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お父さん

お母さんは、一日のうち、
何回「お父さん」と言っているだろう。
「ねぇ、お父さん」
「あの…、お父さん」
「お父さん、お父さん」
「ねぇねぇ、お父さん」
「お父さん!」
私は、日に数回、言っているくらい。

お母さんのお父さんを呼ぶ時も、
何かを尋ねたい時だったり、
嬉しくてワクワクした気持ちを
話し始める時だったり、
ちょっとしょんぼりした時だったりと様々だ。
ただ分かることは、
母は、父を信じて頼っていることだ。

これから先、私と母と、
どちらが父を「ねぇ、お父さん」と言っていることが多いだろうとふと思った時、
「断然、母の方が多いだろうな」と感じた。
「お父さん、聞いて…」と言っている母は、
なんだか無邪気で、かわいく感じてしまう。
私のことは忘れることはあっても、
お父さんのことは、なかなか忘れないのでは…と勝手に推測。

「お父さん」と呼んでる母。
呼ばれている父を見ていると、
微笑ましいし、
なんだか、胸が温かくなることもある。
この2人の信頼関係あっての、家族であり、
私がここまで育ってこられたのだな…と思う。

一生懸命に「お父さん」を言う母。
それに、答える父。
あたりまえの風景かもしれないけれど、
仲が良くなくちゃできない。
今日も、「お父さん」から始まる一日だ。

(2012.4.24)

母の病気が、分かってから、
散文的に文章を記していた。
今回から、過去エッセイ日記をもとに、
書いていこうと思う。

2020年の今も、
変わらずに、「お父さん」と呼びかける母。
父は、休む間もない。
母の呼びかけに、
「なんだい?」と穏やかに答えている。
2012年頃よりは、
感情表現が豊かになっている母。
そんな母に、振り回される父。
そんな2人を見守る私。

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