見出し画像

お母さんの匂い、アストリンゼンの香り


お母さんの匂いって、「シャボンの匂いが・・」という歌があるが。自分にとっては、アストリンゼンの香りだった。母は、厚化粧ではないし、洗顔後に、安物の化粧水をはたく程度だったと思う。それも、農作業や、家事で、汗水を流し、匂いがするのは、朝のうちだけだったような気がする。

たまに、炊きあがったご飯の匂いに、アストリンゼンの匂いがうつってしまい、なんともいえない、ごはんがたきあがり、その匂いが気になってしまう。しかし、せっかく、作ってもらった食事だから、まずいとは言えないし、我慢して食べるが、頭が痛くなった。

このようなことは、本当に年に数回だったと思う。よほど、慌てていたか、寝坊したかぐらいなものだったかもしれない。

しかし、母がアストリンゼンの化粧水をはたく姿をみたり、匂いがほんのりするのは、なぜだか安心する。

祖母の匂いは、椿油のような、なにか別の匂いがした。

母におんぶされて、首筋のおできの痕をみながら、クンクンしていたのをふと思い出す。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?