マガジンのカバー画像

ごーせんの掌編小説

6
手のひらにおさまる感情と追憶、記憶を吹きかけてあなたの鼻梁へ香りを飛ばします。
運営しているクリエイター

#明大前

「明大前」という病

「明大前」という病

終電間近の明大前駅を、男女5人組の学生が-おそらく明大前生だろう-改札へ猛ダッシュしている姿を目撃し、涙が流れてきた。

あぁ、時間が経ってしまったんだな。

もう僕にはあんな風に、終電めがけて突っ走っていくという、シチュエーションに出会うことはないだろう。

終電間際に猛ダッシュするというオプションが、いつの間にやら無意識のうちになのか、はっきりとは分からないが僕の中から選択肢として消え去ってい

もっとみる