#節約父さん 完全版
■■ はじめに
■ 働き盛りのお父さんのために
この本は、働き盛りのお父さんのために書いた。そして、何より自分のために書いた。
お父さんの人生を、豊かでポジティブに、そしてクリエイティブにしたい。
お父さんが、お父さんに寄り添って書いた本は、なかなかない。お父さんは、市場のターゲットから外されている。市場のメインターゲットは、女性と若者とオタクである。
■ お金をかけずに豊かで満ち足りた生活を
支出を減らし、収入を増やして、お金をかけずに豊かで満ち足りた生活を取り戻そう。
お金が自由に使えないことを嘆き、下を向いて生きるのはもうやめよう。お金がない中で、どれだけ充実した生活が送れるのか、クリエイティブに考えよう。これは、自分自身に向けた本でもある。
私は、今年2022年で52歳になるが、自由に使えるお金はほとんどない。ついでに言えば、家族の会話もほとんどない。一番風呂にもはいれない。
そんな家族のために、汗水垂らして働いているかと思うと「やってられるか!」となる(笑)。かといって、全てを投げ打って行方不明になる勇気もない。
似たような境遇のお父さんは、多いかもしれない。
■ 昔の大人はお金があった
若い時は、50代の大人にこんなにお金がないとは思わなかった。昔の大人は、もっとお金があったように思う。
確かに、年収は減っている。
私は、2011年(41歳の年)にITの会社を辞めた。専門学校に通い、グラフィックデザイナーとして独立したのだ。
700万円あった年収はゼロになったが、当時は満身創痍であり、とてもあと20年続ける気力はなかった。
■ 歳をとると給料は増えない
会社員が給料を増やすのは大変だ。日々の努力は、良い評価を生む。徐々に給料は増えるが、責任も増える。
また、歳をとると給料は増えなくなる。
ベースアップ(基本給の上昇)は、いつまでも続かないのだ。昇給停止の平均は、48.9歳である。ただし、役員は別だ。役員は、労働基準法で定める「労働者」に該当しない。つまり、社員ではないのだ。
●昇給とは? 定期昇給とベースアップの違い、計算方法の例、昇給率とは? - カオナビ人事用語集
https://www.kaonavi.jp/dictionary/pay-raise/
50歳目前というのは、子どもにお金がかかる年齢である。小さいうちは良いが、年頃になれば出費も増える。高校受験や、大学受験も控えている。
■ 給料と副収入で暮らす
コロナ禍により、グラフィックデザインの仕事は激減した。各社、デザインは内製化に動いている。外注せずに自分たちでやる、ということだ。
一方、2018年から契約社員として始めた現場仕事は、好調である。職場も、良いメンバーに恵まれた。コロナ禍でも、現場仕事は減らない。収入的には、完全にこちらが本業である。
現在は、現場仕事の給料と、月に数万円の副収入でやりくりしている。有料note の販売も、副収入のひとつだ。
■ 月額の出費が増えた
昔と今の大人では、何が違うのか。
光熱費や住宅費は、それほど変わらないはずだ。新聞はとうの昔にやめた。ストーブからエアコンになり、電気代は増えたが灯油代は減った。
生命保険、損害保険は、ネット社会になってからむしろ安くなったと思う。
しかし、スマホや光回線、Dropbox や Creative Cloud、Amazon Prime などサブスクリプションの支払いは増えた。昔には、なかった概念である。
■ 生涯賃金も大きく下がった
また、生涯賃金も大きく下がった。生涯賃金とは、定年までに受け取る総賃金である。
大卒男性の場合、ピーク時の1993年から最低値の2013年まで15%も減少している。バブル崩壊やリーマンショックによる景気の悪化が原因だ。また、株主重視経営が労働者の賃金を抑えている。
●生涯賃金の推移~大きく下がった生涯賃金~ – 組織・人事コンサルティングの株式会社トランストラクチャ
https://www.transtructure.com/hrdata/20210622/
■ 支出を減らして収入を増やす
支出が増えて、収入が減ったのだ。実にシンプルな構造である。
しかし、このまま放置して良いわけがない。少なくとも、私はこのままでは嫌だ。
解決策も、いたってシンプルである。支出を減らして、収入を増やせば良い。大切なのは「自分の財布に入る分」を増やすことだ。
■ 同士をほおっておけない
これは、家族への裏切りではない。家族を養うためには、最大限の努力をする。その上で、自分の財布に入る分を増やしていく。
家族に入れたところで、小遣いが増えるとは限らない。正直に言えば、男には「少しばかりの小遣い」が必要なのだ。金額は、多くなくてよい。好きに使えるお金が要る。これは「飲む、打つ、買う」のことではない。
女性には、わからないかもしれない。妻に話しても、理解してもらえないだろう。
だから、これはお父さんのための本だ。
大人の男に寄り添うノウハウ本は、あまりにも少ない。私は、同士をほおっておけない。
■ クリエイティブにポジティブに
節約とはいえ「爪に火を灯すような」生活は嫌だ。
これは、ろうそくを燃やして明かりにするのももったいないから、自然に伸びる爪を燃やすという、極貧生活の揶揄である。
この本では、生活スタイルはそのままに、支出を減らし、収入を増やす。そして、それをクリエイティブにポジティブに実践していく。
お役に立てれば幸いです!
■■ 第1章:食費を減らす
■ 節約を趣味にする
まず初めに、節約を趣味にしよう。どうしたら支出を抑えられるか、真剣に考えるのだ。これは、十分にクリエイティブである。そして、だんだん楽しくなってくる。
いやいや行う節約は、楽しくない。
専用のブログを立ち上げてもよいし、YouTube で発信してもよい。主婦の節約情報は多いが、中年男性の目線による発信は少ない。
行動そのものが、楽しくなるような工夫をするのだ。安くて良いもの、安くてうまいものを探すのは、とてもクリエイティブである。
■ コンビニ買いをやめる
まず、コンビニ買いをやめよう。
スーパーやドラッグストアでは、同じ商品が半額のこともある。遠くまで行かなくてよい。視界に入らないだけで、スーパーは各所にある。
会社員時代は、何も考えずにコンビニで買っていた。しかし、ただ店を変えるだけで、支出は半分になる。
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