かわいいおこりんぼう
絵本の記録-9
「ロッタちゃんとじてんしゃ」
作:アストリッド リンドグレーン 絵:イロン ヴィークランド
対象年齢:4歳から
スウェーデンの有名な作家、アストリッド リンドグレーンの絵本です。
彼女の作品はあれも、これも?というくらい著名なものばかりですが、
そろそろ冬も終盤ということで春らしいものを選びました。
内容は、誕生日のロッタちゃんのお話。欲しかった自転車がもらえなかったロッタちゃんは驚く方法で解決しようとします。
昔「ロッタちゃんはじめてのおつかい」という映画を観たことがあったのですが、その頃はロッタちゃん役の可愛さにしか関心がありませんでした。
しかし原作のロッタちゃんも可愛かった。おてんばで、わがままで、おこりんぼうで。
自転車がもらえなかったロッタちゃんはプンプン、気が治りません。それを見守る周りの大人の対応も北欧だなーといった感じ(想像上の)。
このプンプンをプンプンのままいさせてあげるのが良いなあと感じるところです。
このお話は「長靴下のピッピ」「やかまし村のこどもたち」ほど牧歌的ではないものの自然がそこかしこに描かれています。庭に咲く花や木々が、短い夏の太陽の光を待ってました、とばかりに溢れています。テーブルの花瓶には庭で摘んできたであろう花がたっぷり生けられています。
日本国民憧れの<木の枝に吊るしたブランコ>にロッタちゃんが乗っているページがあり、特に美しいです。ヴィークランドの挿絵がその世界観を見事に表現しています。春のあいだ、お部屋に飾るのもいいですね。
リンドグレーンのお話は、自然が豊富で馬車に乗ったり、釜戸で調理したりと、ふた昔ほど前の世界が多いです。けれどそこには子どもにとって憧れの世界が広がっています。麦わらの上にジャンプしたり、秘密基地をつくったり。
いたずらだって、現実世界ではなかなかできません。だから世界中の子どもたちにリンドグレーンのお話は愛されているんでしょうね。
他にもおすすめしたいリンドグレーンの本があるのでまたの機会に。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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