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債権債務

◯約束手形

約束手形とは、期日までに〇〇円支払いますという約束を記載した手形です。約束手形を振り出した側を振出人、受け取った側を受取人もしくは
といいます。

掛けの取引は通常1ヶ月程度で支払いをしますが、約束手形は2、3ヶ月後まで伸ばすことができます。買掛金と同じように、後で代金を支払う義務が生じるので、支払手形として負債で処理します。
例)100円の商品を1つ仕入れ、約束手形を振り出した。
(仕入)100 (支払手形)100

また後日約束手形の代金を支払った際は負債がなくなります。
例)約束手形100円を普通預金から支払った。
(支払手形)100 (普通預金)100

逆に約束手形を受け取った際は、後で代金を受け取る権利が生じるので受取手形として資産で処理します。
例)100円の商品を1つ売り上げ、約束手形を受け取った。
(受取手形)100  (売上)100

また後日約束手形の代金を受け取った際は資産がなくなります。
例)約束手形100円が普通預金に振り込まれた。
(普通預金)100 (受取手形)100

◯電子記録債権(債務)

手形の場合、紛失や手間、印紙代などのデメリットがあります。電子記録債権とはそれらの問題点を克服したものです。電子債権記録機関が管理する記録原簿に登録することによって権利が発生します。債権者(貸している側)が行う方法と債務者(借りている側)が行う方法があります。

債権者は電子記録債権として資産で処理し、債務者は電子記録債務として負債で処理します。約束手形と同じように支払いが行われた場合はそれぞれなくなります。
例)100円の商品を1つ仕入れ、電子記録債務の発生記録を行った。
(仕入)100 (電子記録債務)100
例)電子記録債務の支払いを当座預金口座より行った。
(電子記録債務)100 (当座預金)100

例)100円の商品を1つ売り上げ、電子記録債権の発生記録を行った。
(電子記録債権)100  (売上)100
例)電子記録債権100円が当座預金に振り込まれた。
(当座預金)100 (電子記録債権)100

◯貸付金・借入金

貸し付けとはお金を貸すことです。貸したお金は後で返してもらえるので、貸付金として資産で処理します。
例)現金100円を貸し付けた。
(貸付金)100  (現金)100

また貸付金が返ってきた時は、資産がなくなります。その際に受け取った利息は受取利息として収益で処理します。
例)貸付金100円を現金で返してもらい、利息として現金10円を受け取った。
(現金)110  (貸付金)100
       (受取利息)10

借り入れとはお金を借りることです。借りたお金は後で返す必要があるので、借入金として負債で処理します。
例)現金100円を借り入れた。
(現金)100  (借入金)100

また借入金を返した時は、負債がなくなります。その際にかかった利息は支払利息として費用で処理します。利息は月割で計算します。

例)借入金100円を利息と一緒に現金で支払った。なお利息は年率20%で借入期間は6ヶ月とする。
利息=100×0.2×(6/12)
  =10
(借入金)100  (現金)110
(支払利息)10

◯手形貸付金・借入金

お金の貸し借りをした際は借用書を利用しますが、代わりに約束手形を受け取ることもあります。通常の貸付金、借入金と区別するために手形貸付金として資産で、手形借入金として負債で処理します。
例)現金100円を貸し付け、約束手形を受け取った。
(手形貸付金)100  (現金)100

例)現金100円を借り入れ、約束手形を振り出した。
(現金)100  (手形借入金)100

◯未払金・未収入金

土地やPCなどの備品を後払いで買ったときは未払金として負債で処理します。未払金で処理するのは商品以外のものです。
例)土地を100円で購入し、代金は後払いにしてもらった。
(土地)100  (未払金)100

また未払金を支払ったときは負債がなくなります。
例)未払金100円を普通預金から支払った。
(未払金)100 (普通預金)100

逆に商品以外のものを後払いで売ったときは未収入金として資産で処理します。
例)土地を100円で売却し、代金は後で受け取ることにした。
(未収入金)100  (土地)100

また未収入金を受け取ったときは資産がなくなります。
例)未収入金100円を現金で受け取った。
(現金)100    (未収入金)100

◯前払金・前受金

商品を予約した際などに代金の一部を前払いすることがあります。これを内金もしくは手付金といい、前払金として資産で処理します。
例)商品100円を予約し、内金として50円を現金で支払った。
(前払金)50  (現金)50
※商品はまだ仕入れてないので仕訳しません。

また商品を受け取った際は資産がなくなります。
例)商品100円を仕入れ、代金は内金50円にプラス50円現金で支払った。
(仕入)100  (前払金)50
       (現金)50

逆に内金を受け取った際は前受金として負債で処理します。
例)商品100円の予約を受け、内金として現金50円を受け取った。
(現金)50 (前受金)50
※商品はまだ売り上げてないので仕訳しません。

また商品を渡した際は負債がなくなります。
例)商品100円を売り上げ、代金は内金50円にプラス50円現金で受け取った。
(前受金)50  (売上)100
(現金)50

◯仮払金・仮受金

交通費や交際費などの経費のため、事前に従業員にお金を渡しておくことがあります。これを仮払金といい、資産で処理します。
例)従業員に出張費用として現金100円渡した。
(仮払金)100 (現金)100

仮払していた金額の支払内訳が確定したときは、仮払金を該当する勘定科目に振り替えます。
例)出張費用として旅費交通費50円使用したと報告を受け、残金50円を受け取った。
(旅費交通費)50 (仮払金)100
(現金)   50

内容不明の入金があった際は、その内容が明らかになるまで仮受金として負債で処理します。
例)普通口座に内容不明の入金が100円あった。
(普通口座)100  (仮受金)100

仮受金の内容が明らかになった際は該当する勘定科目に振り替えます。
例)先ほどの不明な入金は売掛金の回収と判明した。
(仮受金)100  (売掛金)100

◯立替金

商品を仕入れた時にかかった費用(仕入諸掛)を自社で負担する際は、仕入に含めて処理しますが、先方が負担する費用を立て替えた際などは立替金として資産で処理をします。
例)取引先より商品100円分を仕入れ、代金は掛けとした。その際に発生した配送料10円は先方負担だが、一旦自社が現金で支払った。
(仕入)100  (買掛金)100
(立替金)10  (現金)10
※立替金で処理せずに、買掛金を減額することもあります。
(仕入)100  (買掛金)90
        (現金)10

商品を売り上げた時にかかった費用(売上諸掛)を自社で負担する際は、費用として発送費などで処理しますが、先方が負担する費用を立て替えた際などは先ほどと同様に立替金として資産で処理をします。
例)取引先へ商品100円分を売り上げ、代金は掛けとした。その際に発生した配送料10円は先方負担だが、一旦自社が現金で支払った。
(売掛金)100  (売上)100
(立替金)10  (現金)10
※立替金で処理せずに、売掛金を増額することもあります。
(売掛金)110  (売上)100
        (現金)10

◯従業員立替金

従業員が支払うべき金額を会社が立て替えた際は、従業員立替金として資産で処理します。
※単に立替金として処理する場合もあります。
例)従業員が払うべき保険料100円を会社が立て替え、現金で支払った。
(従業員立替金)100  (現金)100

従業員に給料を支払った際は、給料として費用で処理します。その際に従業員立替金があった場合は相殺して処理をします。
例)従業員に給料として1000円支払うため、先の立替金100円を除いた900円を現金で渡した。
(給料)1000  (従業員立替金)100
        (現金)   900

◯預り金

給料の支払い時に天引きした源泉徴収税額(所得税など)は、後ほど会社が従業員に代わって国に納めます。つまり会社が一時的に預かっているお金なので預り金として負債で処理します。
例)給料1000円のうち源泉徴収税額100円を除いた900円を現金で渡した。
(給料)1000  (預り金)100
        (現金)900

先ほどの預り金を国に納付した際は負債がなくなります。
例)預り金100円を税務署に現金で納付した。
(預り金)100  (現金)100

◯受取商品券

自治体や商店街などが発行した商品券を支払いの際に受け取った場合、この商品券は後で発行したところに買い取ってもらうことができます。なので受取商品券として資産で処理します。
例)商品100円を売り上げ、支払いの際に商品券100円分を受け取った。
(受取商品券)100  (売上)100

商品券を買い取ってもらった際は資産がなくなります。
例)商品券100円を買い取ってもらい、現金で受け取った。
(現金)100  (受取商品券)100

◯差入保証金

事務所や店舗を借りるときに敷金や保証金を支払うことがあります。これを「差し入れる」といい、この差し入れた保証金は退去時に返してもらえるので、差入保証金として資産で処理します。
例)事務所を借りるにあたって敷金として100円を現金で支払った。
(差入保証金)100  (現金)100

退去時に返還された際は資産がなくなります。
例)差し入れた敷金100円が退去時に現金で還ってきた。
(現金)100  (差入保証金)100


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