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新ごみ処理施設(中間処理施設)の建設計画

ラポルテ五泉が昨年10月に開業を迎えましたが、次の大きな公共事業と言えば、五泉市にできる2市1町で共同利用する新たなごみ処理施設(中間処理施設)の建設です。関連する話題では阿賀野市大室に建設予定だった最終処分場は地盤が悪いことがわかり昨年3月に白紙となったというニュースもありました。

最終処分場は決まっていませんが、中間処理施設整備・運営事業の契約締結は2022年5月に行われ荏原環境プラントを含めたJVが契約を締結しました。契約金額は160億円。

五泉市地域衛生施設組合のホームページ

最終処分場の問題が残りますがゴミ処理施設の新設について、これまでどのような流れがあったのか。公開されている情報をさらってみたいと思います。

五泉市議会 会議録 関連発言抜粋

全文は五泉市ホームページの五泉市議会の会議録で公開されています。

五泉市 平成29年 2月 定例会(第1回) 02月24日

この時点で清瀬地区への建設が決定事項として説明あり

(伊藤勝美市長)施政方針の説明
ごみの減量化とリサイクルの推進につきましては、衣類等の分別回収などを検討するとともに、五泉市公衆衛生協会と連携して、ごみの研修会の開催や、広報紙等でごみの分別、減量、再資源化などの啓発を進めます。また、老朽化した一般廃棄物中間処理施設を更新するため、清瀬地区への建設に向けて、住民の皆様のご理解を得ながら、阿賀野市並びに阿賀町と共同で取り組んでまいります。

平成29年 2月 定例会(第1回) 02月28日

市のリサイクル推進事業の布団、古着回収事業の導入検討に関する質問

(佐藤浩市議)
リサイクル推進事業ですが、これの一番最後のところに、これは布団、古着回収事業の導入検討というふうに入っておりますけれども、今現在の布団、古着回収事業の状況を、どのようにされているのか、またされていないのか、それを教えてください。
(環境保全課長 寺田亨氏)
今後につきましては、新しい焼却場をつくるというような計画もございますので、他市の状況にも合わせまして、古着と布団につきまして何とかリサイクルができないかというようなことで検討していこうということで本年度考えております。

平成30年  2月 定例会(第1回) 02月23日

余熱利用について健康作りのための温水プールの開設に関する要望が出ている。この時点では余熱利用の方法は決まっていない。

(阿部周夫市議)
次に、温水プールの開設について伺います。介護予防、健康増進、スポーツ振興の観点から、多くの市民から五泉市に温水プールをつくってほしいという要望を聞いております。介護予防ではプールでの運動がとても効果的であることが、テレビ、新聞、雑誌等でも多く紹介されております。また、肥満や日ごろの運動不足解消に水泳は効果的であります。現在平昌オリンピックも佳境に入り、冬季オリンピック史上、日本勢が過去最多のメダルを獲得しておりますが、幼少期からスポーツに親しむことはとても重要であります。そこで伺います。平成35年度に新しいごみ焼却施設が稼働する予定であります。新しい施設の一角にごみ焼却の熱を利用した温水プールの建設を強く求めます。
(伊藤勝美市長)
続きまして、温水プールについてのご質問にお答えいたします。新たに建設されます中間処理施設の余熱利用につきましては、現在施設組合で処理方法を含めた施設整備基本計画を作成しているところであります。このことにつきましてはいろいろなご意見をいただいておりますが、施設組合におきまして施設の運営方法など、さまざまな事項につきまして議論を重ねていく必要があるものと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

(阿部周夫市議)
かなりの方が夏の間だけでも利用していると。先ほど壇上でも質問しましたけども、冬期間なかなか運動不足であるときに温水プールが効果的だと、また施設組合のほうでも質問しましたけども、今亀田のアスパーク、これは指定管理で新潟市が運営しているところですけど、そこで500円払って行っている方の話を聞いて、お金払うから五泉でプールつくってという声が、60代以上の方で、やはり膝、腰が悪くなるけども、プールですと重力が減ってですね、非常に医師からもそういうふうに、股関節、膝の悪い方に治療がいいと、そういうことで介護予防にも当然つながりますし、今山口課長が言われたように約2万人弱の方がプールを利用していることを考えたときに、その6倍を掛けた場合に、温水プールですともっと利用者がふえるのではないかと思っております。
~(省略)~
  以前図書館の駐車場のところにプールがあったと、うちの子供もプールに親しんだわけですけども、あと新津のほうに行ったりとか、そういった形でなかなか中学校もプールの授業もなくなったということで、プールというのは非常に大切だと私は思っておりますけども、それ単独で、今の粟島公園のプール、村松の運営費もかかると思うんですけども、それを仮に閉鎖して新しいプールをつくってもいいのではないかと思っているんですけど、市長、それについてどういうふうにお考えになりますでしょうか。

(伊藤勝美市長)
基本計画を今つくっている最中ということで、これは来年つくる予定にしております。余熱利用ということで、売電が普通、普通という言葉は変ですけども、売電がよその市町村、県外の自治体等でこの中間処理施設の売電ということが普通になってきているということであります。その売電のお金を施設運営に利用するということになるわけでありますけれども、お湯をつくった場合、これは年間通して五泉市が買い取らなければならないということになろうかと思います。施設運営のお湯をですね、阿賀野市さんも阿賀町さんも一緒になってつくりましょうというんであれば3者のお湯だと思いますけども、五泉市がそのお湯を買って、年間、夏もですね、買わなくちゃならないんじゃないかというような思いもございますけども、今全然イメージはありませんけれども、そういった余熱利用についてのコンサルを初め、いろいろなこれから指導があると思いますけれども、市民の要求が多いということを本当に認識しておりますし、国民健康保険の運営協議会でも視察に行きますと、介護予防、健康保持のために遠野市ではそのような話、室内プールがありますし、温水プールであります。本当に健康を維持するのに効果的だというのは、そういう意味合いにおきましても、保険財政を抑制するにおいても効果的だということは十分承知しております。これから基本計画の中でどのような余熱利用というのが考えられるのか、施設組合の中で考えていきたいと考えております。」

令和2年 2月 定例会(第1回) 03月03日

将来も含めた財政負担に関する検討要請、余熱利用に関する売電の妥当性確認と市民への情報提供の要望が出ている。余熱利用の方式について決定はしていないが、売電の方向で動いている様子が伺える。

(波塚静亮市議)
200億を超える巨費を投じてですね、建設する、まだ決まってはいませんけども、そういう予定、計画を組んでいると。まず1点目は、財政負担の心配です。そして2点目はですね、1点目と併せてごみ減量の視点から再検討、ダウンサイジング等も含めてですね、検討できないのかということを当局に要請したい。
(伊藤勝美市長)
施設が供用開始される前にはごみの有料化や分別化を実施し、建設費用が過大とならないように、構成する阿賀野市や阿賀町とも協議しながら、適正な施設整備に向けて取り組んでまいりたい。


(安中聡市議)
150億円で業者に出している部分の中で、焼却炉をつけるけども、売電施設というのも、売電のことも考えてほしいみたいな形でたしか計画として出していると思いますけれども、今売電の価格というのはまだ低額なんですかね。低額でも徐々にたしか値段が下がってきているというような状況になっていると思いますけども、この辺の認識というのはどうなのか

(環境保全課長 五十嵐剛氏)
新中間処理施設に関する建設費の中での一部という、設計の段階ですけども、売電ということで、そこでごみを燃やすことによって熱からタービンを回し、電気を作るということでの売電ということは、今その施設に投じる、売電をするための施設の費用対効果ということで、電気の買取り価格も大分下がってきているというような状況もありますので、それは投資した施設と比較した中で検討しているということで、今段階ではまだ決まっていないところでありますが、それを視野に入れているということであります。


(安中聡市議)
割に合わなくても売電施設建てるんだなんていう話になっていったら、困るのはやっぱり五泉市民ということになっていきますし、また周辺自治体、阿賀町や阿賀野市も関わってくるでしょうけども、彼らの負担分にも関わってくるんで、そのあたりはぜひとも柔軟に、割に合わないと思ったら計画をやはりやめて、それに見合う、例えば五泉市民からは、昔から温水プールというものをできれば整備してほしいんだというような回答というのも私は頂いております。熱で温水プールというのができれば健康増進に役立つし、また阿賀野市や阿賀町の人たちにも多く寄ってもらえれば五泉の活性化につながるなんていうような意見もいただきました。

(伊藤勝美市長)
温水プール、これこそ割に合わないところでございまして、五泉市の敷地内に温水プールを造るということは、一つの仮定としては議論してあります。しかしながら、五泉市がそのプールをですね、運営すると、阿賀野市の皆さんが五泉市のプールを利用してですね、できるのか、この施設は五泉市、阿賀野市、阿賀町の中間処理施設ということでございます。ずっと議論を重ねてですね、売電をする発電施設というのを造るということには、再生エネルギーで国の指導も入っておるわけでありまして、それをすることによってその補助金が入るということも一つあるわけでありまして、プールをつくる、また農業施設の園芸作物の温水を流してですね、ハウスを造ってですね、農業振興に役立てるべきだという議論もございました。しかし、それは五泉の地域でありますので、阿賀野市までお湯を送るわけにはいきませんので、売電が一番効率的でいいと。話は違いますが、効率的でいいということでですね、それが取りも直さず施設の中の、浮くと、電気を使って、また売電をすると、それが平等で、阿賀野市、阿賀町の皆さん、市民の皆さんに平等に分配して負担率が下がるということでありますので、ご理解を賜りたいと思っております。

(安中聡市議)
やはりそういったものは納得できない部分ですし、もし仮にそれでも進めるんであれば、当然五泉市民、議員に説明したからいいじゃなくて、五泉市民の皆さんにちゃんと五泉市民説明会を開いて説明するべきだと思いますけども、これをやる気はあるのかどうなのか、これはいかがでしょうかね。

(伊藤勝美市長)
五泉地域衛生施設組合でですね、経過報告からみんな広報で家庭にお配りしてですね、建設計画からずっと売電する仕様を広報しております。説明してほしいとなればいつでも伺いますし、町内会であれば伺って説明させていただきます。ちゃんと施設組合議会の議員さんもおられます。五泉市、阿賀町、阿賀野市の議員さんから構成された議会でですね、議論しております。広報活動に努めてまいります。

令和2年 6月 定例会(第4回) 06月11日

中間処理施設の建設に関する市民への十分な情報効果を求める要求が出る。

(波塚静亮市議)
中間処理施設、最終処分施設について、市民に対する情報提供をということで、2月にですね、施設組合のほうでホームページ、実施方針案というのが出ています。私もこれ聞いてね、環境保全課の五十嵐課長から聞いて、あら、出ているわみたいな感じであれしたんですけども、インターネット、ホームページ常日頃から見ていればいい、私もね、見ていればいいんだけど、見ていなかったりするもんだから、大概の人そうなんじゃないかなというふうに思いますので、その辺の情報公開の問題について少しきちっとしていただきたいなというふうに思います。
~(省略)~
環境問題、ごみ減量の課題を周知する上でも、市民への説明をですね、きちっとしたほうがいいんじゃないかなというふうに思います。
~(省略)~
DBOというふうな方式を考えられておられるようですが、メリット、デメリット、一つの共同事業体を想定しているようですが、25年ぐらい要するにお付き合いするような話になっているみたいですので、こういう重要な問題をもっと我々も、市会議員もね、きちっと押さえておかなきゃなんないし、市民にもちゃんと理解してもらいながら進めていくように、これは要請ですけども、あれです。
(伊藤勝美市長)
事業運営についてはDBO方式、いわゆる公設民営により事業の実施を検討しており、民間事業者の施設の設計、建設及び運営、維持管理を一括委託することで、建設費等が削減されるものと考えております。ごみ減量等の課題についてでありますが、現在、分別方法や減量化など新施設の運用につきまして、2市1町で協議を進めているところであります。今後、ごみの分別講座や市民を対象とした他市焼却施設の見学、グリーンカーテンなど地球温暖化防止の取組と併せて、市民への周知を図ってまいります。

令和3年 6月 定例会(第4回) 06月11日

中間処理施設利用2市1町のごみの分別方法の統一化と周知に関する質問

(佐藤浩市議)
統一した分別方法にしなければならないのは当然と思われます。今五泉市と阿賀町は比較的同じような分別であり、ほとんどの家庭ごみを燃やすごみとして収集していますが、阿賀野市はプラスチックごみに関してかなり細かく分けて分別し、リサイクルに回すということを行っております。昨今の環境問題を考えると、少なくとも五泉市も2市1町の統一の分別として、今まで以上の細かい分別をしていかなければならないと思いますが、新中間施設供用に際して五泉市の家庭ごみ収集の分別をどのようにする計画であるのか伺います。
(伊藤勝美市長)
令和7年4月の供用開始に向け、現在対象品目や出し方の基準など、分別のルールにつきまして構成市町である阿賀野市、阿賀町と統一を図るため調整しているところであります。新たな分別の周知方法につきましては、今年度より供用開始までの間、市内各地区を対象とした住民説明会をはじめ、学校の授業やお茶の間サロンなどで実際の商品を用いながら具体的な説明を行うとともに、市広報やホームページなども活用しながら、分別に対する理解を深めていただけるよう啓発活動を行ってまいりたいと考えております。
教育長(井上幸直氏)
ごみ分別の啓発についてお答えいたします。
学習指導要領では、小学校、中学校ともに環境教育に関わる内容が示されており、各学校では各教科等の学習内容に応じて取り組んでおります。令和7年度から本格的なごみの分別を開始することを踏まえ、学習の中で啓発、周知にもつなげていきたいと考えております。
(佐藤浩市議)
お子さんがいない家庭もかなりあると思いますので、そういう家も同じように家庭ごみの分別はしなければいけない。その分別をやる際には、先ほど課長がお話しされたようにカレンダーを配るという、それはもちろんあれですが、その中に、これ提案なんですけども、写真を交えて、もう分別のための写真、それを各家庭に配って、ごみの分別する場所のところに貼れるような感じでやっていくというのも一つの手かなとは思います。

建設に向けた議論で気になる点

①市民への情報公開に関して市議会でも様々な観点から指摘があがっている。推進協議会による決定事項が報告されるケースが多く、方針の決定プロセスで広く市民の意見を求めた形跡が少ない。

②設置自治体にはゴミを燃やすこと、各地から運搬車両が集まることによる環境負荷がが生じる。共用自治体間の平等性が強調されており、負担をかける設置自治体への利益還元の視点での議論がなされていない。

③余熱利用においては「売電」と一言でくくられており、新電力の地産地消といった議論、情報提供がなされていない。ごみ発電による行政コストの削減メリット(経済性)と、行政施策の促進メリット(地域貢献性)の2点について議論の深まりを希望。環境問題に注目が集まる中、経済性だけでなく政策目的を持ってごみ発電の供給先を選択することが求められる。

今後の動きに注目していきます。



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