600
(賞与)300

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