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貸倒れ

◯貸倒れ(当期)

倒産などにより売掛金や手形が回収できなくなることを貸倒れといいます。この貸し倒れた売掛金が当期に発生していたものの場合は貸倒損失として費用で処理します。

例)当期の売掛金100円が貸し倒れた。
(貸倒損失)100  (売掛金)100

◯貸倒引当金

決算日において当期に発生した売掛金が残っていた場合、貸倒れしてしまう可能性を考え、備えておく必要があります。これを貸倒引当金といい、マイナスの資産として処理して貸方に記入し、借方貸倒引当金繰入として費用で処理します。貸倒引当金は次のように求めます。

例)決算日において受取手形100円に5%の貸倒引当金を設定する。
(貸倒引当金繰入)5  (貸倒引当金)5

◯差額補充法

差額補充法とは、前期より貸倒引当金が発生しており、当期にそれが残っていた場合はその差額だけ追加で貸倒引当金を計上する方法です。逆に前期の貸倒引当金の残高が当期の設定額よりも多い場合はその差額だけ貸倒引当金を減らし、貸方は貸倒引当金戻入として収益で処理します。

例)決算日において受取手形100円に5%の貸倒引当金を設定する。ただし前期の貸倒引当金残高は3円である。
(貸倒引当金繰入)2  (貸倒引当金)2
※残高の3と合わせて5になるようにする

例)決算日において受取手形100円に5%の貸倒引当金を設定する。ただし前期の貸倒引当金残高は10円である。
(貸倒引当金)5  (貸倒引当金戻入)5
※貸倒引当金を前期残高10円から当期の5円になるように減らす。

◯貸倒れ(前期以前)

前期以前の売掛金や手形などに貸倒れが発生した場合、まずは貸倒引当金を充当させます。そして残った金額を貸倒損失として処理します。

例)前期の売掛金100円が貸し倒れた。なお貸倒引当金の残高は10円である。
(貸倒引当金)10  (売掛金)100
(貸倒損失)90

◯償却債権取立益

貸倒れ処理した売掛金や手形が回収できた場合、償却債権取立益として収益で処理します。

例)前期に貸倒れ処理した受取手形100円を現金で回収した。
(現金)100  (償却債権取立益)100

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