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株式

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◯資本準備金

・原則処理

株式会社の設立にあたって、株式を発行したときは、原則として払込金額の全額を資本金として、資本(純資産)で処理します。
※何も指示がない場合は原則処理です。

例)100株を1株あたり100円で発行し、全株式の払い込みを普通預金とした。
(普通預金)10,000  (資本金)10,000

・容認処理

ただし会社法では、払込金額のうち最低半分を資本金として処理することが認められており、資本金としなかった部分は資本準備金として、資本(純資産)で処理します。
※「払込金額のうち会社法で認められている最低額を資本金とする」などの指示がつきます。

例)100株を1株あたり100円で発行し、全株式の払い込みを普通預金とした。なお、払込金額のうち会社法で認められている最低額を資本金とする。
(普通預金)10,000  (資本金)5,000
          (資本準備金)5,000

◯株式申込証拠金・別段預金

増資をする際に、申込期間を設けて株主を募集しますが、増資予定の株数よりも多くの申し込みがあった場合、誰を株主とするか決める必要があります。例えば10株の募集に対して100株分の申し込みがあった場合、そのうちの90株分の申込者は株主となることができません。

会社は申込期日までに株式の申込者から払込金額の全額を受け取りますが、株式を割り当てなかった方に対しては、払込金額を返さなければなりません。そのため株式を割り当てる前に受け取った払込金額(申込証拠金)を株式申込証拠金として、資本(純資産)で処理し、払い込まれた現金等は会社の普通預金や当座預金と区別するために別段預金として、資産で処理します。

例)増資のため、株式10株を1株あたり100円で募集したところ、申込期日までに全株式が申し込まれ、払込金額の全額を申込証拠金として受け入れ、別段預金とした。
(別段預金)1,000  (株式申込証拠金)1,000

払込期日において、株式証拠金を資本金に、別段預金を普通(当座)預金に振り替えます。

例)払込期日となったので、申込証拠金1,000円を増資の払込金額に充当し、別段預金を当座預金とした。なお、払込金額のうち会社法で認められている最低額を資本金とする。
(当座預金)1,000     (別段預金)1,000 
(株式申込証拠金)1,000  (資本金)500
               (資本準備金)500

◯創立費・株式交付費

株式発行の際にかかった広告費や手数料などは、会社設立時の時は創立費として、増資の時は株式交付費として、費用で処理します。

例)会社設立時の株式発行手数料として、100円を現金で支払った。
(創立費)100  (現金)100

◯任意積立金・利益準備金

・任意積立金:資本(純資産)

会社が将来の活動のために独自で積み立てる準備金です。建物を新築するための新築積立金や特定の使用目的のない別途積立金などがあります。

例)株主総会において、繰越利益剰余金200円を株主配当金として100円、利益準備金として50円、別途積立金として50円、配当と処分することが承認された。
(繰越利益剰余金)200  (未払配当金)100
            (利益準備金)50
            (別途積立金)50

・利益準備金:資本(純資産)

会社法で積立が強制されている準備金です。繰越利益剰余金を配当する際、「資本準備金と利益準備金の合計が資本金の25%に達するまで、配当金の10%を利益準備金として積み立てなければならない」と会社法で定められています。

つまり
①:資本金×25%  ー(資本準備金+利益準備金)
②:株主配当金×10%
この①、②どちらかの小さい方の金額を利益準備金として積み立てます。

例)株主総会において、繰越利益剰余金の配当・処分は次のとおりである。なお、当社の資本金は3,000円、資本準備金は500円、利益準備金は200円であった。
・配当金:200円
・利益準備金:会社法に規定する額
・別途積立金:150円
①:3,000×25%  ー(500+200)=50
②:200×10%=20 ←
(繰越利益剰余金)370  (未払配当金)200
            (利益準備金)20
            (別途積立金)150


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